「うちのコは、ほとんど吠えないんですよ〜」なんていう飼い主さん、羨ましいですよね。
悪いコじゃないのに、どうしてもワンワンが止まらない我が愛犬。他のコと比べても仕方ないけど、他のコより吠えるような気もします。
なぜ私の犬は他の犬より吠えるのでしょう?主には3つの要因が考えられます。
1. 遺伝と品種固有の特性
特定形質の遺伝や品種は、犬の吠え方の傾向に大きく影響します。犬の吠え声の頻度は品種ごとに異なります。たとえば歴史的に番犬としての役割を担ってきたや、獲物の存在を知らせる仕事をしてきた品種は、吠えなければ仕事になりません。
VetStreetは2014年に専門家に対する調査を行い、『やかましい11犬種』のリストを発表しました。
- 1. ビーグル:犬界のミュージカルスターかつ素晴らしい番犬。退屈だったり寂しかったりすると、美声をとどろかせる
- 2. シベリアン・ハスキー:寂しがり屋で仲間が大好き。仲間(たとえそれが救急車でも)の呼びかけには必ず応える。不満や欲求も声に出して表明するタイプ
- 3. スタンダード・シュナウザー:テリトリー意識が高く、家に近づくものには警告を発する
- 4. チワワ:注目されなければ気が済まない犬界のアイドル
- 5. ヨークシャー・テリア:可愛いおしゃべり犬。たとえたくさん注目しても、適切な訓練をしても、黙っていることは少ない
- 6. ジャック・ラッセル・テリア:ギャング。ホリホリとワンワンにかけては他の追従を許さない
- 7. バセット・ハウンド:遠くからでも獲物の存在を知らせることができるオペラ歌手のような低音美声をもつ犬
- 8. テリア種:おしゃべり大好き
- 9. ジャーマン・シェパード・ドッグ:生まれながらの守護神(犬)。不審者や侵入者は見逃さない
- 10.ダックスフント :怪しいものの存在を知らせたい欲求が強い
- 10.ミニチュア・シュナウザー :全てのイベントに参加したい、何かあったらすぐにお知らせしたいと願う活発さん
2. 環境要因
犬たちが暮らす環境によっても、吠えの頻度などは変わります。新たな環境に慣れるまでは、周囲の匂いや音は全て予想外の警戒すべきものであり、敏感に反応するようになるでしょう。一方で環境に慣れてくると、同じ音にもあまり反応しなくなることがあります。
騒々しい街で育った犬は、車の通る音や救急車のサイレンにも慣れっこになるでしょう。一方で静かな地域で育った犬は、慣れない都会の音に反応し吠えてしまうことがあるかもしれません。
同じ家の中でも、外の音が聞こえやすい玄関で暮らしている犬と、あまり音が聞こえてこない家の奥で暮らす犬では、吠えの頻度は異なるでしょう。環境を少し変えてみるだけで、「他のコよりも吠える」という状況は少し改善されるかもしれません。
3. 「吠えると褒められる」と学んでしまった
吠えることで注目されるとか、吠えたらオヤツをもらえるということを学んでしまった犬もいます。品種に関わらず吠えることで報酬を得られると学べば、犬はニーズを満たしたい時に声をあげることになります。
吠えを抑えてもらうためにできること
まずは、犬が吠え声をあげる時の引き金を見つけ出すことから始めましょう。吠えは概ね次のような理由で吠えるものです。
- 侵入者への警告
- 誰かがきたことを知らせる
- 他の動物の存在への反応
- 助けを求める
- 欲求不満や退屈
吠えを誘発するような要因を見つけたら、これに代替する、より良い行動を探しましょう。
- 環境を変えることが功を奏する場合があります。犬が過ごす場所を変えてみたり、ドアや窓へのアクセスを制限することで、警戒すべき対象から距離を取るのです。
- 運動を増やすことは、犬の満足を引き出し、犬を穏やかにします。
- インタラクティブな知育オモチャや、オヤツを入れられるカミカミオモチャなどは、一人遊びにもってこいです。退屈からの吠えがみられるコなら、試してみても損はないでしょう。
あまり吠えない犬もいますが、大抵の犬は吠えるものです。犬が本来持つ自然な行動を変えようとするのは、どうしても時間がかかります。忍耐強く、じっくりと取り組んでみてください。
早期の改善を目指すなら、ぜひ専門家に相談を。そのコに合ったトレーニングのアドバイスを試してみましょう。
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