皆さんこんにちは!少し暖かくなってきたこの頃、いかがお過ごしですか?花粉を避けて家にこもって、DVDを見ている方も多いのかもしれませんね。
僕は毎日規則正しく暮らしていて、特にお散歩も出ずに篭りきり…ということはないのですが、お家でまったりもいいなぁと思い、何枚かDVDを見てみたのね。その中に、アニメで印象的な作品があったのでご紹介します。
大人も子どもも楽しめるアニメ
2016年、僕が見た最初のDVDは、『ボルト』(ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ 2008年)。アニメなんだけど、すごく精巧にできていて、まるで実写かと見紛うほどの部分もたくさんあります。この作品、アニメだから子ども向きだろう、と決めつけないでね。メッセージ性があってとってもいい物語だったから。
主人公のボルトは白い犬。仔犬の頃、動物保護施設でペニーという女の子と出合い、彼女が引き取ります。5年後、成長したペニーは、悪者ドクター・キャリコに誘拐された父親を助けに向かいます。悪者にとらえられる前、ペニーを守るため、彼女の父親から遺伝子操作でスーパー・ドッグにされたボルト。幾度もピンチにあうペニーを、さまざまな特別の力によって守ります。ですが、実はそれはすべて、ドラマの撮影の中で起きていること。気づいていないのはボルトだけでした…
完成度の高いCG画像から目が離せない!
ある日ひょんなことからボルトは誤って箱詰めされ、ハリウッドからニューヨークへ運ばれてしまいます。そこでボルトは鳩や猫のミトンズ、ハムスターのライノに出会います。ミトンズ、ライノと共に、ペニーの元に帰るために旅を始めたボルト。彼はその途上、実は自分がスーパー・ドッグではないことに気付き始めるのです。今まで信じていたことが一気に覆され、ショックを受けるボルト。それでも、ペニーへの想いの強さは変わりません。どうしても彼女にもう一度会いたい。そしてボルトがたどった道は?!
物語序盤のアクションシーンはハラハラドキドキしたよ。スピード感があるし、まるで本物の悪者たちにペニーが追っかけられているように見えるんだ。そして、旅のシーンも圧巻。特に、電車に飛び乗ったり、車から飛び降りたりの場面には何度も息をのんじゃったよ。きれいな景色にもうっとり。僕が特に好きなのは、大きな橋を渡るところかな~
生きている意味
と、見どころ満載ではあるのですが、この物語の中で、一番心に残ったのは、ニューヨークからハリウッドへ戻る旅の途中、ボルトが、自分がスーパー・ドッグではないことに気付き、気落ちしながらライノとかわす会話です。スーパー・ドッグでない自分にはいったい何の価値があるのだろう。そう問いかけたボルトへの、ライノの答え。このシーンをできるだけ多くの人に見てもらいたいって思いました。
僕はパグとして生まれて、今の家族に出会えて、楽しく暮らしているけれど、確かに、ペニーを守るという使命をもって生きていたボルトにとって、それが実は虚構だったと気づいたら、どれだけ無力感に襲われるか、想像しただけでも心が痛くなりました。生きるとはどういうことなのか。持っていると信じていた力が実は自分にはないとわかったとき、ペニーを守れないとわかったとき、自分が生きる価値はどこにあるのか、とボルトが悩む姿に、僕は人間の姿も重なったよ。犬だけじゃない、人間も同じような悩みを抱えるときがあるよね。だからこそ、ハムスターのライノの答えを聴いてほしいんだ。間違いなく、力をくれる言葉だから。
一方、ボルトと離れ離れになってしまったペニーも、悲しくてたまらない毎日を過ごしていました。でも女優だから、仕事はしなくてならない。ドラマも続行しなくてはならず、ボルトそっくりな違う犬と演技をするという、厳しい現実に投げ込まれています。ペニーのマネージャーがいるんだけれども、この人のセリフっていちいちムカッとするんだ。でもね、人間の大人って、結構こういうことを平気で子どもに話してしまっているかもなあって思ったりもした。
バッドエンドではいけれど、どういうストーリーを経てハッピーエンドになるかは、ぜひ途中のセリフも含め、確かめてみてくださいね。いい作品は、子どもにも大人にも語りかけるものがたくさん詰まっているよね。また見つけたらご紹介しますね!
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読書犬「ぐり」はこれを読む!〜『デューク』挿絵も美しい大人の絵本 | the WOOF
by 菅原然子 皆さんいかがお過ごしですか? 読書犬・パグのぐりです。すっかり秋めいてきましたね。今回も、読書の秋!にぴったりな一冊をご紹介します。 『 デューク』(文・江國香織 画・山本容子)です。これは、江國さんの『 つめたいよるに 』(理論社)に所収された「デューク」をもとに、山本さんが素敵な銅版画をつけて文庫サイズで出版された本です。ちょっとした大人の絵本、という装いですよ。