犬にしてみれば、とばっちりを食らった、というところでしょうか。
インターネットを通じ有名になった犬たちが、北朝鮮のテレビ番組に「欧米の退廃的なシンボル」として登場したというのです。
有名犬たちが登場したのは、北朝鮮の国営放送のKCTVネットワークの番組。デモの制圧の様子や失業者が訴えを起こす映像などに出演者がコメントするという形で、番組は進行します。そして4分10秒を超えたところで、ネットで有名になったワンコたちが次々と登場するのです(埋め込み画像は4分10秒あたりからスタート)。
え?犬?イヌですか?
と、驚く間もなく、次々と映し出されるワンコたち。世界で一番背の高い犬(Tallest Dog)としてギネス認定もされたジャイアント・ジョージ(Giant George、2013年没)にはじまり、お誕生日会で微笑む犬やお友達とディナーを楽しむ犬たちのまで様々です。どうやら番組を「米国は、ホームレスなどの貧困問題を抱えているのに、一方で贅沢な犬の誕生日会が行われている」という対比構造に仕上げたかったらしく、犬たちは退廃の象徴として扱われているようなのです。
うぅむ、犬たちの可愛い映像は、それまの硬派な雰囲気をぶち壊すんじゃないか?という気もしますが、なんかとにかくデカダンスの象徴なのでしょう。
映像に登場するお誕生日ワンコは、ビション・フリーゼとプードルのミックス、ライリーさん(Riley)。2010年に飼い主さんが”お誕生日会に喜ぶ姿”の写真をFacebookに投稿すると、すぐに人気に火がつきます。さらにReddit(アメリカ版2チャンネルのようなサイト)に掲載されると、ネット民から「まるでマリファナでハイになってるような表情」と一気に拡散。一躍時の犬となりました。
ワンコの世界でも、顔の知られた犬は有名税を払わなければならないのでしょうか。いろいろと大変です。
犬に贅沢をさせすぎという批判は、(自分のことを振り返ってみても)あながち間違ってはいないので、なんとも言い難いのですが、番組の文脈を考えると犬ではなく別の例えを使ったほうが良かったのではないかと思わずにはいられません。逆に、面白がられて人気になっちゃうかもしれないぜ。
h/t to The stoner ‘birthday dog’ meme shows up in North Korean propaganda , 翻訳:DianeLA
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