愛犬家のたっての願いといえば、犬の心がわかること。幸せなのか不幸なのか、その本音を聞き出したいというものではないでしょうか。
その願いは、案外早く叶うかもしれません。NBC Newsは、人工知能と機械学習を使った”翻訳機”が10年以内に登場する可能性を伝えています。
NBC Newsは記事の中で、プレーリー・ドッグの研究を行うSlobodchikoff博士を紹介しています。Slobodchikoff博士は動物のコミュニケーション研究の第一人者であり、30年以上もプレーリー・ドッグを研究してきました。最近の取り組みはプレーリー・ドッグの発声を英語に変換するアルゴリズムを開発であり、これをペットに応用し翻訳ツールを開発するため”Zoolingua”という会社をも立ち上げています。
プレーリー・ドッグは発声により仲間をコミュニケーションを取る特性があります。捕食者の存在を知らせるために高いピッチで声を出すのですが、捕食者の種類やサイズにより声が異なることがわかっています。発声の種類は極めて多く、組み合わせにより様々な表現ができるのだそうです。Slobodchikoff博士は”プレーリー語”と英語との組み合わせを定式化し、翻訳ツールを作ったのだそう。
これと同じことをペットの犬猫でも行おうというのです。Slobodchikoff博士はこう語っています。「プレーリー・ドッグでできるなら、犬や猫でも確実にできる」
すでに数千の動画と科学的研究成果とを組み合わせ、発声やボディランゲージの意味付けを行なっているのだといいます。世界中にある投稿動画も、もしかしたらアルゴリズム生成の材料になっているかもしれません。
動物との密なコミュニケーションは、飼い主とペットの感情的つながりを促進するだけのものではありません。動物の飼育者にとってはケアの精度を高めることにも、命を救うことにもつながります。
例えば、問題行動を起こす犬の”キモチ”を理解することができたらどうでしょう。”噛む”という問題行動が痛みからきていることがわかれば、事故を予見し防ぐことができるかもしれません。あるいは犬の恐怖の原因が特定できれば、有効な対策を立てることも可能です。
牧場などでは、動物の痛みを正確に把握することで、病気の蔓延を防ぐことができるかもしれません。顔の表情や微妙な動きの変化により痛みや苦しみを把握できれば、より良い環境で動物を飼育することもできそうです。
人工知能や機械学習の進歩と、動物の心に迫る科学の成果は、私たちを一歩ずつ、ドリトル先生へと近づけてくれそうです。”犬語翻訳機”はそれほど遠くない未来に手に入りそうですが、それまではボディランゲージの解釈に頭を絞り、愛犬とのコミュニケーションを図りましょう。
h/t to Dogs can’t speak human. Here’s the tech that could change that.
Featured image credit twinlynx / Shutterstock
【犬語翻訳家】あなたの怒った顔を見ると犬は口を舐める | the WOOF イヌメディア
愛犬が自分の口をしょっちゅう舐めているのは、あなたが原因かもしれません。 英国とブラジルの動物行動学者らは、犬は怒っている人間の顔に反応して自らの口を舐める傾向があると発表しました。 研究を行ったのは、サンパウロ大学(ブラジル)とリンカーン大学(イギリス)の研究者ら。17匹の家庭犬の協力を得て、犬が人間の表情にどう反応するかがテストされました。