【犬DVD紹介】『ベル&セバスチャン』〜アルプスの麓で、少年と、犬と

本・映画・テレビ
この記事をシェアする

皆さんこんにちは! 東京在住のパグ、ぐりです。かなりすぎてしまいましたけれど、今年もどうぞよろしくお願いいたしますね。

さて、お正月はいかがお過ごしでしたか? 僕は、「お餅おいしそう~」「みかんもいいな~」と、家族の食べるものを見ながら過ごしていました。でも、うっかり人間の食べ物を食べると、皮膚がカイカイになってしまうことがあるので、僕はお正月もいつもの食事でしたけどね。

外はいい天気で、散歩は絶好調! 今年も何かいいことありそうな感じがしましたよ。みなさんにとっても、幸せな一年になりますように。

また今年も、素敵な犬本、犬DVDをご紹介していきたいと思います。よろしくお付き合いくださいませ。

児童文学が原作の映画

1217 2

screencapture from Belle and Sébastien / Belle et Sébastien (2013) – Trailer English Subs / YouTube

このお正月休み、本も読みましたが、こたつの横でゴロゴロしながら、DVDを観ていました(あ、僕はいつでも休みみたいなものだから、お正月休みっていうのは、家族のね)。ちょうどみんな「正月だから映画でも観るかー」と言いつつ、移動するのは面倒くさいからと家でDVD鑑賞だったのでした。

そんな中で、近年観た作品の中でもかなりおすすめ度の高いものに出合えました。『ベル&セバスチャン』(監督:二コラ・ヴァニエ、出演:フェリックス・ボッスエ、チェッキー・カリョ他 フランス2013年)です。原作はセシル・オーブリーの児童文学『アルプスの村の犬と少年』だそうです。児童文学が原作ですが、深い内容と美しい映像で、大人もすぐに惹き込まれます。

物語の舞台はアルプスの麓にある小さな村。孤児のセバスチャンはおじいさんのセザールと、その姪のアンジェリーナと一緒に暮らしています。ある時、村人の家畜がたびたび“野獣”に襲われるようになり、その退治がささやかれるように。セバスチャンはある日、この“野獣”に遭遇するのです。それは、大きな大きな犬でした。彼はこの犬にベルと名前を付けて、退治しようとする大人たちから必死に守るのです。

また、時は1943年。ナチス・ドイツの親衛隊が、ユダヤ人排除をこの村でも実行しようとしていました。村の医師、ギヨームは、この村に住むユダヤ人一家を隣国スイスへ脱出させるために道案内をしています。もちろん周りには内緒で、です。しかし、ある時彼は怪我をしてしまい、案内ができなくなってしまうのです。背後から迫るナチス。絶体絶命のピンチを救ったのは、ベルとセバスチャンでした。

探検家の監督が撮る雄大な自然

1217 0

screencapture from Belle and Sébastien / Belle et Sébastien (2013) – Trailer English Subs / YouTube

僕は、原作はまだ読んだことがないんだけれど、映画はびっくりすることの連続でした。

まずは、大自然の景色がとにかく素晴らしく美しいこと。ヨーロッパの山々は写真でしか見たことがありませんでしたが、この作品の中で、その大自然の四季折々の姿を存分に楽しませてもらいました。「ああ、映画館のスクリーンで観たかったな…」と思ったよ。監督の二コラ・ヴァニエは探検家でもあるそうです。だからでしょうか、雄大なアルプスの自然が、どう撮れば一番生き生きと見えるのかを知り尽くしていると感じました。春の花、夏の空、秋の紅葉、そして冬の雪。自然の厳しさと温かさがぞんぶんに楽しめる作品です。

そして、主人公のセバスチャンを演じた子役の男の子と、ベルを演じた犬の演技がとても自然なのです。主人公のセバスチャン役を演じたフェリックス・ボッスエ君は2000人以上の応募者の中から選ばれたそう。子役ですが目力がすごい。台詞だけでなく、目で語る役者さんでした。大人びた視線を送ったかとおもいきや、次の瞬間には無邪気でかわいらしくはしゃぐ姿も見せる。セバスチャンになり切っての演技は、子どもとは思えません。

犬のベル、犬種はグレート・ピレニーズです。真っ白で大きくて、セバスチャンと同じくらいの背の高さ。存在感はたっぷりです。大きな犬ですが、とても優しい雰囲気がありました。アルプスの山々がよく似合う、雪のように真っ白な姿が、目に焼き付きましたよ。

ナチスの将校も人間だった

1217 1

screencapture from Belle and Sébastien / Belle et Sébastien (2013) – Trailer English Subs / YouTube

一方で、物語の重要な伏線になっているのが、ナチス・ドイツの侵攻です。「こんな山奥の村にまで…」といたたまれない気持ちになりました。しかし、ナチスの将校も人間です。そのことを実感させてくれる部分が物語後半に出てくるのですが、そこはとても見応えがありますから、ぜひご自分の目で確かめてみてください。

作中、セバスチャンはベルを「僕の大事な友だちなんだ」と言います。子どもにそんな風に言ってもらえたら、僕たち犬は本当に嬉しくなっちゃう。きっとベルもそうだったんだと思います。セバスチャンと遊ぶことを心から楽しみ、彼と一緒にいられる時間を大事にしている様子が画面から伝わってきましたから。時に美しく、時に厳しい自然と人とのつながり、その中での、人や犬の心の動きを丁寧に描いた傑作です。

犬が好きな人、自然が好きな人、山が好きな人、歴史が好きな人、どんな人にも楽しめる映画です。ぜひぜひご覧になってみてください!


ベル&セバスチャン [DVD]
ベル&セバスチャン [DVD]

posted with amazlet at 17.01.16
TCエンタテインメント (2016-03-18)
売り上げランキング: 10,785

アルプスの村の犬と少年 (少年少女新しい世界の文学 23)
セシル・オウブリ
学習研究社
売り上げランキング: 1,244,680

Screen capture from Belle e Sebastian Trailer Oficial legendado (2015) HD / YouTube

the WOOF イヌメディア > すべての記事 > イヌを知る > 本・映画・テレビ > 【犬DVD紹介】『ベル&セバスチャン』〜アルプスの麓で、少年と、犬と

暮らしに役立つイヌ情報が満載の「theWOOFニュースレター」を今すぐ無料購読しよう!

もっと見る
ページトップへ