今年2月、カリフォルニアに住むルシドさんは、ネスレピュリナペットケア社(以下「ピュリナ社」)を相手取り集団訴訟を起こしました。飼い犬3匹に与えていた「ベネフル」が原因で1匹が命を落とし、残り2匹に重傷をもたらしたと訴えたのです。
※ ベネフル(Beneful)はピュリナ社のブランド名です
ベネフル集団訴訟は新たな局面へ
当初からピュリナは、ブランドを擁護する構えを見せており、商品に問題があることを否定してきました。彼らは自らがソーシャルメディアによる悪評拡散の被害者であり、フードそのものは安全であるとする姿勢を続けています。
6月に入り、2月に起こされた訴訟について、訴状の修正が原告側から申し立てられました。修正では、第三者機関による食品テストでベネフルに有害毒素が含まれることが判明したこと、苦痛を訴える飼い主にピュリナ社側が金銭的和解を提案していることなどが追加されています。
最大の問題は、ピュリナ社側が製品に動物に有害物質(産業グレードのグリコール、鉛、ヒ素、マイコトキシン)が含まれていたことを公表しなかった点です。カリフォルニア北地区の連邦地方裁判所に提出された資料によれば、(ベネフルを食べた犬に)共通する症状は胃炎、それに伴う内出血、肝機能不全や肝不全、嘔吐、下痢、脱水症状、減量、発作、誇張、腎不全ということです。
さらに問題となっているのが、ピュリナ社側が消費者に連絡をとり、金銭提供を申し入れていることです。苦しい経験を訴える飼い主に、秘密保持の見返りとして金銭提供の提示があったことも、訴状に加わっています。[1]。
ベネフルに対する苦情は3千件以上に上っています。訴訟では、修正に際しては新たに26人の原告が加わり、ピュリナ社側に500万ドルの損害賠償を求めるということです。
ピュリナ社は対抗する構えをみせる
ちょうど先週のこと、ピュリナ社は、ブランドを守るためのPRキャンペーンに乗り出しました。数本の動画、テレビコマーシャル、ニューヨークタイムズ紙内の全面広告など極めて大規模なものです。ソーシャルでの悪評に対抗するため、Webキャンペーンも展開しています。
そして、自社製品が安全で健康的だという立場は変わりません。
また、飼い主らとの「話し合い」について、ピュリナ社の広報担当者であるショップ氏は、飼い主らとの顧客との合意や補償金は会社による“善意の表れ”であると語っています。「これまでにも、消費者の問い合わせには対応してきたし、その時々で「善意のしるし」としての補償を行ってきてもいます。こうした補償を最近になって始めたとか、良からぬ意図によるものとするのは馬鹿げています」
ピュリナ社の声明はこちらです。
h/t to Is Purina Offering ‘Hush Money’ to Silence Concerned Dog Owners? – The Dogington Post, 翻訳:xxx
[1] Purina Backs Beneful Dog Food as Lawsuit Expands Allegations – NBC News
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