犬はオヤツを獲得するために人を欺く(研究)

サイエンス・リサーチ
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「やっぱそうなの!?」という声が聞こえてきそう。犬は私たちが思うほど正直でも従順でもなく、人を欺く一面を持つとする内容の研究が発表されました。


研究を行ったのはチューリッヒ大学(University of Zurich)のHeberlein氏ら。いたずら好きな自分の犬を見て、この研究を思い立ったそうです。犬は自分の望みを叶えるために同居犬を騙すそぶりを見せることに気づいたHeberlein氏は、犬が人間のことも騙そうとするのか研究してみたいと考えるに至ったということです。

研究者らはフードを前にした犬が、人を騙すかどうかを観察する方法を考え出しました。犬と人にパートナーを組ませて、犬がどう行動するかを観察しようとしたのです。1匹の犬とパートナーを組む人は、常にオヤツをくれる自分の飼い主①、オヤツをくれる見知らぬ人(協力者②)、オヤツを取る人(競争相手③)の3人で、彼らの前に(a)美味しそうなソーセージ、(b)イマイチなビスケット、(c)何もなしの箱が用意されるという実験設定でした。一緒にいる相手が変わると犬の行動も変わるのかが、大きな注目ポイントになっています。

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オヤツくれるの、くれないの? image by Philip Bump / Flickr

まず犬に、飼い主①を(a)美味しそうなソーセージの箱の前に連れて行くと、ソーセージがもらえることを学習させます。その後、飼い主の前に協力者②と競争相手③と行動させる時間を持ちます。この時犬は、競争相手③を(a)(b)箱の前に連れて行くと取られてしまうということをしっかり学習しています。

結果、犬は競争相手③を空の箱の前に導く回数が多くなり、協力者②を食品入りの箱の前に導くことが多くなることがわかりました。驚くべきは、「彼らは本当に素早く2人の相手を区別することができた。追加の学習ステップは必要なかった」ということです。サルが同様のことを学ぶためには、何十回もの試行が必要だったそうで、犬は協力者と競争相手を判断する能力に長けていると言えるのかもしれません。

犬は人をよく見ているし、しっかりと損得で動いている。しかも美味しいものを得るためには、相手を騙すことがある…というのは、愛犬家にとっては「まぁ、そうだろうな」という結果かもしれません。これも犬たちの洗練された社会性の表れだと考えると、誇らしさすら感じてしまいます(愛犬家だからね^^)。

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Heberlein, M. T., Manser, M. B., & Turner, D. C. (2017). Deceptive-like behaviour in dogs (Canis familiaris). Animal Cognition, 1-10.

Featured image credit Vincent Garcia / Flickr

犬は人間のおかしなアドバイスには従わない(米研究) | the WOOF

愛犬があなたのアドバイスを無視するのは、その内容がダメダメだからなのかも…。 それを示唆する研究が、エール大学の研究センター( the Canine Cognition Center at Yale )より発表されました。

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