卵〜犬のカラダを作る完全栄養食。ただし与え方には注意が必要

食・フード
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卵は、体を作るのに必要な栄養素のほとんどが含まれる食べ物。調理済みの卵は、犬にとっての優れたオヤツであり、健康補助食品でもあります。

黄身も白身も殻もウズラも、茹でてもスクランブルでもOKの活用範囲の広い卵。ただし、白身の与え方や生食には注意事項がいくつかあります。

卵に含まれる栄養素

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image by Caroline Attwood / unsplash

卵は、タンパク質が豊富。筋肉や強い被毛を作り、組織の修復に役立ちます。この他、ビタミンも豊富で、A、B2、B6、B12、D、E、葉酸を含んでいます。ビタミンDはカルシウムと働き、健康な骨や歯をつくります。

また、カルシウム、マグネシウム、リン、亜鉛、鉄などのミネラルも豊富で、栄養価の高い軽食になるだけでなく、胃の不調の解消にも役出すワンコフレンドリーな食べ物です。

疲れやすい、胃腸が弱い、骨を強くしたい、免疫力を高めたい犬にオススメです。安全な卵を選んで、注意事項を守って与えましょう。

与える量はどのくらい?どの部分をどのように与えればいいの?

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image by Kevin Schraer / Flickr

・与える量はどのくらい?

卵は”完全栄養食”と呼べるほど栄養豊富な食べ物ですが、毎日は与えすぎ。1週間に2回ほどを基準に考えましょう。与える量の一つの目安は、5kgの犬で半分ほど。大型犬でも1個を限度とするのが安全です。

卵は、ほとんどの犬にとっては安全な食べ物ですが、与えすぎは肥満や他の健康問題の原因になります。ほんの少量から始め、少しずつ増やして、犬の様子や便の変化を確認しましょう。

・どの部分なら食べられる?

  • 卵黄:OK。卵黄は卵の中で最も栄養価の高い部分です。新鮮で安全なものに限り、生の卵黄をトッピングなどに使うこともできます(※調理済みの方が安全です)
  • 卵白:食べることができます。が、犬に与える量は少量は制限した方が良いでしょう。1998年に実施された調査により、生の卵白を与え続けると、ビオチン不足の原因になる可能性が指摘されています
  • 卵殻:食べることができます。殻は犬の動物屠体からの骨とほぼ同じ栄養分が含まれると言われており、良いカルシウム源になることが期待されています
  • うずら卵:OK。鉄分が豊富な元気応援食材です

・どのように与えればいいの?

  • ゆで卵:もっとも簡単で安全なのは、調理済みの卵を与えることです。半熟は消化に良いのでオススメです。固ゆでの場合は消化をよくするために刻んで与えましょう。温かいうちでも、冷めてもOKです
  • スクランブル:バターや油は安全なものを使い、塩コショウや他の安全ではない食材(玉ねぎなど)を一緒に炒めないよう注意しましょう
  • 揚げ卵:おすすめしませんが、OKです。ゆでたり炒めたりするよりカロリーが高くなってしまうので、肥満ワンコは避けた方が良いです
  • 卵の殻の与え方:きれいに洗ってすりつぶして、パウダー状にして与えましょう。小さじ半分程度をふりかけると、いつものカリカリがカルシウム豊富に変身します。サルモネラや、商業用の薬品などが気になるのなら、殻を沸騰させた後に、しっかりと乾燥させることをオススメします。オーブンを使って焦げないように気をつけて焼くと、しっかり乾燥させることができます。それをフードプロセッサー、ミル、すり鉢などでパウダー状になるまで砕きます。保存の目安は1週間ほどです。

注意しなければならないのはどんなこと

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image by Santa Dog / Flickr

卵を与えるときに、犬の飼い主が知っておくべきことは以下のとおりです。

・与えすぎは肥満につながる

卵は脂肪が豊富であるため、与えすぎは肥満につながります。また、オナラが増えるという報告もあるようです。また高い頻度で摂取することにより、卵白中のアビジンが健康リスクをもたらすことがあります。

なお、一時期、卵を食べることによるコレステロールの摂りすぎが懸念されたことがありましたが、犬についてはコレステロール関連に夜健康上のリスクは心配しなくても良いようです。

・卵アレルギーをもつ犬もいる

食物アレルギーは、食物中のタンパク質に対する応答として、生涯のどの時期でも発症の可能性があるものです。タンパク質が豊富な卵も、アレルギー反応を引き起こすことがあります。

・生の卵を与えるリスク

生の卵と調理済み卵を比較した場合、生の卵の方がメリットが大きいということはありません。むしろデメリットを引き起こすものです。生の卵は、とりわけ病気の犬や免疫系が弱くなった犬に与えてはいけません。合併症などを引き起こす恐れがあります。

健康上の問題を引き起こす原因の一つに、生の卵白中にアビジンが存在することがあります。アビジン (Avidin) は、鳥類などの卵管で産生されるビオチン結合性タンパク質で、過剰に摂取すると体内のビオチンの機能を妨げます。ビオチンはビタミンHまたはB7として一般に知られているもので、細胞の増殖、脂肪の代謝などに必須です[1]

犬は人間と同じように、サルモネラ菌による病気に罹患するリスクがあります。汚染された卵とは、感染した親鶏から生まれた卵のことですが、この場合でも、新鮮で割った直後であれば生で食べても食中毒を起こす可能性は低いといわれています。生食なら割ってすぐに食べること、半熟なら2時間以内、加熱調理を行った場合でもなるべく早く食べることが推奨されています[2]

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] The Incredible, Edible Egg: Nutritional or Deadly for Pets? | petMD
[2] 第7回 食材別衛生管理 卵の衛生管理|「食品衛生の窓」東京都福祉保健局

Featured image credit John McCullough / Flickr

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