愛犬があなたに伝えたい9つのこと〜ワンコさんはきっとこんなことを考えてるよ

生態・行動
この記事をシェアする

毎日、キラキラした目でわたしたちを見つめてくるワンコさん。

「ああ、このコがニンゲンの言葉を喋れたら・・・」と思わずにはいられません。もしお話することができたら、どんなことを伝えてくれるのでしょうね。

とはいえ、ニンゲン語をお話するのはちょっと無理。であれば、行動から推察するしかありません。msnライフスタイルの記事を参考に、ワンコたち伝えたいであろうメッセージを9つにまとめました。

ご主人!お守りしますぜ

Feeling2

いっておくが、わたしのモノです © Dora Zett / Shutterstock

あなたは犬を「飼って」いますが、実は犬の方でもあなたは自分のモノである、という気持ちでいます。つまり、犬の方でもあなたは自分のモノであるから、あなたを守るのは自分の責任だ、と思っているのです。

そう思っているのかがわかる行動、それは「足元に座る」というもの。

動物愛護団体FoundAnimals代表のブレント氏(Jennifer Brent)は「犬があなたの足元に座っているときは、この人間は僕のモノだと主張しています。足の上に座っていたら、それはマーキング行為で「この人はワタクシのモノぞ。ワタクシの匂いがするでしょ。接近NG」という意味です」と語っています。うわ、所有意識高すぎ。

もともと群れで行動する犬は、仲間意識が強いと言われます。まぁ、足に匂いをつけられるのならいいとして、「守りたい」が昂じて主従が逆転してしまうのは困りモノ。ギャンギャン吠えたり唸ったり、リードを強く引っ張るようであれば、暖かい気持ちを持ちつつも厳しく「ダメ」を伝えましょう。

ご主人のお気持ち、わかりますぜ

Feeling3

ストレス、たまりますよね © Di Studio / Shutterstock

ストレスが溜まってるとか、悲しいことがあったとか。そんなときに愛犬が、スルスルスルっと側に寄ってくるお話はよく聞きます。逆に嬉しいことがあったときは、愛犬も元気いっぱいでウキウキしています。そんなときはきっと、「ご主人のお気持ち、わかる〜」と言いたいのです。

犬たちはとにかく、飼い主であるあなたの大ファン。常に観察を怠らず、あなたが気づかないうちに発するメッセージ(ボディランゲージなど)を掴み取っているのです。

リラックスしてほしいときには、まずは飼い主さんが心穏やかになりましょう。遊びに集中してほしいときには、飼い主さんが率先してはしゃいでみることです。きっと驚くほどシンクロしてくれると思いますよ。

もっとお散歩したい!運動したい!

Feeling4

さ、さささ、いきましょう © Alias Studiot Oy / Shutterstock

もしあなたの犬が床で粗相をしたり、家具をかじったり、テーブルの周りをグルグル走ったりするようなら、彼らが言いたいことはただ一つ。「もっと身体を動かしたい!」ということです。

これは室内犬によくみられるメッセージであり、品種でいえば牧羊犬や猟犬に多くみられるようです。たとえば、ダルメシアンはもともと猟犬として訓練された犬種であり、かなりの運動量(一日に約13キロ)を走る素質のある犬ですから、運動が十分でなければ、そりゃあストレスも溜まるというものですよね。

もしあなたの愛犬乱暴者になり狼藉を働くようであれば、叱るより前に「運動足りてるかな」と考えたほうが良さそう。専門家は犬種にもよりますが、1日45分から1時間の運動と15分のしつけの時間を推奨しています。頭をつかったゲーム(かくれんぼや探索遊び)をしてあげるのもよいでしょう。

ご主人、必ず帰ってきますよね?

Feeling5

もう、帰ってこないんだ! © Leigh J / Shutterstock

毎日、決まった時間に仕事に行くだけなのに「ワタクシを置いて行くんですかガーン」というお顔で見つめられるのは、とても苦しいもの。外出しようとすると吠えたり、出口をふさいだりするのなら「ご主人が帰ってこないんじゃないかって、とっても心配」というメッセージを発しているのでしょう。

外出の儀式が済むと、意外にケロリとして自分のベットでスヤスヤしちゃうコもいるようですが、中には過度に心配性の犬もいます。分離不安という問題行動の一つであるかもしれません。飼い主が出て行ったドアに体当たりしたり、引っかいたりが治らなかったり、外出から戻ったときに下痢や息切れをしていることを発見したならば、専門家に相談を。一般的に、行動療法(薬物療法が併用されるときもある)が行われるようです。

ご主人、お具合悪いですね。わかります

Feeling6

まあ、今日はゆるりとしましょう © Anna Hoychuk / Shutterstock

十分に説明のつく事象ではありませんが、犬には飼い主の病気を察知する能力があるようです。

一つの説明は、犬の優れた嗅覚が、体に不具合が起きたときの分子レベルの変化を察知するというもの。イヌたちは、匂い分子をヒトの数十倍ともいわれる匂い受容体で感知しており、それ故に病気を高い感度で検出していると言われます[1]。たとえば、糖尿病患者の血糖値が低いときに患者の息からケトン臭を嗅ぎ取って危険を感知したり、てんかん患者が発作が起きそうな時を察知して周りに知らせ、安全な場所に移動させたりすることが出来る犬もいます。

