犬が”変食”するのはなぜ?〜異食症?抗議行動?何でも食べちゃう犬の謎に迫る

生態・行動
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犬たちは様々なものを口にし、咬むだけでなく時には飲み込んでしまいます。犬と暮らしている方は食糞にはもう驚かないかもしれませんが、大量の釘、ナイフやフォーク、携帯電話なども飲み込むという話にはさすがにビックリするのではないでしょうか。

異食症、異嗜症(pica)

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image by freestocks.org / Flickr

食べ物でもないものを食べてしまう行動は、異食症、または異嗜症と呼ばれています。

人間からすると、ウンチや土など”変なもの”を食べるワンコを見るとビックリしまし、不安にもなりますよね。まずは、犬の年齢(子犬か成犬か)と継続性(何度も食べているのか、あるいは突然に起こったか)を考えてみましょう。子犬は好奇心から何でも口にしてしまうものですし、突然起こったのなら単に飼い主さんの気を引きたいのかもしれません。

すぐに病院に行くべきなのは、消化できないものを食べてしまった(食べる恐れがある)なケース。消化できなければ胃や腸に詰まって手術に至ることもあります。継続的に”変食”を続けているコについても、早めにその習慣を断ち切るために専門家に相談することをお勧めします。

なぜ、それを食べるんだ!?

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image by S. Carter / Flickr

人間からすると変なモノを食べてしまうワンコたち。彼らはなぜ、偏食ならぬ”変食”をしてしまうのでしょうか。寄生虫病やミネラルの不足、精神障害の症状、日常生活上の不満の表明などが様々な原因があるようです。

・ストレス、退屈に耐えられないから

我が家の犬は、テーブルの上の紙ナプキンを咥えてズダズダに引き裂くことがあります。普段は紙が散らばっているだけですが、時々、残骸が残っているものの紙くずが少なく「食べちゃったな!」と判断できることがあります。我が家の場合、こうしたケースのほとんどが、仕事が忙しくてお散歩や遊びが十分でない時期に起こります。

運動が足りていない、退屈すぎるなどのストレスを発散するために、そのへんにあるものをガジガジしたり飲み込んでしまうことがあるようです。問題なしワンコが唐突に”変食”を始めたら、運動不足を疑ってみるのが問題解決への第一歩です。

・それが面白いと学んでしまったから

それを食べると面白いことが起こると学んでしまったケースもあります。それをすることで、飼い主さんが喜んでくれた、飼い主さんに注目された、と思ってしまうケースです。この時に飼い主さんが過剰に反応すると、「やっぱり喜んでくれた!」とその行動を強化することにもつながるので、落ち着いて対応するよう心かけることが大切です。

この場合は、”変食”の対象になるものを近くに置かない、”変食”しそうになったら悪いことが起こるようにするなどの対策が考えられます。悪いことというのは、その対象に苦味スプレーやジェル(もちろん犬用のもの)を塗ること、食べるタイミングで嫌な大きな音をさせるという、といったことです。

・お腹が空いた/美味しいから

食いしん坊ワンコなら、もしかしたら単にお腹が空いたから食べちゃったのかもしれません。人間にとってはオェ〜なウンチだって、子犬を育てる母犬にすれば立派な離乳食。消化が不十分であれば、味だって美味しいのかもしれません。

一度、食事量と与えている食事の栄養に偏りがないかを確認してみましょう。いわゆる総合栄養食を与えている場合は、きっちりと量を計測して与えてみることをお勧めします。手作り食の場合は、栄養が足りていない(偏っている)恐れもあります。

・子犬のうちは何にだって興味があるんだ!

人間のお子さんだって、何の理由もなく”衝撃的なモノ”を食べてしまうことはあるでしょう。病気ではなく好奇心から食べてしまう子犬は少なくありません。歯の生え変わりなどでむず痒く、カミカミしているうちに飲み込んでしまうこともあるようです。ただし、「子犬だから食べちゃった」で片付けられるのは6ヶ月齢まで。それ以降も継続するようであれば立派な問題行動です。

・健康を害しているから

突然、異食を始めてそれが続く時に疑うべきは、寄生虫に蝕まれている可能性です。寄生虫が原因の消化障害を起こしており、それが原因で普段は口にしないようなものを食べてしまうことがあるそうです。普段の行動を観察している飼い主さんにそれとわかる異食が始まったら、病院で検査を受けておきましょう。

ホルモンバランスの乱れ、甲状腺疾患や糖尿病など、身体の病気も”変食”行動を起こす原因になるそうです。とても心配ではありますが、もし病気である場合には、他にも気になる症状があるはずです。”変食”が心配で専門家に相談するのはオススメですが、一方で大きな病気を過度に心配する必要はありません。

”変食”させないために、何しよう?

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image by smerikal / Flickr

とにかく、美味しくて栄養に偏りのない食事を与え、十分な運動をさせること。噛み癖があるコやモノへの執着が強いコは、そうした癖をやめさせるようにしましょう。人に取られるくらいなら飲み込んでしまえ!と、大胆な行動に出るコもいて、それが異食を始めるきっかけになることもあるそうです。

Featured image from Georgie Pauwels / Flickr

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