砂糖の代用品として、広く使用されるキシリトール。虫歯の発生を防ぐ添加物でもあり、多くの人間用デンタルケア製品に含まれています。
キシリトールは、人には安全な食べものですが、犬には有毒。少量を摂取しただけでも、中毒症状がみられることがあります。
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イギリスでは2018年10月、キシリトールの入ったブラウニーを2つ盗み食いした犬が死亡するという事故が起こっています。
ウェスト・ロンドンに住むビズラのルビーに中毒症状が出たのは、盗み食いから36時間後のことでした。
飼い主のKate Chacksfieldさんはすぐに病院へ向かいましたが、治療の甲斐なく容体は急激に悪化。医療費に140万円超を費やしましたが、残念ながら病院に運ばれた8日後にルビーは死亡しました。
Chacksfieldさんは、犬にとって有害な食べ物についての認識が広まってほしいと、ルビーの犠牲について公表することを決意したそうです。「私は、自然由来の甘味料(キシリトール)を食べることが犬にとってどれほど問題になるのかを、全くわかっていませんでした」と語るChacksfieldさんは毎日、ルビーの写真をみては涙にくれています。
Chacksfieldさんは、ルビーがブラウニーを食べた直後に動物病院に連れて行かなかったことに大きな後悔の念を抱いています。ブラウニー(携帯できるチョコレートケーキ)とキシリトールは、犬にとって最悪の組み合わせともいえるものですが、かつて犬がチョコレートを盗み食いしたときに「全く影響がなかった」ことから、中毒について過小評価してしまったのだといいます。
そもそも、キシリトールの危険性について十分な理解がなかったChacksfieldさん。摂取直後に動物病院に連れて行ければ、もしかしたら命が助かっていたかもしれません。しかし彼らが病院に向かったのは、肝不全の症状をみせはじめてから。手遅れになってからでした。
動物病院で治療を受け始めてからも、ブラウニーに原因があるとは気がつかなかったというChacksfieldさん。キシリトールの危険性についての認識が広まれば、今回のような「治療が遅れること」に起因する悲劇が減るのではないかといいます。
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ペットに深刻な健康問題を引き起こす可能性のあるキシリトール。ラブラドールほどのサイズの犬でも、小さじ1杯ほどを摂取すれば肝不全を起こすことがあるそうです。小型犬ではさらに少ない量で、身体に大きな打撃を与えることになります。
毒物摂取の治療においては、早期発見と早期の治療開始が回復への唯一の道です。摂取後すぐに症状が出ないこともあれば、症状がないまま身体に蓄積される毒物もあります。愛犬が「犬には毒」になるものを口にしたら、とにかくできるだけ早く動物病院に相談しましょう。
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