毎年この時期になると、「猛威を振るうインフルエンザ」のニュースが世を賑わせます。ヒト、トリ、そして我らがワンコたちも、インフルエンザにはかかります。

「え！犬もインフルエンザにかかっちゃうの！」とびっくりした飼い主さん。安心してください。日本では現在までに、犬がインフルエンザに感染し発症したという報告はありません（2017年2月現在）。

犬のインフルエンザについて知っておきたい3つ+1つのこと | the WOOF

米国では大流行〜40州で報告あり

しかし米国では、かなり事情は異なります。現在同定されているインフルエンザ株は、H3N8型とH3N2型の2種類あり、どちらも複数の州で流行しています。H3N8型は2004年に発生し11州での報告があり、H3N2型は2015年に1000例以上が報告されるほど流行しました。

2017年も、多くの犬たちがインフルエンザの症状に悩まされています。CBSによれば、シカゴ地域で発症が確認された犬はすでに100匹を数えているそう。保護施設など、犬が多く集まる場所では施設を閉鎖するなどの影響が出ています。同地域の獣医師からは、ワクチン接種をするように求める声も上がっています。

犬用ワクチンの改良は進んでいる

犬用のインフルエンザワクチンは、2009年6月、H3N8型を予防するために開発されました。H3N2型のワクチンは2015年、メルク・アニマル・ヘルス社より発表されています。以降、米国では地域によって、犬が多く集まる施設で過ごす機会のある犬に予防接種を受けることが推奨されています。7週齢以上の健康な犬はワクチンの接種が可能で、2~4週の間に2回の接種が必要です。免疫は長期間続くものではないため、年に1回の接種が必要になるそうです[1]。

人間用ワクチンと同様に、犬用ワクチンの改良も進められています。予防を進めることは、愛する犬たちを守るだけでなく人間の健康を守るためにも有効だと考えられているからです。複数のウイルス型に感染した犬は「混合容器」になり、進化したウイルスを生成する恐れがあるのです。こうしたことはまだ起こってはいませんが、「理論的には起こりうる」と専門家はコメントしています[2]。

2017年1月には、ロチェスター大学メディカルセンターが、新しい犬用インフルエンザワクチンを開発したと発表。2015年に導入されたものよりさらに安全で効果があるとしています。

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Canine Influenza Vaccination: Does Your Dog Need It? | petMD
[2] Scientists develop new flu vaccines for man’s best friend | EurekAlert! Science News

Featured image credit Corey Balazowich / Flickr

犬もノロウィルスに感染するのか?〜ヒトから犬にうつることはあるの？ | the WOOF

寒い時期になると気になるのはノロウイルス感染症。年間を通して発生はみられますが、11月くらいから発生件数が増加し始め、12月から翌年1月が発生のピークとなる傾向があるそうです[1] 。 自らの感染はもちろん気になるところですが、愛犬の感染も気になるところです。ノロウイルスはワンコ達にも襲いかかるのでしょうか？