ワンコの肉球のプニプニ感、「たまらなく好き」という飼い主さんはたくさんいますが、肉球の匂いも大好きという人もいるようです。
スナック菓子的な魅惑のニオイはどこから?
このワンコの足の匂い、ポップコーンやスナック菓子の香りに似ていると感じる飼い主が多く、その理由をよく質問されると獣医が報告しています。また、シカゴ在住の動物行動専門家、デール氏(Steve Dale)のブログにも、読者からイヌの足の匂いについて質問が寄せられた直後、匂いに関する書き込みが100以上続いたそうです。
なぜコーンチップスやポップコーンのような匂いがするかは、獣医の中でも「ワンコの耳や足に繁殖する酵母菌が原因だ」とか、「いやバクテリアだ」など、見方が分かれています。また、糞や土壌に含まれるプロテウスというバクテリアによるものだという意見や、プロテウス属の他に、シュードモナス属かもしれないという推測もあります。プロテウスというバクテリアは、甘いコーンのような匂いがするそうですが、今のところ明確なことは分かっていません。
素敵なニオイの正体はバクテリア?
オレゴン州で開業している獣医、クロスビー医師(Janet Tobiassen Crosby)はブログ上で「健康なイヌやネコの皮膚にはバクテリアや真菌が住んでいる。歩き回る足を舌でなめることで、他の体の部位より多く匂いが出るのかもしれない」と記述しています。
リバプール大学の動物微生物学者、ウィリアムス教授(Nicola Williams)は、「爪先と足裏の湿った場所に特定のバクテリアが過剰に繁殖すると匂いを発するのかもしれない」と推測。「シュードモナス属のようなバクテリアはかなり強い匂いを出す。大抵は、お菓子の「フーセンガムのような」匂いという意見だが、中にはポップコーンだという人もいる。いずれにしても、バクテリアが分解、繁殖する時の産物が放つ揮発性物質が匂うのだろう」と話しています。現在、様々な方法で、バクテリアの「指紋」として、その揮発性物質を検出する作業を行っているということです。
また、動物皮膚学者のナットール(Tim Nuttall)博士は、「イヌの皮脂に含まれる脂肪と皮膚にある多くの微生物が組み合わさり、分解して匂いとなる。こういう匂いはイヌ固有のもので、イヌを識別する上でも重要なものだろう。その違いを嗅ぎわけることは難しいが、飼い主なら自分の愛犬が分かるのではないか」と意見を述べています。
ニオイの原因や理由はともかく、飼い主さんにとって愛犬の肉球の匂いは格別なもの。あなたなら、何のニオイだと表現しますか?
そして、愛犬と別のワンコの肉球のにおいの違いを、嗅ぎ分けられる自信はありますか?
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