鶏肉は良質なタンパク質の供給源。肉の中では低脂肪であり、カロリーについてあまり気にすることなくエネルギーを供給する便利食材です。
ただし、トップ10にランクインするアレルギー誘発食材でもあることは、留意しなければなりません。
鶏肉に含まれる栄養素
鶏肉はアミノ酸バランスに優れた消化吸収の良いタンパク質の宝庫です。リノール酸などの多価不飽和脂肪酸が多く、粘膜を強くするビタミンAや若さを保つビタミンEが豊富、抗酸化作用が期待されるアンセリンやカルノシンも含まれています。
鶏肉は部位ごとに含まれる栄養素が異なります。
- むね肉:タンパク質がかなり多く含まれており、ナイアシンも多く含まれます。疲労回復物質イミダペプチドがたっぷり含まれており、お疲れワンコや活発ワンコにぴったりです。抗酸化作用が認められているアンセリン・カルノシンを多く含むのもこの部位です
- もも肉:体調の維持には欠かせないビタミンB2が豊富です
- ささみ:肉類の中でもトップの高タンパク・低脂肪部位です。シニア犬の肥満予防にもぴったりです
どのくらいの頻度で、どのように食べたらいいの?
日常的に与えてもOKです。犬にとっては大変なご馳走なので、週に1〜2回、皮や脂肪を取り除き、少量を与えると良いでしょう。
生ではなく、必ず調理したものを与えましょう。調理といっても塩やコショウでの味付けは厳禁です。茹でたり蒸したり焼いたりして火を通したものを、そのまま、または他の野菜や穀物と混ぜて、あるいはドッグフードにトッピングしてあげましょう。もちろん茹で汁も与えることができます。
骨は必ず除くこと。調理済みの骨は脆くなっており、犬の身体に入って内臓を傷つけることがあります。
鶏肉に関して知っておくべきこと
・生の鶏肉について
犬の胃酸は人間のそれよりはるかに酸性で、生の鶏肉を食べても防御ができると言われています。ただ、生の鶏肉はサルモネラ菌や他の細菌に汚染されている可能性があり、感染リスクは十分にあるので、通常は生食が勧められることはありません。十分に火を通すか、少なくともお湯をかけるなどして半生の状態にして与えましょう。
・鶏肉のアレルギー
食物アレルギーは、身体が食物中の成分に対して抗体反応を起こす時に生じます。この時、アレルゲンとなる成分とは、大抵の場合はタンパク質です。AKCによればもっとも一般的なアレルゲンは牛肉、乳製品、小麦、卵、鶏肉、羊、大豆、豚肉、ウサギ、魚であり、鶏肉もこの中に含まれます。
・レバー
レバーにはタンパク質、脂肪、ビタミンAの他、オメガ3およびオメガ6も含まれている栄養豊富な臓器の肉。適度に与える分には問題はありません。しかし、あまりにも多く食べさせすぎると、ビタミンAの過剰摂取となる可能性があります。ビタミンAの過剰摂取の症状には、骨の変形、筋肉の衰弱や硬直、体重の減少などがあります。
・鶏皮
皮は脂肪含量が多すぎるため、消化器系に影響するだけでなく、肥満や膵炎の原因になり得ます。小型犬、体重の多い犬、膵臓に不安のある犬には与えない方が良いでしょう。大型犬にたまに炙ったものを与えるのは問題にならないかもしれませんが、安全を期するために事前に獣医師に相談しましょう。
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Can Dogs Eat Chicken? – American Kennel Club
[2] Chicken for Dogs | Benefits of Chicken for Dogs | petMD
[3] The Benefits of Liver for Dogs
Featured image creditLuxe/ shutterstock