犬にも向き・不向きがあり、能力を発揮できる仕事の種類はひとつではありません。
チェサピーク・ベイ・レトリバーのトレインも、麻薬探知の分野においては「ダメ」という烙印を押されてしまったワンコです。あまりにハイパーすぎて、探知犬としては向かないと判断されてしまったのです。
エネルギーがありすぎな犬
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トレインはもともと、保護施設にいたレスキュー犬。精力的なところが評価され、麻薬探知犬を訓練するプログラムに入りましたが、”精力的すぎて落第してしまったのです。
現在の飼い主、Karen DeMatteoさんが「はた迷惑な乱暴者(bull in a china closet)だった」と振りるとおり、トレインは探知犬の訓練では全くの「できないコ」だったそうです。
DeMatteoさんはトレインに、より適切なキャリアパスを作ってあげました。保全生物学者としてのDeMatteoさんの仕事を手伝うという仕事を与えたのです。具体的には広大なアルゼンチンの荒野で野生動物のウンチを探すお仕事ですから、「匂いを覚え、それを探知する」という基本を学んでおり、エネルギーが有り余る彼にはピッタリな仕事でした。
探すものが薬物からウンチに変わっても、トレインは全く気にしなかったそう。アルゼンチンの山の中を元気に歩き回り、野生動物のウンチを見つけることに専念し、ご褒美にボールで遊んでもらうのです。
トレインには狭いエリアを探索するより、広い場所でエネルギーを発散する方が合っていたようです。トレインはまるで「機械のように」、広大で荒涼な山に残された野生動物の”落し物”を探し当てます。
絶滅に瀕する動物の生息地を特定する
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野生動物を救うためには、彼らがどこで生息しているのかを突き止めなければなりません。しかし、動物を見つけることができなければ、どこでどう生活しているのかを特定するのは非常に困難です。
しかし、動物なら生息場所に残していくものがあります。そう、ウンチです。ウンチを見つければ、どこの地域を好んでいるか、避けているかを推測することができますし、動物種や性別などの個体に関する情報も得ることができます。
トレインがウンチを探し、DeMatteoさんらがこれをデータ化し、どのエリアを優先的に保全するかを決定するのです。
かつては、動物が通りすぎると感知してシャッターをきるカメラを使って、動物の生息地を確認していました。しかし、この方法だと動物がカメラの前を横切るのを待たなければならず、全く効率的なものではありませんでした。カメラが盗まれることもあるうえ、(撮影されることを嫌った)地主から断られることもあったそうです。
しかし、トレインは、待ちの姿勢ではなく攻めの姿勢で、動き回ってウンチを探します。もうすぐ12歳になるシニア犬ではありますが、立ち止まることはありません。今年の後半には、ピューマの追跡のためにネブラスカに向かう予定もあるそうです。
一方で、少し根をあげつつあるのは研究者の方で、長いトレッキングを終えたあとは「一日くらい休みが欲しいなぁ」と思うのだそう。悪い足場をスイスイと進んでいくトレインについていかなければなりません。
でも、トレインと一緒に仕事ができるのは、その大変さを補ってあまりあるものだとDeMatteoさんは言います。「毎日犬と仕事をすることは、人生を本当に素晴らしいものにしてくれる」
h/t to Former drug-sniffing dog now helps protect endangered animals – CNN
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