愛犬がカモメに奪われたとして、イギリス南西部ペイントン在住の女性が、4歳のチワワを必死に捜索しています。
飼い主のベッカ・ヒルさんによれば、7月21日の午後、空を飛んでいた大きな鳥が急降下してきて、庭で遊ばせていたチワワのギズモの首のあたりを引っつかんだそう。
その様子を、庭に洗濯物を出そうとしていたベッカさんのパートナーが目撃。彼は、”それ”が急に降下してきたところ、そして”それ”がギズモを連れ去ったところを目にし、助けようとしましたが間に合わなかったようです。
「”それ”がギズモをしっかり咥えたのかはわかりません。今どこにいるのか、落とされてしまったのか、全くわからないのです」
犬の情報は迷子犬捜索の専門サイト”Dog Lost”に掲載され、地元の非営利団体も協力を申し出ています。しかし、残念ながら今のところ発見につながる情報は寄せられていないとのことです。
しかし、カモメ…?海の上を悠々と飛んでいるあの鳥が、チワワを連れ去ることなどできるのでしょうか。
ギズモは小型の茶色のチワワで、体重は約2kg。イギリスの鳥類学者であるピーター・ロック氏によれば、カモメでも小動物なら持ち上げることができるのだそう。最も大きい種と言われるオオカモメ(the great black-backed gull)は、両翼を広げると1m60cmにもなる背中と翼が黒の白いカモメ。2015年にもカモメは、2匹の小型犬殺害の容疑がかけられています。
しかしながらカモメによる小動物の拉致は、極めて稀。一般的な行動とは言えないと専門家は口を揃えます。Cornell Lab of Ornithologyのケビン・マクゴワン氏は、大きな種のカモメがちいさな犬を拉致するのは不可能ではないものの、「他の猛禽類がもつようなカギ爪を持っていない」ために「ありそうにない」とコメント。カモメとチワワの体重がほぼ同じくらいであることから「猛禽類が自分の体重ほどの獲物を運べるかもしれないが、クチバシで自分の体重のものを運ぶことはできない」と説明します。
セントラルミシガン大学の野生生物生態学の教授であるThomas M. Gehring氏は、「これは非常に稀なことだ」としつつ、生物学的にはカモメの”卵を盗む”という習慣により説明できるかもしれないと言います。
さて、そんなこんなで飼い主のレベッカさんのところには、「自作自演」とか「フェイク」などの憎しみと意地の悪さに溢れたコメントがたくさん届いているのだそう。大衆紙the SUNによれば彼女は、自らを”動物のコミュニケーター”と称する超能力者に捜索を依頼するなど「できることは全て」やっていて、「ギズモは生きている」との希望を与えられたのだといいます。曰く、「ギズモが水のある庭にいるのをみた。水はおそらく池で、ギズモは生きているが目を痛めている」
なんとなく話が明後日の方向へ進んでいるような気もしますが、小さなチワワが行方不明になっているのは本当のことのよう。ギズモが無事で、今後は心穏やかな日々を送れるよう願うばかりです。