自転車に乗ったヒーロー、みなしご犬を救う

ほのぼの
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コロンボは、ひとりぼっちの犬でした。

今は名前もあり、家族もともだちもいますが、かつては何も持っていない犬でした。オハイオ州コロンバス郊外に一人で暮らし、毎日まいにち、食べ物を探して歩き回るだけの暮らしをしていたのです。

その日がくるまでは。

7月のある日、いつものように森をうろついていた犬は、運の悪いことに車にぶつかってしまいます。疲れて、お腹が空いて、怪我もしていた彼は、文字どおり精も根も尽き果てていましたが、元々はフレンドリーな気質の犬。人が現れた気配を察知すると、そちらの方に歩みを進めずにはいられなくなりました。

気配は、自然を楽しむサイクリストのグループのものでした。彼らは、グループ編成を変えるため、数分間の休憩を入れようとしていたのです。「グループの編成を変えようと停車したとき、彼が森から現れたんです。彼は、本当に痩せていました。助骨が見えて、たくさんの傷があり、脚は折れていました」

「彼はひどい状態で、お腹も空いていました。ひどい状態でしたが、私たちに会えて嬉しそうでした」

サイクリストたちは、彼に食べ物を与えましたが、それだけでは不十分だということにも気が付いていました。犬がいたのはワニのいる川の近くで、置き去りにすれば彼がワニのご馳走になることは、容易に想像できました。

グループのひとり ジャレット・リトルは、犬に向かってこう声をかけました。「僕たちが、君のことを助けるよ。他のことは、あとから考えればいい」

こうして犬は、森を離れることとなりました。安全な運搬を試行錯誤した結果、片方の脚をお尻のポケットに入れ、全身をリトルの背中に預けるおんぶスタイルが良いことがわかりました。リトルは片手の手をハンドルに置き、片方の手で犬を支え、運転を続けました。傷だらけだった犬もなんとか耐え抜き、30分の自転車旅を経て森を抜け出しました。

サイクリストたちは町へ到着。ここまででも素晴らしい話ですが、犬はここで奇跡の出会いを果たすのです。将来、ママになってくれる女性でした。

アンドレア・ショウがその人です。メイン州にすむ彼女は、出張のためにたまたまその町を訪れていました。レストランで食事をし、宿に戻ろうと外に出たところを、犬が彼女を見つけ駆け寄ったのです。

町を行き交う他の誰でもなく、犬はアンドレアを選びました。

まるで古い友人に再会したかのように懐いてくる犬に、アンドレアもまた一目惚れ。リトルから事情を聞いた彼女は、彼を引き取ることを決意します。家族への確認もせず、犬の検査も終わっていない段階で、「彼を家に連れて帰る」と宣言したのです。

犬が家族を見つけた瞬間でした。

もちろん、犬には獣医師の助けが必要でした。犬の怪我は思ったよりひどく、ショーの家があるメイン州に移送する前に、手術と治療が必要でした。時間もお金も必要になりますが、それでもアンドレアの決意は変わりません。保護犬の移送を支援する団体を探し、家に連れ帰る手はずも整えました。

そして、犬にコロンボという新しい名前をプレゼントしました。

たったひとりで森をうろついていた犬は、これからたくさんの家族に囲まれて暮らすことになります。パパとママになるショウ夫妻、5歳の男の子クリストファー、黒と褐色の2匹のクーンハウンド、そして馬たちが彼のことを待っています。

奇跡の出会いと優しさに助けられた幸運な犬、コロンボ。これまでたくさん苦労したぶん、これからは優しさに囲まれ幸せに暮らして欲しいと思います。

h/t to Injured dog rescued in Columbus, finds forever home in Maine | Columbus Ledger-Enquirer

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