芳香剤の危険な香り〜犬に与える影響は?

暮らし
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香りは私たちの気分を変えるもの。部屋の清潔感が増すような気がするし、気持ちのリフレッシュやリラックスにも役立ちます。

しかし、ペットにとってはどうでしょう。私たちにとって心地よい香りは、犬にとっても良いものなのでしょうか?

芳香剤は安全か?

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image by sarandy westfall / unsplash

生活環境を快適なものにするために、私たちは様々なことをします。整理整頓をし掃除機をかけ、水回りをピカピカにしゴミを捨てる。仕上げには、大好きなルームフレグランスをシュッとひと吹き!

…としたいところかもしれませんが、ちょっと待って!ルームスプレーやプラグインディフューザー、キャンドル、オイルなどのいわゆる芳香剤には、ペットの健康に害を及ぼすものがあるのです。

すべての芳香剤が犬たちに害を及ぼすわけではありませんが、使用の際にはその成分が我がコに安全なものであるかをしっかり確認しておきたいものです。人に害を及ぼす成分であれば、身体の小さいペットたちにとっては、かなり危険なものになります。

ペットに害を及ぼす成分

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image by Daniel Clay / unsplash

芳香剤の香りは爽やかに感じられるかもしれませんが、成分はそれほど爽やかなものではありません。製品の多くには、ホルムアルデヒド、石油蒸留物、リモネン、エステル、アルコールなどの揮発性有機化合物(VOC)が含まれています。

VOCは小児喘息との関連が指摘されている物質で、目や気道の炎症、頭痛やめまいなどを引き起こす危険性も指摘されています。

低沸点のために室温で高い蒸気圧を有しており、このために形態が固体であれ液体であれ、空気中で気体状となります(蒸発)。揮発すると大気汚染物質となり、水に溶けると土壌や地下水汚染の原因物質となるもので、日本では排出基準や環境基準が定められています。

VOCの健康への影響には以下のようなものがあります。このリスクは人にもありますが、当然に犬にもあります。

  • 目、鼻、喉の炎症
  • 頭痛、協調の喪失および悪心
  • 肝臓、腎臓および中枢神経系への損傷

VOC分類される有機物の中には、動物にがんを引き起こすとわかっている/疑われているものがあります。パッケージに「自然由来」「オーガニック」などと記載してあっても、VOCの危険性にはなんの影響もありません。

全てのVOC製品を排除できればそれに越したことはありませんが、芳香剤だけでなく日常で使う多くの製品にVOCは含まれており、全く使用しないのも難しいかと思います。使用の際にはラベルを読み、全ての警告に注意し、すべての指示に従いましょう。

芳香剤の毒性に対する犬の反応

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image by Eric Isselee / Shutterstock

芳香剤の悪影響は直ちに、あるいは使用後数時間または数日以内に現れることがあります。最初の兆候は、あなたが芳香剤の使用をはじめたときの、犬の避難かもしれません。犬は咳、くしゃみ、鼻水を垂らすかもしれません。ひどくなると嘔吐や下痢、倦怠感または食欲不振を示すかもしれません。

芳香剤の毒性の危険は、空気だけにはありません。犬が歩く、転がる、舐める場所に製品のなごりがある場合、有毒成分から影響されてしまうことも考えられます。香りを残すようなものをスプレーする場合は、犬がアクセスできないようにする必要があります。また、床やカーペットの掃除についても、有毒成分が残らないよう徹底的に排除しておきたいものです。脚をナメナメすることで、有毒成分を身体に入れるリスクがあります。

芳香剤の代替品は安全か?

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image by Drew L / unsplash

それでは、芳香剤の代替品、エッセンシャルオイルやアロマキャンドル、お香などはどうでしょうか?

・エッセンシャルオイル

”自然由来”といえばアロマオイルが思い浮かぶのではないでしょうか。良い製品を選べば完全天然由来のもので、セラピー効果も見込めます。上手に使えば部屋全体に香りを行き届かせることもできます。ルームスプレーなどの代替品としてピッタリと思うかもしれませんが、残念ながらアロマオイルも全てが安全なわけではありません。

犬については毒性が確認されているのは、ティーツリーオイル(Melaleuca)、ペニーロイヤルミント(Pennyroyal)、ウィンターグリーン(Wintergreen)そしてパイン(Pine Oils)。https://www.petpoisonhelpline.com/pet-safety-tips/essential-oils-dogs/ いずれも使用方法によっては、動物病院での治療が必要となるほど、ときには命を落とすほど、犬にダメージを与えルものです。

これらの特定のオイルでなくても、全てのエッセンシャルオイルに誤飲のリスクがあります。オイルが胃腸管に与える刺激により、嘔吐しようとしても吸い込まれて排出できないという恐れもあります。

エッセンシャルオイルを自然療法として使用する場合は、必ず獣医師に確認してからにしましょう。また、適切な使用法について正しい知識を得る必要があります。使用時に犬の様子におかしな点がみられたら、すぐに使用を中止しましょう。

・アロマキャンドル

キャンドルのほとんどはワックスで構成されています。このうち、石油系ワックスであるパラフィン(石蝋)から作られたキャンドルは、燃焼時に有害物質のトルエンやbエンゼルを発生させることがわかっています。パラフィンワックスを頻繁に使用することで、喘息やアレルギー、呼吸器官を刺激する可能性があるそうです

キャンドルの芯の中には鉛が含まれていることがあり、燃焼すると空気中に放出された鉛がEPAのしきい値を超える可能性があります。鉛は中枢神経系を傷つけます。

成分がなんであれ、キャンドルには火をつけるわけですから、犬との相性は最悪です。犬がぶつかってキャンドルを倒してしまったら?犬が前脚を使って倒してしまったら?すべてを焼き尽くしてしまうかもしれません。そんなことがないように、キャンドルは肉球の届かない場所に置き、火をつけたままで放置しないようにしましょう。


愛犬の体調が思わしくない場合で、原因に心当たりがないときは、洗剤や芳香剤が影響した可能性を疑ってみてください。普通の生活をしている限り、体に良いものだけを使用することはなかなか難しいことです。ただ、もし原因が化学製品にありそうだと考えるなら、思い切って使用をストップして、ただ窓をあけ床を水拭きしましょう。

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