豆は美味しいだけでなく、多くの動物にとっての重要な栄養の源です。しかし、私たちが口にする豆の全てが犬にとっても安全なわけではありません。
この記事にはこんなことが書いてあるよ!
豆について知っておくべきこと
豆は炭水化物、食物繊維、タンパク質の豊富な源。豆の繊維は便秘の犬には効果がありますし、血糖値の上昇を抑える効果もあります(豆によって異なる)。また免疫システムの強化も期待できます。
菜食主義やビーガンの人は、豆を、肉や魚に代わるタンパク質の供給源として動物性のものを全く摂らない食生活を送ることがあります。しかし、犬と人間はそもそも身体のつくりが異なるため、代替しても人間ほどにうまくいくかはわかっていません。豆を、動物性タンパク質の完全な代替品として与えるのは好ましくありません。
生の豆には、消化酵素トリプシンの働きを阻害する物質(トリプシンインヒビター)が含まれているため、犬には消化が困難です。生の豆を食べると、胃の不調や下痢が起こることがあります。トリプシンインヒビターは加熱により壊れる[1]ため、調理済みのものであれば問題はありません。
缶詰の豆もNGです。缶詰の豆には通常、ナトリウム(塩分)や防腐剤が含まれています。
食物アレルギーは、タンパク質に抗体反応を起こす時に生じることが多いものです。タンパク質を豊富に含む豆類も例外ではなく、犬によっては食物不耐性やアレルギーの症状がみられることもあります。
豆の中には犬にとって安全でないものもあります。また、安全であっても繊維質が犬のお腹を緩くしてしまうこともあります。もちろん、豆を頻繁に与えたり、一度に大量な豆を与えたり、スパイスで味付けされた豆を与えたりすれば、犬は調子を崩してしまいます。
犬が食べても安全な豆
以下に、犬が食べても安全な豆を列挙します。塩茹ではせず、ただのお湯で柔らかく茹で、刻むか潰して与えましょう。
- 黒豆:ビタミンC、K、マンガンが豊富。脂肪燃焼、血糖値の調節、免疫システム強化が期待できます
- ヒヨコマメ:繊維とタンパク質が豊富
- さやいんげん:ビタミン・ミネラルが豊富。免疫系強化に役立つ
- 枝豆:ビタミン、ミネラル、タンパク質が豊富
なお、そら豆は「食べさせる必要のない豆」です。ビタミン、ミネラルは豊富に含まれますが、中毒を起こすレクチンも含まれています。完全に調理済みを少し与えるぶんには通常は問題ありませんが、無理に与える必要はありません。
犬が食べてはならない豆
- 生の豆:上述のトリプシンインヒビターの他、レクチンによる中毒症状(嘔吐や吐き気)を引き起こす恐れがある
- インゲン豆:レクチンの一種であるフィトヘマグルチニンを多く含み赤インゲン豆中毒(Phaseolus vulgaris)を引き起こす可能性がある[2]
- 豆の缶詰:ナトリウムが過剰で防腐剤が含まれるためNG
- 節分の豆:煎り大豆でも落花生でも、消化が悪いうえ喉に詰まらせる恐れもあるためNG
- コーヒー豆:みなさんご存知のとおり、カフェインはNG
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] 2012年 キッコーマン食文化講座 第3回 大豆の加工 ~硬い大豆をおいしく食す~ | キッコーマン
[2] 「健康食品」の安全性・有効性情報
[3] Are Beans a Good Plant-Based Protein Option for Dogs? – One Green PlanetOne Green Planet
Featured image credit Fotyma / Shutterstock
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