犬映画、動物虐待疑惑に揺れる〜プレミア上映の中止に発展

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米で1月27日に公開が予定されていた新作映画”A Dog’s Purpose”(日本公開未定)。前評判が高かったこの映画ですが、嫌がる犬を無理にプールに入れようとする動画が公になったことで愛犬家らが大反発。土曜日に予定されていてプレミア上映の中止にまで発展しています。

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原作は『野良犬トビーの愛すべき転生』。犬のトビーが輪廻転生し、”犬生”を何度も繰り返す中で自分の生きる意味を探っていくというこの作品は、ストーリーの面白さや映像の美しさなどから、愛犬家やメディアの注目を集めていました。

しかし、米芸能サイトのTMZが”虐待疑惑動画”を発表してから、その風向きは大きく変わりました。動画ではトレーナーらしき人物が、トビー役のジャーマン・シェパードトビーは5犬種に転生する)を無理やりプールに飛び込ませようとしている様子が映し出されています。

★TMZが公表した虐待疑惑動画(暴力的なシーンが含まれます)

この時のトビーは警察犬という設定で、スタッフらは増水し荒れ狂う川に飛び込むというシーンを演じさせようとしていました。プールに人工的に作られた水流を前にしたジャーマン・シェパードは、明確に「嫌だ」と意思表示をしており、四肢を踏ん張っていますが、無理やりプールに降ろされます。続く映像では、犬が激流に飲み込まれている様子、そして誰かが「カットだ。カット!カット」と叫んでいる声も収められています。

ユニバーサルピクチャーズのパートナース氏(Amblin Partners)は、「安全な環境を整え、動物たちを倫理的に扱うことは、この映画の撮影をする者として最も重視すべきこと。我々は、この動画が撮影された当時の状況を調査する」とTMZに回答しました。

2015年に撮影されたとみられるこの映像について、撮影者やリーク元は現在のところ明らかになっていません。しかし、制作者側は映像自体の真偽を争うつもりはないようです。

動画が公になったことで、愛犬家や愛護団体の怒りは爆発。ソーシャルメディアなどでは怒りの声が相次いでいます。動物の権利を訴える団体PETA(People for the Ethical Treatment of Animals)は「犬やそのほかの動物が映画の小道具でなく、人道的に扱われるべきであるというメッセージを伝えるために、この映画をボイコットするよう求める」と声明を発表しています。

また、21日に予定されていた映画のプレミア公開はキャンセルとなりました。人と動物の絆を描こうとする映画での虐待スキャンダルは、映画にとって致命的な打撃となるのかもしれません。

★映画”Dog’s Purpose”のトレーラー

Screen capture from A Dog’s Purpose – Official Trailer (HD) / YouTube

NY州でドッグトレーナーの公的資格の動き〜動物虐待事件が影響(アメリカ) | the WOOF

ドッグトレーナー資格認定を制度化し、法令で規制しよう動きが米ニューヨーク州で起きています。 法令化を推し進めるのは、トッド・カミンスキー上院議員(Todd Kaminsky)。

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