きのこ類は、犬に与えてもOKかNGかの判断が複雑な食材です。野生きのこを与えるのは絶対にNGですが、食用として販売されているものであれば食べさせても大丈夫です。ただしその場合でも、与え方には注意が必要です。
犬が食べても大丈夫なきのこ類
個体によってはアレルギーなどの反応が出る犬もいます。また、持病のある犬は、必ず獣医師に確認してから与えるようにしましょう。
・加熱すればOKなきのこ類
- しいたけ
- 干ししいたけ
- えのき
- まいたけ
- エリンギ
- なめこ
- しめじ
・生食・加熱共にOKなきのこ類
- ホワイトマッシュルーム
- きくらげ
きのこ類に含まれる栄養
きのこ類に共通するのは、食物繊維が豊富なこと。繊維質は、脂肪を包み込み体外へ排出してくれるほか、腸のはたらきを活発にする効果があります。また低カロリーな食材ですので、ダイエット中の犬に強い味方になってくれます。
しいたけには、レンチナンやβグルカンといった免疫力を高めることが期待される多糖類を含んでいます。また骨の形成を助けるビタミンDも豊富に含まれています。
えのきは、キャベツの2倍の食物繊維を含む食材。ビタミンやミネラルも豊富です。
まいたけについて特筆すべきは、βグルカンが豊富に含まれること。制がん効果に優れることで知られるβグルカンですが、まいたけに含まれるそれは他とは全く構造が異なり、免疫機能の調整・強化や、腫瘍の増殖を防止する働きに優れています。
エリンギに含まれる食物繊維の量は、えのきより上。またカリウムも豊富で、どの栄養素もバランスよく含むおすすめきのこです。
しめじも、食物繊維が豊富なきのこ。ビタミンDも豊富で骨を上部にしてくれます。
マッシュルームには塩分を排出してくれるカリウムが豊富。カロリーも低く、ダイエットワンコの強い味方です。
きのこ類を与える場合の量と注意点
栄養の点では犬にも嬉しい点が多いきのこ類。しかし、犬にとっては消化しづらい食材ですので、大量に与えたり連続して与えるのはやめましょう。
量の目安は、5kgの犬で30gほど。最初に与える時はほんの小さな一切れから初めて、ウンチの状態を確認しながら少しずつ増やしていきましょう。
与えるときは、必ず細かく切るか、フードプロセッサーなどでペースト状にしましょう。また、ほとんどのきのこは加熱して与えた方が安全です。茹で汁や戻し汁にも栄養が含まれていますので、捨てずにトッピングなどに使いましょう。
人間用の食事と別に準備をしましょう。スパイスや、犬にNGな食材と混ざり合うのを避けるためです。同じ理由で、人間のお皿にある付け合せなどの残り物を与えるのはNGです。ソースに塩分や玉ねぎなどが含まれることがあるからです。
持病のある犬には、必ず獣医師に確認してから与えるように注意しましょう。腎臓病で食事療法を行なっている場合は、カリウム豊富なきのこ類をわざわざ与える必要はありません。
野生のきのこは絶対NG。中毒症状が出ることも
ハイキングがご趣味のワンコさんに特に気をつけて欲しいのが、野生のキノコに肉球を伸ばさないということ。きのこ類に近づこうとする犬は引き戻すようにした方が良いでしょう。また、もし犬が野生のきのこを口に入れたら、あなたが一目で有毒か否かを見分けられる菌学者でない場合は、すぐに獣医師の診察を受けなければなりません。その際に、獣医師に渡せるよう、きのこのサンプルを取っておくと良いでしょう。
きのこ中毒の症状は、嘔吐、下痢、唾液過剰、体力が落ちる、ふらつき、運動失調、昏睡、発作、肝不全、黄疸、腹痛などがあり、最悪の場合は死に至ることがあります。