皆さんこんにちは。ご機嫌いかがですか? 読書犬のぐりです。
気づけばもう12月!なんとなくついこの間まで夏だったような気もするのに、季節が移るのは早いですね~。人間の世界ではだんだん気ぜわしいシーズンに突入でしょうか?年末に向けて、街はクリスマスの色に染まり始め、来年はどんな年にしたいか、思いをはせるのかな?
僕は今、WOOFOOの天国出張所で働いているけれど、こちらも年末年始はゆったりと過ごせる予定です。Nさんはどうしているのか聞いてみたら、「星野源のニューアルバムが出るの!12月に!」とか言ってる(笑)。まあそれぞれ、いろんなことで忙しいのかもしれませんね。
世界中の犬たち
さて今回は写真集をご紹介します。『犬を旅する。―世界で一番いろんな国の犬がのっている本』(新美敬子写真・文 河出書房新社 2001年)は副題に「世界で一番いろんな国の犬がのっている本」とあります。本当にそうだなと思わせてくれる1冊です。
写真と文を担当している新美さんは、ご自身の職業を「犬猫写真家」としています。「動物写真家」でないのは、犬と猫しか撮っていないからおそれおおいそうで(笑)。そのあたりのことは別の本『職業犬猫写真家~猫とわたしの東京物語』(新美敬子 日本カメラ社 2006年)に詳しいです。こちらの本は、写真は猫のみですが、あわせてぜひ読んでみてください。
さて、『犬を旅する。』は、30か国以上の国々の犬たちを紹介した本です。全部新美さんが撮ってる。そう。新美さんは旅好きな方でもあるのです。前職はテレビ番組制作の仕事で、そのころには頻繁に海外出張があったそうですが、それ以外にもご自分でも旅をなさるのでしょうね。
そして、なぜ旅先で犬を撮るようになったのかは、あとがきにあります。
犬の表情を撮りたいと思った。旅に出れば、犬との出会いを心待ちにした。犬は正直な生き物だから、考えていることが顔に出る。経験や自信や知性が現れ、ときに、いっしょに暮らす人間の生活が透けて見えるようで怖いこともあるけれど、それだけに、内面がわかるような写真が撮れたときの充実感はたまらない。(p96)
そもそもなぜ犬の表情を撮りたいと思ったのかは、この文章の前の段落にあります。それはそれは楽しい出来事で、そこにそのきっかけとなった3匹の犬の写真も掲載されているのですが、ほっこりする1枚です。ぜひぜひ確かめてみてくださいね。
ヨーロッパもアジアも
そうして旅先でたくさんの犬を撮り始めた新美さん。本はまず、ギリシャから始まります。働く犬、シープドッグの凛々しさ、イタリアの陽気な表情の犬、フランスのカフェの店先で飼い主を待つラブラドール。スロバキア、プラハ、ハンガリーと続きます。カナダの自転車や車に乗っている犬の写真も面白い。ハワイの犬はなぜか海が似合うし、香港、マカオ、台湾と、アジアの犬たちは、どこかヨーロッパやアメリカの犬とは違った表情をしている。雑多な街中に自然と溶け込んでいるように見えるから不思議です。
国が代われば人の顔や髪の毛の色、文化も何もかもが異なるけれど、犬たちにもそれが当てはまるんだなと思いました。残念ながらパグは登場しないんだけど、なんというか、この本に出てくる各国の犬たちって、犬種がはっきりしている犬よりもそうでない犬のほうが多いかな?と思うくらいの感じでした。特にアジアは。
犬だけでなく、その犬のバックにひろがる景色や建物、そして一緒にいる人たちから、その国の色やにおいを感じ取らせてくれる本だなと思いました。
元郵便局員だったカメラマン
さて、著者でカメラマンの新美さんですが、彼女は、学校を卒業して最初についた仕事は郵便局員だったそうです。ちょっとめずらしいと思いませんか? その話も先に紹介した『職業犬猫写真家』に詳しく載っています。私は新美さんが自分の生い立ちや仕事について書かれている文章が好きです。そしてお母さんのことも。そちらものぞいてみてくださいね。
そういえば、来年の5月の連休は、10連休になる可能性もあるとか。海外旅行を計画しようとしている方も多いのかな? 犬好きで海外を考えている方、ぜひぜひこの本をめくって、行先を検討してみてくださいね!
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★ トップおよび記事中のお写真は、犬猫写真家で著者の新美敬子さんよりご提供いただきました!活動の様子はブログやtwitter(@st_Gatto)でチェックできるよ〜♪