皆さんこんにちは。お元気ですか? WOOFOO天国出張所勤務のパグ犬、ぐりです。読書と映画・DVD鑑賞が大好きで、中でも心に残ったものをご紹介しています。
もう8月もおわってしまいますけれど、お子さんがいる家庭では夏休み、どうお過ごしでしょう。地上での飼い主だったNさんは「夏休み早く終われ~」と言っています(笑)。小学生2人の母親のNさんは「毎日ご飯ばっかり作ってる」だって。まあそれでも、旅行、海水浴、キャンプなどなど、子どもが小さいからこそ家族一緒に楽しめることもたくさんあるかと思うから、元気に乗り切ってください!
犬の視点から描かれる
子どもの話題が出たところで、今回は久しぶりに絵本を紹介します。『そっといちどだけ』(なりゆきわかこ・作 いりやまさとし・絵 ポプラ社 2009年)は、事故で視力を失ったあかねさんと盲導犬のステラの物語です。
ステラがあかねさんと初めて会った時から、まだお互い慣れていない、ぎこちない最初の夏を経て、パートナーとして信頼し合って幸せな日々を送る様子が描かれます。盲導犬て、どんな気持ちで仕事をしているのかな? と、ちょうどこの本に出合う直前に、仕事先で偶然入った喫茶店で盲導犬を見たNさんは思ったそうです。
まがりかどや 階段の場所を しらせるたびに、あなたは「グーッド、ステラ!」と大声でほめてくれる。 それをきくと しあわせで いっぱいになる。(p7)
ステラは仕事中の自分の気持ちをこう表しています。僕は盲導犬ではないけれど、やっぱりNさんに褒められるとうれしかったな。それは働く犬も同じなのだと思います。
毎日仕事に行くあかねさん。帰り道に一緒に歩きながら、ステラはあかねさんと夕やけを楽しむのが大好きでした。
そして、引退
お互いを大事に思いながら暮らしていたあかねさんとステラ。でも犬は人より早く年をとります。特にステラのような大型犬はそれが顕著です。そしてステラは、ある失敗をしてしまうのです。
その後訪れるお別れの時。本当はあかねさんもステラと離れたくない。でも仕方がありません。普通の家庭で飼われている犬とは違い、盲導犬はパートナーの命を預かる仕事をしています。だから、その仕事に支障が出てきたのであれば、引退するしかないのです。
引退後の生活に慣れてきた頃、ステラは職員の人から、あかねさんが新しいパートナーとの生活をもうすぐ始めることを聞きます。そしてあかねさんを思い出しながら心の中でひとつお願いをします。そのお願いが、この絵本のタイトルにもなっています。
どうして涙が出たんだろう
読み終わったときに、僕、じわーんと涙が出た。
どうしてだろうって考えたんだけど、一つひとつの言葉が丁寧で優しくて、そして絵がその言葉により深みを与えているからかなって。
子どもに、「もうどうけん」がどういうお仕事をしている犬なのかを伝えるのに、こんなにいい本はないと思います。
そして大人も、盲導犬がどんな気持ちで仕事をしているのか、どうやって人との信頼関係を築いていっているのかを知るのにいい本だと思います。
親子で読んでみてくださいね。
ポプラ社
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Featured image creditHiroyuki Takeda/ Flickr