寒い時期の犬の関節炎の痛みを緩和する

お世話・グルーミング
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多くの犬が関節の病気に苦しんでいます。関節炎の多くは、寒い時期に痛みがひどくなることが多く、冬は特別なケアが必要です。

気温と痛みの関係は、気温低下や空気圧が筋肉や組織に影響を与えることが原因と見られていますが、はっきりとはわかっていません。

関節炎ってなんだろう?

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image by Hubert Figuière / Flickr

関節炎とは、関節に炎症を伴う疾病の総称です。原因は様々で、軟骨の老化など主に加齢に伴う摩耗が原因のこともあれば、ウィルスや感染症、あるいは外傷が原因のこともあります。

症状もさまざまで、局所に症状が出る場合もあれば、全身に症状がでる場合もあります。普段は人懐こい犬が人との接触を嫌がったり、ジャンプが大好きな犬が飛びあがったり走ったりを嫌がるなら、痛みが原因かもしれません。活動量が減ったり、イライラしたり、うずくまる時や起き上がる時に声が出るようなら、骨や関節に炎症を起こしている可能性があります。

このほか、常に同じ場所を舐めている(マッサージの代替行動)、足を引き摺る、3本足で歩く、神経質になる、(舐め続けるために)脱毛する、変な姿勢で飲食するなどが、関節炎を患っているサインです。

関節の痛みが急性であれば、適切な治療と投薬が功を奏するでしょう。慢性の場合でも、治療、環境整備食事と運動になどのケアにより痛みを和らげたり進行を遅らせたりすることができます。

ケア1)獣医師による診断

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image by wavebreakmedia / Shutterstock

関節炎のある犬のケアの第一歩は、獣医師による診断を受け、正しい治療法を検討することです。

注意しなければならないのは、関節の痛みは外傷や軟骨の磨耗だけが引き起こすものではないということです。細菌感染や認知機能障害、あるいは特定の癌など、はるかに深刻な病気が痛みを引き起こしている可能性もあるのです。この場合は、通常の骨や関節の病気に使用する薬剤と異なる薬が必要になります。血液検査やX線検査、必要であればMRI検査などで原因を特定することが大切です。

検査によって関節炎であることがわかったら、治療法を検討することになります。ステロイドや抗炎症薬は関節の腫れを抑え、運動を楽にしてくれます。状況や犬の年齢によっては、手術が選択されることもあります。

サプリメントは処方箋は必要とするものではありませんが、他の病気に影響する恐れがあるので、使用前に獣医師に相談をしましょう。なお、グルコサミンおよびコンドロイチンは軟骨の再生力を向上させると言われていますが、効果のほどはまだよくわかっていません。

ケア2)体重管理および減量

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image by Peerayut Chan / Shutterstock

ぽっちゃりめの犬ならば、ダイエットが効果的です。減量により骨や関節にかかるストレスを軽減させることで、慢性的な痛みを抑えることができます。

ケア3)関節に優しい環境をつくる

関節炎の犬にとっては、急な階段、滑りやすい床、道の端のグレーチング(溝蓋)など、日常生活の中に困難なモノや場所がいくつかあります。工夫をしたり避けたりすることで、犬はより快適に、自信を持って生活できるようになります。

食事の場所にはカーペットやゴム製のマットなどを敷いて、滑りにくくしてあげましょう。高さのある食器の利用は、足腰への負担を軽減します。複数階のある住居なら、水のボウルを各階に置くことで、移動の負担を減らすことができます。また、床にはカーペットを敷くかワックスを塗布するなどして、滑りにくくしましょう。

ベッドやソファの上で休む時間を大事にしている犬なら、犬用ステップ(階段)やスロープを用意してあげましょう。乗り降りが楽になります。犬が行かない方が良い場所(階段など)には、飛び出し防止用のゲートを取り付けましょう。

歩行補助ハーネスを利用しましょう。市販の素晴らしい商品もありますし、短い時間の歩行ならタオルや帆布のような厚手で耐久性のある幅広布で立ちあがりを補助してあげると良いでしょう。

寝床を暖かくしてあげましょう。湯たんぽをタオルに包んだり、電子レンジで温めて使えるヒートパッドをベッドに差し込んだり、冬の間は隙間風が入らない場所にベッドを移動するだりなど工夫しましょう。

愛犬が庭で過ごすのが好きな場合は、彼女が周りを歩いている間、彼女を見守ることができるようにしましょう。関節炎の犬は他の動物からの攻撃に対して脆弱であり、落ちたり怪我をしたりすることがあります。関節の痛みは寒さや湿気の多い天候では硬くなります。ドアや窓からはっきりと見えない場合は、外に出て一緒に過ごすようにしましょう。

定期的にグルーミングを行いましょう。肉球の間の余分な毛をカットしたり、こまめに爪を切るなどして、滑ったり引っ掛けたりする事故を予防しましょう。

ケア4)アクティビティとエクササイズ

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image by Orin Blomberg / Flickr

適度な運動は、筋肉を強化し靭帯を柔軟に保つと共に、肥満を予防して関節への負担を減らします。関節に痛みを抱える犬は、運動まえにマッサージやゆっくり歩く時間をとるなどのウォームアップの時間を取りましょう。できるだけ毎日少しずつ(無理なら週に4回以上を目標に)、犬と一緒に体を動かしましょう

痛みなどから散歩や運動を嫌がる犬には、オヤツやおもちゃなどのインセンティブを使って、ゆったりした運動を促しましょう。運動の前と後にたっぷりの愛情セッションを設けて、遊びの時間を楽しめるように工夫すること。プロのトレーナーなどの助けを借りて、身体に負担をかけないような運動を教えてもらうもの良いでしょう。

元々がアクティブな活動を好む犬の場合には、急に激しい動き(走ったりジャンプしたり)をしないよう、目を光らせておきましょう。疲労や痛みの兆候が見えたら、すぐに運動をやめさせましょう。関節炎を悪化させる恐れがあります。


今まで元気だった犬が、痛みに苦しんでいるのを見るのはとてもつらいものです。でも、飼い主さんが落胆しすぎてはいけません。運動は制限されるかもしれませんが、愛犬と一緒にできる他の楽しみを見つけることで、犬との生活をもっともっと充実させることができます。

ナデナデやマッサージ、グルーミングの時間を充実させましょう。愛犬との絆が、もっともっと深くて濃いものになりますよ。

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] How to Alleviate Arthritic Pain During the Winter | petMD
[2] Arthritis and Cold Weather: Treating Degenerative Joint Disease in Winter
[3] Arthritis and the aging dog – Dogtime

Featured image credit alexei_tm / Shutterstock

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