具合の悪いときに寝ていると、犬が寄り添っているのに気づく。そんなときには、「今日はお具合悪いんですね。ゆっくりしましょう」というメッセージを伝えたいのかもしれません。教えられなくても相手の気持ちに沿った行動を取ることができる犬ってすごい。

気がついて。いつもとちょっと違うこと

Feeling7

いつもと違う。ビジュアル的に © Eric Isselee / Shutterstock

「痛い」「きもちわるい」と言葉で説明することのない犬たち。

でも、「なんかいつもと様子が違うな」と感じるようなことがあれば、「ちょっとお具合わるいです。気がついてくれるとうれしいです」と言っているのかもしれません。たとえば、いつもより元気がないな、とか、やたら攻撃的だな、とか、立ったり座ったりするのが大変そうだな、とか、食欲がないな、などといったことに注意を払ってあげましょう。

特に、お食事のときとトイレの様子には注意を払いましょう。いつもより食べてないな、とか逆に食べ過ぎてるな、などは重要なメッセージ。また、おしっこの回数が多いとか、ウンチするとき苦しそう、なんていうのも、「気づいてほしい」という気持ちの表れかもしれません。

たまには新たな刺激がほしいっス

Feeling8

これ、すきだけど、飽きた © Eric Isselee / Shutterstock

「犬は習慣の生き物」なんて言われるように、ある程度予想がつくことの連続を好むようです。「この刺激があったらこう反応する」とわかっているほうが、どうしていいのかわからなくて不安になるより良いですよね。

とはいえ、犬だって新しいものが大好き。アメリカの動物行動テンプル・グランディンは、著書の中で「動物に面白いおもちゃをどっさり与えて遊ばせ、それから数週間後に新品のそれほどおもしろくないおもちゃをひとつ与えると、たとえそれが前のおもちゃほどよくなくても、必ず新しいほうを取る」と語っています。

また、新しい刺激を与えることは飼い主さんにとっても必要なこと。毎朝5時のお散歩、という習慣がついてしまうと、雨が降ろうと槍が降ろうと、はたまた喀血しようとも、愛犬におねだりされてしまう恐れあり。今日は7時、明日は6時と変化をつければ、「え?意外〜。こんな時間に行っちゃう?行っちゃうの?」とウキウキしてくれること間違いなしです。

教えてください。はっきりキッパリ教えてください

Feeling9

よくわからぬ © gurinaleksandr / Shutterstock

犬をしつけることは大事ですが、どうしつけるか、がポイントになります。ダラダラ叱ったり、優しく諭そうとするのはバツ。犬を叱るときは、強く短くはっきりと。犬は声のはっきりしたトーンに反応します。

犬のコミュニケーション方法は、おもに視覚、嗅覚、聴覚を頼りに行われます。聴覚に伝えるシグナルは、かなり遠方まで届くというメリットがあるものの、視覚や嗅覚に比べるとあまりバラエティはないそうです[1]。つまり、はっきり・キッパリが大切です。何か悪いことをしたとき「ダメ!」とその場で。逆に良いコのときはできるだけあま〜い声で「イイコイイコ〜」と褒めてあげましょう。

ご主人、ワタクシ人間ではございませぬ

Feeling10

まあ、そんなに怒りなさんな © Ksenia Raykova / Shutterstock

う〜ん、これは言いたいだろうなぁ。

犬の行動を「人間基準」で判断するのはNGです。たとえば、犬が家の中で粗相をしたり、リモコンを齧ったりしても、人間が思うように何かの復讐で飼い主に嫌がらせをしてるわけではありません。ただ単に、歯がむず痒いのかもしれませんし、ストレスを発散したいだけなのかもしれません。あるいは体調がわるいのかも・・・。

犬の行動は犬のメッセージとして、そのまま素直に受け取りましょう。そして「本当は何がいいたいのかな」とじっくり考えてあげること。ちゃんと悪いことだとしつけられているか?病気の可能性は?何かいつもと違うことをしたり、しなかったりしたか?など、心当たりがあればそれを突き詰めてみましょう。きっとワンコさんの「言いたいコト」が理解できますよ。

 
h/t to 9 Things Your Dog Wants to Tell You , 翻訳:岩崎エメリー志保


[1] 森裕司, 竹内ゆかり, & 内田佳子. (2012). 『動物行動学』. 株式会社インターズー.
[2] JKC事務局. (2013). 犬学. In 愛犬飼育管理士教本 2013年版. 一般社団法人ジャパンケネルクラブ.

 
Featured image by martinho Smart / Shutterstock

the WOOF イヌメディア > すべての記事 > イヌを知る > 生態・行動 > 愛犬があなたに伝えたい9つのこと〜ワンコさんはきっとこんなことを考えてるよ

暮らしに役立つイヌ情報が満載の「theWOOFニュースレター」を今すぐ無料購読しよう!

もっと見る
ページトップへ