英スコットランドで電気ショック首輪の使用が禁止へ〜不適切使用が問題に

世界の犬事情
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スコットランドは、イヌのトレーニング用の電気ショック首輪は不要な痛みをイヌに与え、健康を損なう恐れがあるものとして、首輪使用禁止措置を取る方向に動き出しました。

スコットランドがショック首輪禁止に乗り出す

地域振興担当長官(Rural affairs secretary)ロックヘッド氏(Richard Lochhead)は「電気ショック首輪の誤った使用に対する懸念はもっともであり、禁止措置を急ぎたい」という意向を発表しました。「こうしたトレーニング用ツールは適切に使用すれば効果を発揮する側面もある。技術の進歩も考慮に入れたうえで、継続して検討を重ねていく所存」との見解を述べています。

検討されているのは電気ショック首輪の全面禁止、そして特定タイプの首輪の使用禁止です。ウェールズ地域(※)では既に使用禁止措置を取っており、世界ではニュージーランド、オーストラリアなどでも使用が禁止されています。ウェールズ議会は2010年、電気ショック首輪の使用禁止を決め、違反した者には20,000ポンド以上の罰金または6カ月の懲役が科せられるという厳しい措置になっています。

※ イギリスを構成する4つの地域のひとつであり、他にイングランド、スコットランド、北アイルランドがある。主権国家ではないが便宜的にカントリーと呼ばれている。

誤った使用は犬の心身にマイナスの影響

スコットランドでは、50,000本ほどの電気ショック首輪が使用されていると見込まれていますが、規制対象品ではないため、実数は把握されていません。動物愛護団体のOneKindやThe Kennel Clubなどは、「しつけとして使用される場合でも、痛みやストレスを与えることで、イヌの心身両面にマイナスの影響を与える。また、攻撃性を増すというケースも報告されており、行動問題の解決にはならない」として、使用禁止へ向けた取り組みをさらに推進する構えを見せました。

また、不適切な使用事例も禁止措置の後押しをしています。小さな子どもがおもちゃ代わりにして、ペットに電気ショックを与えて面白がるというケースや、イヌ以外のペットにつけて躾をするという間違った使い方をするケースも見られるそうで、動物保護団体などは強硬な反対姿勢を示しています。

王立動物虐待防止協会(RSPCA)も、「トレーニングをするとしても、電気ショックをあたえるより、ほめてしつける、必要な場合は、シトロネラ・カラー(吠えるとシトロネラという虫よけにも使われるハーブが噴出する)を付けるなどの代替法はある」として、今回のスコットランドの対応に一定の満足を示しています。


愛犬の問題行動に頭を悩ませている飼い主さんも少なくないことと思います。矯正ツールの利用は簡単で便利でありますが、問題の根本的にはなり得なません。

安易な利用は避け、専門家に相談してみる段階を踏んでくださいね。きっと、ワンコも飼い主さんも満足できる方策が見つかりますよ!

 

h/t to Electric Shock Dog Collars Banned In The U.K.? and MSPs asked to follow Wales’ lead in banning electric dog collars – Scotland / News / The Courier

 

Featured image by WOOFOO, Inc. (original image by funhare via shutterstock)

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