路上生活者と行動を共にする”ストリート・ドッグ”が、制約を逃れて新しい家族を見つけるまでの姿を描いたミュージック・クリップ、”Vood（oo）”。現実とワンコの想いが錯綜する、なかなか印象的な動画に仕上がっています。

フランスおよびドイツを拠点として活躍するアーティスト、Roneの新作PV。映像はディレクターのIlan Cohen氏が担当しています。彩度のバランスなどを変えることで、現実と想像のシーンが切り替えてるなど、色や光の使い方がとても素敵。でもしかし、なんといっても素晴らしいのは、ワンコさんの演技です。

ストリート・ドッグとして暮らすワンコさん。路上生活者のご主人との暮らしは、あまり幸せではなさそうです。街で見かけた幸せそうな飼い犬を見て、自分の”未来”を夢想します。「自分のいるべき場所はここはない」と自由と幸せを求めてご主人との絆を絶ち、白昼夢に登場した自分の居場所を求めてさまよいます。

自力（!）電車に乗り、ドッグパークらしき場所をハシゴして、”未来”の鍵を握るっぽい幸せワンコを追い求めるのですが、この設定って、日本だと考えられないなぁ。ベルリンは、ワンコに優しい街なのでしょうね（自力で電車に乗るのは難しそうだけど）。

ところで、首にぶら下げているネームタグによれば、主人公のストリート・ドッグの名前はVood(oo)。ブードゥー教を意味しています。呪いなどの黒いイメージが強いブードゥー教ですが、もともとは奴隷となった黒人たちが願いを叶えるために行っていた民間信仰なのだそう。弾圧により、邪教扱いをされてきたようです。自由を求める人たちの強い願いと、幸せを求めたワンコの気持ちを、重ね合わせてみると、さらに味わいが深くなってきますね。

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★Ilan J. Cohen （映像制作） | Vimeo

screen captcha / Rone – Vood(oo) / YouTube

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毎日のように目にする、動物たちの虐待や保護のニュース。動物たちの寂しさや悲しさを思うと、本当に胸が苦しくなってきます。 それだけに、劣悪な環境から救いだされるコをみると、とってもホッとします。でも、酷い状況から救い出すだけでは話は終わりません。多くのコは保護施設でケアを受け、リハビリをしたのちに、新しい家族を探すことになるのです。