ペットシッターになることを考えたきっかけと取得してよかった資格

コラム
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最近は、「どうしたらペットシッターになれるの?」といった嬉しいご質問をいただく機会も増えてきました。今回は私が、この素晴らしい職業に就くまでの経緯をまとめてみようと思います。

専門学校で学ぶなか、開業を目指して資格を取得

「動物のお世話をしたい」

子どもの頃から動物関連の職業に興味を持っていた私は、高校卒業後、ペット関連の専門学校に入学し、アニマルセラピーを学べる学科を選択しました。動物と人間の関係や心理学、そして福祉分野に興味があった私にとって、どの講義や実習もとても魅力的で、毎日、犬や猫など様々なペットと関わることができる環境がとても嬉しいものでした。

アニマルセラピー分野を専攻しつつ、将来は動物関係の仕事で開業したいと考えていた私は、たくさんの資格取得に励みました。動物関係の仕事を開業する為には、知識と経験、そして信頼が必要だと感じていたからです。

学校の実習では、普段なかなか交流できないさまざまな職業や年代とお話しをする機会にも恵まれました。リハビリの目標を立てるために犬を連れて行く動物介在活動や動物介在療法、さらには子どもたちに命の大切さを伝える動物介在教育も学ぶこともできました。これをきっかけに、動物の存在を通じて人の福祉向上などの活動を行う「公認動物介在福祉士」(一般社団法人 全日本動物専門教育協会)の資格や、介護福祉分野にも関わる「ホームヘルパー(現 介護職員基礎研修)」も取得しました。

開業を現実のものにするために介護職に従事

実際に、犬や猫を扱う第一種動物取扱業を行う為には、動物取扱責任者を1名以上置かなくてはなりません。座学や実習が十分にすすんだところで、動物取扱責任者になるための要件を満たすための資格の習得に乗り出しました。私が選んだのは、日本愛玩動物協会の「愛玩動物飼養管理士」で、ペット飼養管理の言わばプロと認めてもらえる資格です。体の仕組みはもちろん病気や怪我への対処、法律の知識まで多岐にわたって学ぶことができるので、専門学校での学んだことを総まとめするよい機会になりました。

開業する為の資格は取得していましたが、すぐには開業せず、一旦は介護職として高齢者デイサービスで仕事をしました。アニマルセラピー分野の知識を活かした職務の経験を積みたかったためです。

そこでは、多くの利用者さんからのペットをわが子のように大切する言葉の数々でした。「我が家にも犬がいるのだけど、散歩ができなくて」「こういった症状があったのだけど、動物病院行ったほうがいいかな? 」などなど。ペットのお世話でお悩みのみなさんのお力になりたいな、なんてことを思い始めたのも、そういえばこの頃だったかもしれません。

悩みながら出会った職業「ペットシッター」

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(c) Rock and Wasp / shutterstock

その後は、介護員を離れ、一般企業に就職することになりました。仕事は忙しく、出張や残業といった問題が降りかかってくることになりました。介護職についていたときに聞いたような悩みが、今度は自分自身に降りかかってきたのです。帰宅が遅い私は愛犬のことが心配でたまらなくなり、ペットホテルに預けることにしましたが、我が家のワンコはストレスで表情が変わってしまったのです。

悩んでいた私は、ネットでの情報収集を開始。あるWebページで「ペットシッター」の存在を知ることになりました。その時、「いつか動物のお世話の仕事がしたい」という子どもの頃からの夢を思い出したのです。

「動物と人の心のつながりを大切にしたい」と思った学生時代、ホームヘルパーとしての様々な自宅にお伺いした実習、犬のお世話に悩んでいた高齢者の方の言葉、犬の留守番に自分自身が悩んだ経験、全てが一致しました。「ペットシッターとして開業しよう」そう心に決めました。

そこから開業までは一直線。私の場合、学生時代に必要となる専門資格を取得していた為、改めてペットシッターとしての資格を取ることはせず、動物管理センターに動物取扱業の登録申請を行い、私自身が動物取扱責任者となってペットシッターを開業しました。

犬はもちろん、人とも信頼関係を築くペットシッターという仕事

ペットシッターは、飼い主さんが外出や急用などで、留守にする時、ペットのお世話をする仕事です。普段の環境を変えずに過ごすことができる為、動物たちの受けるストレスも少なくて済むのです。大切な家族をお預かりするわけですから、普段の生活状況やワンコさんのお散歩コースに渡るまで、細かい打合せを行ってから実際のシッティングに入ります。お客様は、旅行の方や出張の方だけでなく、ご高齢で犬の散歩ができない方や、通院や入院によってお世話が困難になった方など、様々な方がいらっしゃいます。

犬のお世話はもちろんですが、飼い主さんとの信頼関係を築くことが大変重要な、人とつながることができるお仕事です。

大切な家族を安心して預けていただくために

ペットシッターになる為には、個人や法人で開業するほかにフランチャイズ加盟店として開業するなど、様々な方法があります。開業のために必要な資格は上述の「動物取扱責任者になる要件となる資格」くらいでしょうか。これも、業を営む者の1名が持っていればよいわけですので、必須とはいえません。

ただ、お客様となる飼い主さんからの信頼を得るために、専門学校や通信教育などで動物に関して学び、何らかの専門資格を取得しておいたほうがよいと思います。どの資格がよいか、ということは目的にもよると思います。資格団体がたくさんあって選べないという方は、歴史ある団体で多くの資格取得者を輩出しているといった実績で決定するのも一つの手です。もちろん、経験者に話しを聞くのもよいと思います。

ペットシッターとして様々なペットのお世話をする中、必要を感じて新たな資格を取得しました。「愛玩動物救命士」の資格です。これはペットの健康や安全を守るための知識を学ぶ資格で、実際にお預かりしたペットの身体の不調に気づいたこともありました。後日、飼い主さんが動物病院で検査したら病気の兆候があったと聞いて、胸を撫で下ろしたものです。


大切な家族をお預かりする仕事。

緊張することもありますが、ワンコさんやニャンコさんと過ごす時間はとても楽しく、とってもやり甲斐のある仕事です。興味がある方はぜひ、チャレンジしてみてください!

 

 

Featured image by evarin20 via shutterstock

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