皆さんご機嫌いかがですか? 僕は毎日快適に天国で暮らしている、読書犬のパグ、ぐりです。
僕たちパグって、けっこう皮膚の弱い子が多いの。だから夏のジメジメは大敵で、飼い主さんたちもみんな、パグの肌のケアには注意を払ってくれます。ありがたいことです。
あ、顔のしわしわはね、あそこにご飯のカスがくっつきやすいから、ごはんが終わるごとに拭いてもらうの。でも鼻の近くだからくしゃみ出そうになったりして、鼻水攻撃を受けてしまう人もいるんだよね(笑)。
ブログがもとになった写真集
いかん、いかん。なんかくだらない話になってしまった。今日ご紹介する本に登場するのはパグではなくて柴犬です。
『ことばはいらない』(ジョンソン祥子 写真・文 新潮社 2013年)は、アメリカ在住のジョンソン祥子さんが、息子の一茶くんと飼い犬のマルの暮らしを撮影した写真で構成された本です。
祥子さんはアメリカ人男性との結婚を機に米国へわたり、ミシガン州に暮らして14年になります。この本は、著者のブログ『Maru in Michigan』がもとになってできたそうです。マルくんは2007年生まれの柴犬さん。凛々しい姿に惚れてしまいそう。黒柴と茶柴、両方の毛色を携えています。
兄弟のように育つ
一茶くんは2011年生まれの男の子。お母さんが日本人でお父さんがアメリカ人ですが、とにかくかわいいのです。『ことばはいらない』は一茶くんが生まれて、マルと出会ったところから始まっています。
マルと一茶くんは 兄弟のように育ちました。そんなふたりの毎日です。(本文)
とあるように、本当に日常の何気ないシーンを切り取った写真が続きます。そう、何気ないんだけれど、これがどれも、とても素敵なのです。2人の表情も、構図も。
さて、地上での飼い主だったNさん曰く「子ども(特に赤ん坊)と動物の写真はすごく難しい。個別に撮るのも至難のワザなのに、2人ともこんなにいい表情で撮れるなんて神業」だそうです。確かにそうかも。撮影したことのある方ならきっと経験済みの大変さ。だからこそこの本の写真のクオリティの高さに驚かれると思います。
一茶くんが生まれる前から家族だったマル。マルは渡米して言葉の壁にぶつかっていた祥子さんにつねに寄り添ってくれたあたたかい存在だったそうです。そして一茶くんが生まれてからは、
ふたりは、くっついたり、ひっぱったり、
ときに泣(鳴)いたりしながら、
次第に心を寄せていきます。
それは、見ていてうらやましくなるほど。(p71)
だったそうです。確かに、2人はうらやましくなるほど仲がいい。写真を見れば一目瞭然です。きっと一茶くんは、マルが犬だってことだって、最初はわからなかったんじゃないかなあ。お母さんとは姿かたちは違うけれど、心は通じ合うし、一緒に遊べるし、いつも隣にいてくれるし。まさに、兄弟のような存在なのだと思います。
ミシガンの自然につつまれて
二人の表情ももちろんいいのですが、この写真集は、アメリカ・ミシガンの美しい四季折々の景色がバックになっています。僕、外国にはいったことがないけれど、こんなにきれいな場所、一度実際に見てみたいなと思った。
『ことばはいらない』は一茶くんが生まれてすぐからの記録。その後この本は続編が出ます。『ぼくのともだち』(2013年)は、『ことばはいらない』の拡大版のような感じ。赤ちゃんのときの一茶くんとマルとの交流を追った作品です。そして『いつもとなりに』(2014年)、『えがおのゆくえ』(2015年 いずれも新潮社)。これは一茶くんの成長記録でもあり、そしてマルと子どもの絆が深まっていく過程を写した写真集でもあります。
赤ちゃん、そして子どもの、素直な動きと、それを優しく受けとめる犬。見ていて優しい気持ちになれる本。おすすめです!
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Featured image creditSteve Stearns/ Flickr