犬も酔っ払うのか〜少量でひどい二日酔い症状になる可能性あり

健康管理
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ゆったりと飲むお酒は美味しいものだし、適度であれば楽しい気持ちにしてくれるもの。しかし度を越した飲酒は一転して、私たちを苦しめるものになります。

犬はお酒を飲めるのか?

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image by Rogelio A. Galaviz C. / Flickr

犬にとってアルコールは毒です。犬の状態や飲酒量によっては、命を落とすもあるのです。

実際にはアルコールの影響は、摂取したアルコールの量と原材料によって異なります。たとえば大型犬がビールをペロリと舐めたからといって、すぐに死んでしまう訳ではありません。一方で、小型犬が日本酒やウィスキーをペロリとしたら、それだけで命の危険に晒されるかもしれません。

ただ、犬の内臓はアルコールの毒素を分解するようにはできていないこと、犬の多くは人より身体が小さいこと、さらには人間のように普段からお酒を飲み慣れていないことから、人よりも強く影響を受ける恐れもあります。少しの量でも毒になると考えた方が安全です。

アルコール〜誤飲には気をつけて!絶対に与えてはならないその理由 | the WOOF イヌメディア

動画サイトなどで公開される「犬の飲酒動画」は、面白くて可愛いもののように扱われることがあります。しかしこれは犬を傷つける行為であり、全く面白いものではありません。

遊びで飲ませることはもちろん、誤飲を誘発してしまうような「アルコール置きっ放し」もNG行為です。

犬は酔っ払うのか?

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image by Quentin Keller / unsplash

「犬も酔っ払うのか?」という質問の答えは「イエス!」。犬も人間と同じように酔っ払うことができます。

酔っぱらい犬は、中枢神経系の抑うつ状態、すなわち人間の酔っ払いと同じような症状をみせます。たとえばこんな反応です。

  • 千鳥足、四肢の運動協調性が失われる
  • よだれと吐き気
  • 嘔吐
  • 心拍数が速くなる
  • 低体温
  • 衰弱・不活発・眠気
  • 虚脱・昏睡
  • 死(呼吸停止)

人間と異なる点は、犬の場合はより早く、少量で重症になる可能性があるという点です。ほんの少しの量で、ひどい二日酔いのような状態や、救急車で運ばれる状態になる可能性があるのです。

酔っ払ってフラフラしている犬の体の中では、血糖値の低下、体温の急低下、心拍数の増加による心臓への負担などが起こっています。犬の酔っ払い状態を放っておくと、昏睡やけいれん、死亡の恐れがあります。

私の犬は”酔っ払い”か?

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image by Davide Cassanello / Flickr

お酒を飲ませてもいないし、誤飲するチャンスもないはずなのに、犬が酔っ払いのようにフラついている場合は何が起こっているのでしょう。

一つは、お酒の形をしていないアルコールを摂取した可能性です。アルコール入りのプティングやケーキ、焼く前のパン生地、味付けにワインを使った食事など、飲み物ではないアルコールをペロリパクリした可能性です。

もうひとつは、脳卒中、鼓脹、低血糖、または心臓病を患っている可能性です。これらの病気は前項で示したような酔っ払いの症状を呈することがあるのです。

いずれにせよ、上記のような症状がみられる場合は、犬は大変に危険な状態にあります。すぐに病院に電話して、その指示に従いましょう。早期に治療を開始することができれば、悪影響も限定的になる可能性があります。迷わずすぐに対応することが、毒物摂取においては非常に重要です。

犬の急性アルコール中毒

動物の急性アルコール中毒に関する研究はほとんどありません。ここでは意図せずしてアルコールを摂取し、中毒症状を呈した事例(Australian Veterinary Journal)をご紹介します。

  • 4歳のオスのダックスフンド。クンクン鳴きが止まらず、動物病院に連れて来られた。連続した鳴き声のほか、四肢の協調性が失われており、壁にぶつからずに歩くことができない。中毒が疑われたが原因はわからないまま、昏睡状態に陥った
  • その後、帰宅した飼い主が同じ症状をみせる別の犬(4歳・メス・ダックスフンド)を発見。2匹の犬は治療の中で、クリーミーな黄色の物質を嘔吐し、これにより原因が自家製のアドヴォカート(オランダの伝統的な甘いリキュール。カスタード風味でとても美味)であることが判明。飼い主は牛乳瓶に入れて保存していたアドヴォカートを、犬に誤って摂食させていた
  • クリーミーな嘔吐がなければ、アルコール中毒であることがわからず、適切な治療を受けられず最悪の結果になったかもしれない。幸運なことに2匹の犬は、集中的な獣医的ケアの後に回復した

一般的にアルコールは匂いも味も犬好みのものではなく、そのままでは犬にとって魅力的なものではありません。しかし事例のように砂糖やクリーム、卵黄などが加わると、途端に魅力あふれるオヤツに変身します。

犬を苦しめないように、アルコールの入った飲み物や食べ物の取り扱いには注意しましょう。とりわけ注意しなければならないのは、バーベキューやパーティなどの人の集まるところです。飼い主も注意が散漫になりますし、犬についてよく知らないゲストがいたずら心を起こしてしまうかもしれません。

犬にアルコールは絶対NG〜人が集まる場所では目を光らせて | the WOOF イヌメディア

いずれにせよ、アルコールは犬にひどい苦しみを与えるものです。絶対に絶対に、与えないように注意をしましょう。

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Don’t let your pet accidentally get drunk this silly season (sorry Tiddles)

Featured image creditSoloviova Liudmyla/ shutterstock

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