『パターソン』パルム・ドッグ賞受賞の名優犬・ブルドッグのネリーの演技にくぎ付け!

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皆さんこんにちは! 朝晩涼しくなりましたね~ 

こちら、天国でも徐々に秋を感じている、読書犬パグのぐりです。秋。そうです。読書の秋。なんだけど、今月は僕、すごーく魅力的な映画を観たんです!だから、その映画を紹介しますね。

相棒はブルドッグ

ニュージャージー州パターソン。その街の名前と同じ名前を持つ男性、パターソンがこの物語の主人公です。彼と、その妻ローラ、そして相棒のブルドッグ、マーヴィン。2人と1匹の1週間を描いたのが映画『パターソン』(ジム・ジャームッシュ監督 アダム・ドライバー、ゴルシフテ・ファラハニ、2016年 アメリカ)です。

季節はたぶん秋。スクリーンの中の木々の葉が、黄色く色づいていましたから。パターソンは毎朝、愛しい妻の横で、だいたい6時15分~30分くらいに目を覚まします。これ、すごいわー。目覚まし使っていないのに、毎日ほぼ一定の時間に起きられるってすごすぎるわー。あんまり本編と関係ないけれど、僕は感心した。

そして、軽く朝食をとってから出勤です。パターソンは市営バスの運転手さん。毎朝決まった時間に出勤し、バスに乗り、町の中を運転します。ルーティンワークだけれども、そこには何かしらいつもちょっとした変化がある。乗客の会話に微笑むパターソンの表情から、何かその、たんたんと仕事を続けることのすごさと、でもその中に必ず含まれる楽しさがにじみ出ているような感じがしました。

詩から湧き出る言葉の魔法

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そしてこの映画の大きなテーマは「詩」。パターソンは日常をつづった詩を書いています。バスの運転を始める前の少しの時間、運転席で。昼休み、ローラの作ったサンドイッチを食べながら、滝の前のベンチで。そして帰宅後、ガレージにある書斎で。1冊のノートに詩を書いていきます。

その詩の、日常のふとした気づきから紡ぎ出される言葉が実に素敵で。詩は特別なものではなくて、人の暮らしや、見たもの、聞いた音、そして想像したことから生まれるんだなっていうことを感じたよ。僕、詩を書いた経験はないけれど、なんだか詩がある暮らしっていいなって思った。

さて、マーヴィン。彼はブルドッグなんだけど、これがまたいい味出していてね。表情豊かで演技も素晴らしい。いびきをかいて寝ている姿なんて、本当にいいんだよ~。かなり人間みたいです。存在感は人間以上かもしれません(笑)。夜、パターソンに連れて行ってもらう散歩では、とっても楽しそうに歩くし。でもね、物語の中で一つ、とんでもないことをやらかしちゃうんだ…。それは本編でご確認を。

この、マーヴィン役を演じたブルドッグのネリーは、映画の公式HPによると元救助犬のメスのブルドッグだそう。昨年のカンヌ国際映画祭で、最も素晴らしい演技をした犬として、パルム・ドッグ賞を受賞しているんだって! 納得。だって素晴らしい存在感なんだもの。でも残念なことに、ネリーは受賞前に亡くなったそう。哀しいです。あの演技がもう見られないなんて…。

そして、日本人

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さて、この作品、最後に日本人の詩人が登場します。演じるのは永瀬正敏さん。この詩人は、ある出来事で抜け殻のようになってしまったパターソンと、滝を見ながら語り合います。なかなか大事なシーンです。永瀬さんはジャームッシュ監督の作品に出るのは27年ぶりだそうですよ。

アメリカ映画って、ド派手な印象が強かったんだけれど、こんなにしっとりと、ある意味淡々とした作品もあるのかって新鮮でした。この映画には、大爆発も、大災害も、戦争も、なにもないんです。ある男の一週間なんて、退屈するんじゃないかなって思ったけれど、そんな心配は無用でした。上映館が最初は少なかったけれど、関東は特に、だんだん増えてきていて、10月から公開の映画館もあります。ぜひぜひ公式サイトでチェックして、映画館でご覧になってくださいね!

映画『パターソン』公式サイト:ジム・ジャームッシュ監督 アダム・ドライバー、ゴルシフテ・ファラハニ、2016年 アメリカ

Screen capture from 『パターソン』本予告 longridecinema / YouTube

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