the WOOF専属ライター犬、ライチがお届けする世界の犬ニュース。今日はイギリスから、名犬ラッシーもびっくりの故郷への旅を実現したシープドッグのお話です。養子に出された家から逃走し(!)、故郷の家までの240マイルを12日間かけて家路を辿ったというから驚きです。
シャイなシープドッグは故郷へ帰りたかった
「お家へ帰りたい」と強く思ったのでしょうか。移り住んだ家を飛び出し、長い旅路を急いだのは、シープドッグのペロ(Pero, 4歳)。羊追いの能力を買われ、イングランドの小さな町コッカーマス(Cockermouth)に移り住んだワンコです。
生まれ故郷は240マイルほど南に位置する、Penrhyncochという村。そこで他のシープドッグに混じって、羊追いの仕事をしていました。元の飼い主であるジェームズ夫妻は、「能力を活かせる良い機会」と思い、ペロを送り出したのだといいます。
しかし、シャイな性格が災いしたのかお仕事でも力を発揮できず、4月のある日に農場から逃走してしまいます。新しいご家族は、ペロがすぐに戻ってくるものと思っていましたが、ジェームズ夫妻に一報を入れておきました。
12日後、仕事から帰宅したジェームズ氏を出迎えたのは、尻尾を振って喜ぶペロ。12日間をかけて、240マイルの道のりを歩いて旅してきたのです。
性能の良い”体内コンパス”を持つお仕事犬たち
240マイル(約386キロ)といえば、東京から名古屋間の距離といったところでしょうか。距離もありますが、交通量も多いので進む方向を決めるのにも一苦労してしまいそうです。
動物行動学が専門のローリンソン氏(Stan Rawlinson)がテレグラフ紙に寄せたコメントによれば、「ワーキング・ドッグは、”体内コンパス”と空間認識の感覚を持っている」らしく、ペロのように遠く離れた故郷に戻ることは不可能ではないとのこと。
長い旅をして帰宅をし、飼い主さんに忠義を尽くしたのは、ペロだけではありません。1920年代にはスコッチ・コリーのボビー(Bobby the wonder dog)が6か月をかけて、インディアナ州からオレゴン州までの2,551マイルの旅をして話題となりました。ペロの場合は飼い主に忠義というのとはちょっと違うような気もするんだけれど、「故郷に帰りたい」っていう強い気持ちを持ったという意味では似たような話かな。
家族と一緒に過ごせることが、犬にとっての最高の幸せ
家に戻ったペロですが、少し痩せていて弱々しい様子もありましたが、概ね健康だったとのこと。「彼は長旅を耐え抜いた強い犬です」とジェームズ氏は語っています。
ジェームズ氏を見つけたペロは、ぐるぐる回ったり、ぴょんぴょん飛び跳ねたりして、再開の喜びを表しました。すごく嬉しかったんでしょうね。大好きなご家族と一緒なのが犬には幸せなんだってことを、旅を通じて教えてくれる逸話だなぁって思いました。
もしかしたら、いつもは甘えることが少ないワンコさんだって、心の中では「ご家族、大好き♡ すきすき」思っているのかもしれません。ただ、ちょっとシャイなだけ。どんなワンコも家族が大好き。力のかぎり愛を注いで上げてくださいね。
気になるのはペロのその後のこと。「ここにいた方が幸せだろうね」とジェームズさん。どうやら、将来にわたって故郷の家で暮らすことができるみたい。ちょっとちょっと、ホッとしました!
h/t to Homesick Dog Makes 240-Mile Journey Back To Farm He Loves
Featured image from South Wales Evening Post
【イヌニュース】母を訪ねて9マイル〜分離不安の老犬、家族を求めて海にドボン(米国) | the WOOF
the WOOF専属ライター犬、ライチがお届けする世界の犬ニュース。今日は、米フロリダ州から家族を求めて海に飛び込み9マイル(14.5km)を泳ぎきった犬のお話。 少し前(2016年4月)のニュースだけど、犬の分離不安ってどういうものか、ラブラドールがどれだけ素晴らしいスイマーか、そして老犬の体力ってすごいんだよってことがわかるニュースなので取り上げました。