イングランド東部の州、ケンブリッジシャーに住むレディは、3歳のバセット・ハウンド。飼い主のジョブソンさん一家と共に、農場で暮らしています。
一家の農場では羊を管理していますが、レディは牧羊犬としての仕事は任されていません。驚異の嗅覚で知られるバセット・ハウンドは猟犬で、ウサギなどの小動物をゆったり追いたてることのが主なお仕事。機敏に動いて獲物を捕らえるというよりは、獲物を捕まえられない程のゆっくり走ることが求められてきた犬なのです。
一方の牧羊犬のお仕事では、群れを離れる羊を追いかけて戻すなど、随所に機敏さが求められます。そうした仕事は、のんびり屋のバセット・ハウンドには不向きだから、レディにも無理だと思われていたのです。
しかしジョブソンさんはある日、レディが羊たちを”誘導”をしていることに気がついたのです。レディは普通の牧羊犬とは異なる方法で、羊軍団を惹きつけ、誘導していたのです。
レディは素敵なお尻で、羊たちを魅了していました。
羊たちはレディを追いかけ、きっちり整列して農場を移動。機敏な誘導はなかったけれど、牧場の平和と秩序は完全に守られていました。
「ある日、羊たちのいるフィールドにレディを連れて行ったんです。すると、羊たちがレディを追いかけはじめたんです。笑っちゃいました。レディは全く気づいていなかったけど、素晴らしい仕事っぷりでしたよ」
バセット・ハウンドは、一般的には温厚でのんきと言われる犬。ですが、レディは過去に辛い経験をしてきた元保護犬で、いまだにひどく臆病で、時に攻撃的になるのだそう。このためジョンソンさんは、レディを公園などの公共の場所に連れて行くことを控えているのだといいます。
ジョンソンさんは、羊たちがレディにちょっかいを出さずに、ゆったりと匂いかぎをさせていることを嬉しく思っています。そして、周囲の他の動物がいても気にしないレディの成長も、嬉しく誇らしいと感じています。
「我が家には、牧羊犬としての仕事をするボーダー・コリーもいるからね。レディをフルタイムの牧羊犬として雇う気はないよ。でも、彼女なら私たちの助けになってくれそうだよ」とジョンソンさん。自信を取り戻しつつある元保護犬は、これからもちょっとユニークな方法で、羊たちを誘惑して誘導し、農場の力になってくれるかもしれません。
Featured image credit Basset Hound Is Unlikely Sheep Dog / YouTube
家がモコモコ〜牧羊犬候補生、スキルを活かして羊の群れを部屋に誘導 | the WOOF イヌメディア
シープドッグ。日本語だと牧羊犬(または牧畜犬)の彼らは、放牧している家畜の面倒をみるのがお仕事の犬。役割によってガーディングドッグ(見張りや外敵から守る役割)とハーディングドッグ(羊の誘導など)の2種類に分かれています。 エドワード家で働くボーダー・コリーのロッキー(7ヶ月齢)は、訓練中のハーディングドッグ。ある日彼は、訓練中のスキルを使って、9頭の羊を家の中に誘導しました。 …