教室と現場をつなぐ’ロボット犬’〜獣医師の実地訓練用にフサフサ毛をもつロボットが開発された

ニュース
この記事をシェアする

コーネル大学では、獣医学生に緊急時ケアを学ばせる方法の一つとして’ロボット犬’を開発し導入したと発表しました。

名前はロボジェリー2(Robo Jerry 2)。コーネル大学のフレッチャー教授(Professor Dan Fletcher)によって開発されたシミュレータを載せたドロイド犬で、茶色の被毛に覆われ、ゴムでできた舌を有しています。フレッチャー教授は、「これ(ドロイドによる実習)は、橋渡し的なもの。教科書での学習ののち、ロボジェリー2での実習を行うことで、現場では何に対処しなければならないかを学ぶことができる。臨床経験の代わりにはならないが、実際の医療現場で患者と対峙する上で役に立つ経験になるだろう」とコメントしています。

動的シミュレータによる訓練は、人間の医学の世界ではすでに長く行われているもの。コンピュータ化された’ロボット患者’はますます高度化し、実際の医療現場との距離を縮める一助となっているそうです。しかし、獣医訓練の世界では依然として静的シミュレータ(ざっくりと言えば医療用ぬいぐるみ)が主流で、教室と実地の間には大きな開きがありました。そこでフレッチャー教授が人間シミュレーターを購入、これを解体して静的シミュレータに組み込むことで、学生たちが実地訓練前の適切な訓練を受けられるようになったというわけです。

1108 1

呼吸によって胸が上下したり、鼠蹊部に脈打ちがあるなど、まるで生きている犬のように反応するロボジェリー2。学生たちが治療を進めると、バイタルサインにも変化があります。「チューブが挿入されたぬいぐるみなんだけど、目の前で命が失われていくように感じるんだ」と学生の一人は語っています。「フレッチャー博士が部屋から出ると、本当にストレスフルな臨床現場にいるように感じたよ。ぬいぐるみの治療だけど、誰もが真剣に取り組んだ。誰かのペットに対峙している気持ちだったね」

シミュレータは、学生が適切な処理をする限りは必ずハッピーエンドを迎えるようプログラムされているとのこと。複数のシナリオが準備されていて、学生たちはミッションをこなすごとに上手く対処できるようになっていくのだとか。ただ、実際の動物は時間の経過により筋硬直などの変化があるのに対し、ロボジェリー2の身体には変化がないなど改良の余地はあるそうです。「ストレスのかかる状況でもチームが適切な処置を行えるよう」より良いシミュレータへと改良したいところですが、人間医療の世界のようには資金が集まらないのが悩みのタネなのだとか。ちなみに、ロボジェリー2の開発費は$35,000(約380万円)。シミュレーターはロボット猫にも適用できるのだそうです。

Featured image credit Cornell Alumni Magazine

ちょっと待て!人間用薬は危険です!! 獣医師の診断なしに薬を与えるのは超危険 | the WOOF

ちょっとお腹を壊しただけだから…とか、以前に獣医師さんが処方してくれたから…とか。理由は様々にあるのかもしれませんが、人間薬を犬に与えるのはとっても危険な行為です。 いたい〜。どうにかして〜。image by ramsey beyer / Flickr petMD では、人間用薬について 不適切に服用させることは非常に危険。命を奪う恐れもある と警告しています。

the WOOF イヌメディア > すべての記事 > イヌニュース > ニュース > 教室と現場をつなぐ’ロボット犬’〜獣医師の実地訓練用にフサフサ毛をもつロボットが開発された

暮らしに役立つイヌ情報が満載の「theWOOFニュースレター」を今すぐ無料購読しよう!

もっと見る
ページトップへ