自分に素直に生きるんだ~『ドクター・ドリトル』

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皆さんこんにちは! WOOFOO天国出張所勤務のパグ犬、ぐりです。お元気ですか?

僕はこっちの世界で毎日快適に暮らしていますが、地上の飼い主だったNさんからも「やっと花粉から解放されて、健やかにすごしております」という手紙が届きました。Nさんはどうもスギ花粉に反応するらしいね。ヒノキの花粉シーズンになったらおさまったみたいだから。植物は二酸化炭素を吸収して酸素を放出してくれるから、生き物にとって大事なパートナーだけれども、こうして花粉が国民病みたいになってくると、悩ましいよね…

もし、動物の言葉がわかったら?


image by Dr dolittle movie 1998 / wikipedia

さて、パートナーといえば、動物と人間は昔からよきパートナーとして暮らしてきたと思います。特に僕たち犬は、より人間に近い場所で、ともに生活を作ってきたよね。でも、どんなに近しい仲であっても、共通言語は持っていない。もし、相手の言葉がわかったとしたら? 自分と同じ言語で動物たちと会話ができたとしたら? そんな面白いテーマを映画にしたのが、今月ご紹介する『ドクター・ドリトル』(監督:ベティ・トーマス 出演:エディ・マーフィ 1998年公開 配給:20世紀フォックス)です。

この映画の原作は、あの名作「ドリトル先生」シリーズ(ヒュー・ロフティング作 岩波書店他)。だけど、原作が1920年代に発刊されたのに対し、この映画の舞台は現代になっています。主人公の名前「ジョン・ドリトル」こそ継承されているものの、ほかは今の時代を生きる人たちが楽しめる作りになっています。

小さいころの才能を忘れていた主人公


image by Dr. Dolittle 1 (HQ-Trailer-1998) – YouTube

ジョン・ドリトル(エディ・マーフィ)は人間のお医者さん。娘二人と美しい妻がいて、自分が院長を務める病院が大病院と合併する話も進行し、順風満帆な生活をしていました。しかしある日、その合併話の打ち合わせをレストランのテラス席でしている際、近くにいた鳩の会話が人間の言葉で聞こえてくるのです。パニックに陥るドリトル。しかし実は、ドリトルは子どもの頃、動物の言葉がわかって、会話ができていました。それを異常だと思った父親に、大事な親友であった犬を取り上げられた悲しみから、ドリトルは動物と話せることを自ら封印してきたのです。

大人になったドリトルは、自分が動物と話せる能力を持っていることをすっかり忘れていたのですが、その才能が急に再び開花したのね。それはびっくりするはず。ドリトルは自分の脳に異常があるのではないかと疑い、病院で同僚に検査をしてもらうも、異常は発見できず。驚きと戸惑いをよそに、動物たちは自分の言葉が通じる人間がいると、いろいろな悩みを持ちかけるようになります。

その中でも大掛かりな悩みは、あるサーカスにいるトラの深刻な病状でした。早く手を打たなければならないけれど、トラは大きな動物。検査にも治療にも細心の注意が必要となります。さあどうする、ドリトル先生。ちなみに、当初は自分が動物の言葉を理解できることにとまどっていたドリトルも、途中から腹を決めて、動物たちと接するようになっていきます。

娘と自分を重ねて

この作品は、コメディ映画と分類されているけれど、かなりハートフルな内容だなと僕は思いました。もちろん主演がエディ・マーフィだから、面白くないわけがないんだけれど、要所要所に、人生哲学みたいなメッセージがわかりやすい言葉でちりばめられているんです。脚本もうまいんだね、きっと。

中でも一番印象的だったのは、物語の後半、ドリトルが自分の娘、マヤに向かってかけた言葉です。マヤは周りから見ると少し変わった女の子。動物が大好きで、自分でモルモットを飼い、ほかにも卵をふ化させる実験を家でしている一方で、友だち付き合いはあまり上手ではないようです。そんなマヤをドリトルは、友だちと普通に仲良くなれるようにと、長期キャンプに送り込んだり、時にマヤが飼っているモルモットに八つ当たりしたり… でも、もしかしたらそれは、自分の小さいときと、マヤが重なって見えたからかもしれません。動物と話せる自分を認めたドリトルは、マヤに言います。

自分に素直に生きるんだ

と。これはいい言葉だなーと思った。そしてこの言葉が、この映画の一つのテーマになっているような気がしました。

僕たち犬も、人も、自分のいやな部分ってたくさんわかっているよね。でも実はそれがいい部分だったりする場合もある。だから、一度自分を肯定的に眺めてみたらどうだろう、というメッセージを受け取った気がしました。

単なるコメディ映画にとどまらない作品。ぜひ家族で楽しんでみてくださいね。


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Featured image creditCazz/ Flickr

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