犬を飼うことは高齢者の健康に良い〜天候が悪い日でも高い活動レベルを維持(研究)
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犬を飼っている高齢者は、飼っていない高齢者と比較して身体活動レベルが高いことが研究により示されました。とりわけ天候が悪い時に、その差が顕著に出たそうです。
イーストアングリア大学(University of East Anglia, UEA)とケンブリッジ大学の研究者は、犬を飼うことや散歩をさせることが、老齢期における活動の減少に歯止めをかける鍵であることを発見しました。
研究[1]は、ノーフォーク(イングランドにあるカウンティ)住民の健康と福祉を追跡するコホート研究のデータ分析により行われました。対象となった住民は3,123人(平均年齢69.5歳)であり、18%が飼い犬がいると回答しました。研究の対象となった者は7日間、歩数計の利用が義務付けられ、身体活動のレベルが絶えず測定されました。
先行研究などにより、高齢者の活動を阻む要因が悪天候と日の短さであることがわかっていたため、今回の研究で対象者のデータは、天候や日の出・日没時間と関連づけて分析されました。
結果、犬の所有者は所有していない人と比べ、着座の時間が短いことがわかりました。また、日が短い、寒い、あるいは降水量が多いなどの悪天候の日でも、犬の所有者は活動に対して積極的であることがわかりました。
飼い主の3分の2は、一日に少なくとも1回は犬を散歩させると報告しており、悪天候の日でも犬の所有者の活動レベルは20%高く、毎日30分以上多く活動をしていました。
研究者らはこの結果について、逆の因果関係がある可能性(もともと行動的な人が犬を飼った結果、悪天候の日も活動的だという結果になった可能性)が排除されていないことを認めつつ、犬との散歩は高齢者の身体活動レベルの維持を支える可能性があると結論づけています。
研究リーダーのアンディー・ジョーンズ氏は、高齢者の活動の動機づけに犬の所有の有無が影響する可能性を指摘しています。「身体活動を促すとき、一般的に自分の利益に焦点を当てて活動を促しますが、、犬の散歩は(自己の利益というよりは)犬のニーズに左右されるものです。自分以外のニーズによって動かされることは、実は強力な動機づけになり得るのかもしれません。将来、身体活動の介入計画を設計する際には、それ(=自分以外のニーズを満たすこと)を活用する方法を見つける必要があります」
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Wu, Y. T., Luben, R., & Jones, A. (2017). Dog ownership supports the maintenance of physical activity during poor weather in older English adults: cross-sectional results from the EPIC Norfolk cohort. Journal of Epidemiology and Community Health.
[2] Dog walking could be key to ensuring activity in later life | EurekAlert! Science News
Featured image credit Teresa Alexander-Arab / Flickr
犬は65歳以上の健康を守る〜飼い主は1日平均22分多く歩く(英研究) | the WOOF イヌメディア
犬を飼うことは、高齢者の健康維持に大きく貢献するようです。最近発表された研究により、犬の所有者は非所有者に比べ一日平均22分多く歩き、座り時間が大幅に短いことがわかりました。