犬は暗闇を怖がるのか?どんな原因があるの?

生態・行動
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夜になって電気を消すとクンクゥ〜ンと悲しい声を出すワンコ。彼らも人間の子供のように、暗闇を怖がることはあるのでしょうか?

暗闇を怖がる犬は犬は存在するのか

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image by It’s Warming Up Again! / Flickr

暗闇を怖がるという行動は、獣医学の事例と事例としてはあまり一般的ではありません。夜行性ではない人間の場合、暗闇を警戒する本能から「暗所恐怖症」の症状が現れるとされていますが、犬は夜間視力に優れているため、人間ほどには暗闇への警戒心は薄いと考えられています。

しかし、暗い場所や光の弱い場所で不安や緊張の様子をみせる犬は実際に存在します。例えばあなたの犬は、部屋を暗くすると以下のような兆候を見せることはないでしょうか?

  • クンクン鳴く
  • 震える、縮こまる
  • 噛む、引っ掻く、逃げようとする
  • 吠える
  • 固まる

こうした症状や行動をみせる犬は、一般的には暗闇に紐づく出来事や行動に不安や恐怖を感じていると考えられています。

犬が暗闇を怖がる原因

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image by Brook / Flickr

・分離不安

暗いところが嫌だというより、暗い場所に残されてしまうことを見越した不安や恐怖による分離不安の可能性があります。

・暗闇に紐づく恐怖の記憶がある

暗い部屋の中に閉じ込められたとか、幼少期に段差から落ちたなどの経験をもつ犬は、暗闇がその記憶を喚起させることから不安になる可能性があります。

・視力に問題がある

犬は、網膜の裏に光を反射する細胞層(輝板、タペタム)を有しており、弱い光でも反射することで光を増幅させることができます。このため健康な犬は夜間視力に優れていますが、目の病気(白内障や緑内障など)などで視力に問題がある場合は、暗闇ではよく見えなくなっている可能性があります。

・本当に暗い

光源のない室内など、本当に真っ暗な場所では犬の視界が大幅に制限されることがあり、犬は警戒心と恐怖心を抱くこともあるでしょう。

暗闇を怖がる犬にはどう対処すべき?

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image by Toni Protto / Flickr

まずは獣医師に相談をして、視力の他、身体に健康上の問題がないかどうかを確認しましょう。

身体的な問題の懸念が払拭されたなら、不安障害への対処を相談しましょう。行動が分離不安に基づくのなら、薬物療法や行動療法で改善できることもあるでしょう。

症状がそれほど酷くない場合は、飼い主さん自身が、「暗闇は怖くない」ことを教えてみましょう。徐々に消灯するか光の量を調節して、オヤツなどを使いながら暗い場所でリラックスことを覚えてもらうのです。暗い場所で引っ張りっこやマッサージをするのも、暗闇の楽しみを増やす良いきっかけになります。

視力の弱くなった犬のためには、小さな常備灯を準備するという解決方法もあります。暗い場所でも恐怖を感じずに過ごすことができるでしょう。

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Ask a Vet: Is Our Dog Afraid of the Dark? | Washingtonian
[2] Should You Leave Your Dog In the Dark? | CANIDAE®

階段上の”見えない猫”を恐れる犬、工夫で恐怖に打ち勝つ | the WOOF イヌメディア

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