犬はみんなイイコだけれど、年を重ねるもっともっと、イイコ度は増していくようです。
ニュージーランドに住む12歳の牧羊犬は、枝の下敷きになったイヌ友の救出に力を発揮しました。最近は体力の衰えから家にこもりがちでしたが、そのときの犬は力を惜しまず、友のために奔走しました。
ルーイ(Louie)はニュージーランドに暮らす牧羊犬。若い頃は家の敷地も飛び出して、冒険するのが大好きでした。
しかし年齢を重ねるごとに、身体は重さを増してきて、動くのはスローになり、活動範囲は狭くなっていきました。12歳になった今のルーイは、家でのゆったりした生活を好む好々爺(犬)になっていました。
だからその日、ルーイの帰りが遅かったことは、家族をおおいに心配させました。ルーイの両親(人間)は、「もしかしたらルーイは、自分の家がどこか、わからなくなってしまったのかもしれない」と心配しました。
幸いなことにルーイは、その日の遅い時間、無事に家に帰ってきました。
疲れ果てて。そして首にメッセージが書かれたタグをつけて。
家族はタグが付いていることにびっくり仰天しました。もしかしたらルーイは、外で何か問題を起こしたのかも…。そんなことも心配したのだといいます。
家族の心配は杞憂に終わりました。タグにはこんなメッセージが書かれていたからです。
ルーイは、枝の下で動けなくなったマディのところに私を連れて言った。ありがとう – ロブ
ロブは、近所の農家さん。家族の家から1.6kmほど離れた場所に住んでおり、マディとは彼の犬のことです。どうやらルーイは長い外出の時間に、犬助けをしていたようなのです。
家族がのちにロブさんに聞いた「事の顛末」は、以下のようなものでした。
「ロブは、マディの姿がみえないことに気づいていたけれど、町で済ませなければならない用事があって、外出してしまったの。帰宅したらそこにルーイがいて、ロブに付いてきて欲しそうにしていたらしいわ。ロブがルーイの後を追うと、そこには枝の下で身動きできないマディがいたというわけ」
「ルーイは自分が何をしているのかを100%わかって行動していたようだとロブは言ってたわ。そして、マディのところに連れて行くことに集中していたそうなの」
「マディを発見したあとは、ルーイは枝を引っ張ったり地面を掘ったりして、ロブが彼女を掘り出す手助けをしたの。マディが木の下から這い出した後は、2匹は一緒に近くの池に飛び込んで、水をゴクゴク飲んだそうよ」
ロブさんはルーイにたくさんのビスケットをプレゼントし、感謝の気持ちを表しました。心配しているであろうルーイの家族のために、首輪に小さなタグをくくりつけて帰宅させたということです。
こうして12歳のヒーローは、犬助けの仕事を終えて家に戻りました。ただ、家にはたどり着きましたが、犬助けの仕事は老体には少々過酷だった模様。老犬は疲労困憊して、倒れるように身体を横たえた、その日は歩くことすらできなかったそうです。
疲れきったルーイを救ったのは、救われたイヌ友のマディでした。マディはロブさんと共にルーイを表敬訪問し、老犬の気力を引き出すことに成功しました。
ああ素晴らしき哉、犬の友情。
今回、大活躍をみせたルーイは、10年前に引き取られた元保護犬。子犬の頃から家族の自慢の犬で、今回さらに自慢の種を増やした筋金入りのイイコです。
「ルーイは、私たちの誇りです」
家族はそう胸を張ります。犬は年齢を重ねるごとに、優しさを積み重ねていく存在なのかもしれません。
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