【犬本紹介】めくってめくって、絵の中の犬に出会う『名画のなかの犬』

本・映画・テレビ
この記事をシェアする

皆さんこんにちは!東京の読書犬・パグのぐりです。芸術の秋。美術館へ行ったり、コンサートへ足を運んだり。どんな芸術を、楽しんでいますか?

我が家のNさんは無類の音楽好き。趣味でチェロを弾いているけれど、昨年友だちと結成したピアノトリオの演奏会がこの秋に5つくらいあるとかで、ひーひー言いながら練習しているよ。僕はそれを聴きながらうとうと昼寝。「ぐりのイビキがブーブーいってて気になるんだけど…」とか言われたけど、そんなの知らないもんね~

古今東西、たくさんの犬が絵の中に

9784767822051 in01

さて、音楽もいいですが、今日ご紹介するのは絵の本です。『名画のなかの犬 THE BOOK OF THE DOG』(アンガス・ハイランド+ケンドラ・ウィルソン エクスナレッジ 2016)は、古今東西の絵画の中に登場した犬を多数紹介しています。

本の中に登場する絵の描かれた時代は、古くは1700年代のものから、新しいもので2000年代まで。かなり長期間を網羅しているのも興味深いところです。だって、絵の紹介本って、だいたい時代や作家でかなり狭い範囲を紹介するものが多いでしょう?だけどこの本は「犬」をキーワードに、絵の長い歴史も振り返られるような仕組みにもなっているんだ。

9784767822051 in02

紹介されている絵の中の犬は、犬種もいろいろ。国も様々。そして、タッチも多様です。ザ・油絵、というものもあれば、イラスト風のものまで。いくつかの絵については解説がついていますが、基本的には絵と作家名とタイトルだけのページが多くなっています。むしろ、説明が少ない分、絵を見ながら自分なりに様々な想像ができるよ。この犬、どうしてこんな目をしているんだろう? 飼い主を見ているのかな? とかね。

僕が魅せられた絵画の中の犬

9784767822051 in07

僕が最初に「これいいな!」と思ったのは、アーロン・アレン・ウェスターバーグの《ルーシー》(2012年)。右を向いて目をつぶって、座っている鼻ペチャ犬。犬種はわからないけれど、油絵で、タッチがとても温かいの。同じく油絵ではゴラン・ジュロビッチ《ドギー》(2009年)も、つい見入ってしまった。片耳がたれている、白黒の鼻ペチャ犬。そしてパグは、かなり精密に描かれているものが1点。スエ―レン・ロス《さりげないヒント》(2004年)。

パグ犬のモットーは multum in parvo(小さくても中身は充実) そして「パグ」の語源は pugnus(拳)(本文より)

という説明もついていたよ。確かに僕らの顔は拳に形が似ているね。美しい模様の絨毯の上で、青いリードを外されて、飼い主さんをじっと見つめているパグさん。何を考えているのかな?

海外の絵が多い中、日本人の作品もありました。 鈴木衣津子《ドッグ・ポートレート》(2011年)。5頭の様々な種類の犬が、こちらを向いて並んでいる絵。写実的というよりは、どちらかというと少しラフなタッチで描かれていて、親しみがわきます。

それにしてもこの本の作者、よくこれだけの絵画を見て、犬をピックアップしたなあと思うよ。どういう風に選んだんだろう。でも、絵も好きで、そしてそれ以上に犬も大好き、っていうことがよーく伝わってきます。

パラパラめくるだけでも楽しめる

9784767822051 in03

さて、この本を出版した(株)エクスナレッジは、先だってご紹介した『世界一美しい犬の図鑑』も出版した会社。この前は見事な写真だったけれど、今度は絵です。いろいろ面白い試みをされているなーと思います。どちらも海外の作品で、内容の充実度は素晴らしいのにリーズナブルなところも似ています。

僕の飼い主のNさん。小さいころから絵を見るのも描くのも好きでした。なんでも、小学生の頃に、レオナルド・ダ・ヴィンチの絵の展覧会にお母さんが連れて行ってくれたんだって。それでね、幼いながらに、ダ・ヴィンチのデッサンの美しさに魅せられて、ある1枚の絵の前にずーっと立って、お母さんに「これ買って」って言ったんだってー(!)。お母さんは「これはとても大事な絵だから、私たちには買えないんだけれど」と言って、かわりに子ども向けのダ・ヴィンチのデッサン集を買ってくれたそうです。Nさんはよくその本をめくって見ていたらしいよ。

9784767822051 in05

画集って、めくっているだけで、何か別世界に行けるような満足感があります。この『名画の中の犬』も、いろんな国や作家の世界にすーっと入っていけるような、素敵な気持ちにさせてくれる本。ぱらぱらとめくって楽しめるところが気に入っています。ぜひ皆さんも、芸術の秋のお共に、一冊いかがですか?


名画のなかの犬 THE BOOK OF THE DOG
アンガス・ハイランド ケンドラ・ウィルソン
エクスナレッジ (2016-08-31)
売り上げランキング: 112,038

読書犬”ぐり”はこれを読む!『世界で一番美しい犬の図鑑』〜確かに美しい、犬の図鑑 | the WOOF

こんにちは! お元気ですか? 東京在住の読書犬、パグのぐりです。梅雨はじめじめしますねえ…。毎年梅雨を経験しているはずなのに、昨年までのことをすっかり忘れて、「梅雨ってこんなにじめじめだった?!」と毎年驚く僕。雨もよく降るから、お散歩お休みの時もあるし、ワンコにとっては早く過ぎ去ってほしい季節だよね。

the WOOF イヌメディア > すべての記事 > イヌを知る > 本・映画・テレビ > 【犬本紹介】めくってめくって、絵の中の犬に出会う『名画のなかの犬』

暮らしに役立つイヌ情報が満載の「theWOOFニュースレター」を今すぐ無料購読しよう!

もっと見る
ページトップへ