ブルーベリーはカロリーが低く、ビタミンC、繊維、抗酸化物質を多く含み、人間だけでなく犬の健康にも良いフルーツです。
旬は6〜7月。粒のまま与えてもOKですが、総じてベリー類はあまり消化が良くないので、与えすぎないように気をつけましょう。
この記事にはこんなことが書いてあるよ!
ブルーベリーは安全か?
ブルーベリーは犬が食べても大丈夫なOKフルーツ。非常に濃い紫色の粒は、NGフードの代表であるブドウを彷彿とさせますが、ツツジ科のブルーベリーはブドウ科のブドウとは全く異なる果物です。
ブルーベリーが犬に有益であると決定づけるような研究はありません。しかし適度に与えれば、一定の効果をもたらすと結論づけた研究は複数あります。代表的なのは2006年にアラスカ大学が発表した、そり犬を対象にした研究[1]で、ブルーベリーを栄養補助食品として与えたところ血中の抗酸化物質のレベルが上昇したと報告されました。
ブルーベリーの健康効果
ブルーベリーにはビタミンC、繊維、植物化学物質(植物に含まれる自然界に存在する化学物質)、抗酸化物質を多く含んでいます。繊維とビタミンCを豊富に含む食事は、人間の心血管疾患や肥満の発生確率を下げ、様々な病気の予防に役立つと言われており、犬についても適度に与えることで健康効果が期待されできると考えられています。
注目すべきはブルーベリーが抗酸化物質を多く含むという点です。2006年の研究からは、栄養補助食品として経口摂取することで抗酸化物質の急増が見られたことが確認されており、免疫システムの強化、癌を含む多くの病気の予防に力を発揮するのではないかと見られています。また、脳の老化防止への効果も期待されており、老齢犬の強い味方になってくれそうです。
また、ブルーベリーはコレステロールや血圧を下げる効果もあるとする研究もあります[2]。カロリーが低く繊維が多いため、美味しくて優良なダイエット食品であるとも言われています。年齢を重ねると体重のコントロールが難しくなるのは犬も同じ。ブルーベリーはヤング犬にはもちろんのこと、いつまでも元気でいたい老齢犬にもたくさんの恩恵をもたらしてくれるフルーツです。
どのくらいの量を、どのように与えればいいの?
毎日のゴハンやオヤツとしてではなく、あくまでも栄養補助食品としての位置付けで与えるようにしましょう。
与える量は個体の体重によって決めるべきで、犬の体調やウンチの様子を見ながら調整していくようにするのが正しいやり方です。中型犬(10kg超)で3粒程度というのを一つの目安としてください。初回は1個だけあげて、様子を見ながら増やしていくやり方がおすすめです。どんなに多くても10個を超えないように注意しましょう。他の食事やオヤツの内容と合わせて、1日の量を考えて与えることも心に留めておいてください。
繊維が多く含まれるため、与えすぎは胃の不調や下痢、そして消化不良を引き起こすことがあります。前述のとおり消化の良い食べ物ではないため、消化器系の既往症がある場合には、獣医師と相談してから与えるようにしましょう。
冷凍のまま与えても、皮付きのまま与えても支障はありません。ただし冷凍ブルーベリーは窒息の危険がないとは言えないため、老齢犬、子犬、早食いの犬などは解凍してから与えましょう。
どんな食べ物にも共通していえることですが、個体によってはアレルギー反応を見せる犬もいます。健康状態を悪化させる場合もあります。少しずつ様子を見ながら食べさせてください。
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Dunlap, K. L., Reynolds, A. J., & Duffy, L. K. (2006). Total antioxidant power in sled dogs supplemented with blueberries and the comparison of blood parameters associated with exercise. Comparative Biochemistry and Physiology Part A: Molecular & Integrative Physiology, 143(4), 429-434.
[2] Blueberries May Lower Blood Fat/Cholesterol
Featured image credit Annette Shaff / Shutterstock