愛犬には出来ることなら、どんな生き物とも仲良く生活してほしいものですが、元来の性質から一緒にしない方が良い組み合わせもあるものです。
これは、個体の社交性や訓練の有無の問題ではなく、交配の歴史などから小動物を追いかけたり傷つける性質を強くもつ犬種が存在するということを意味しています。
アメリカンケネルクラブ(AKC)のピーターソン氏は、「うさぎ狩りに使途する目的で作出されたサイトハウンドは一般的には、狩猟本能が視覚によって引き起こされるため、ネコとの暮らしに問題が生じる可能性が高い」とコメント。「小動物が素早く動くと、サイトハウンドは瞬時に反応してしまう」(PAWCULTURE)
もちろん例外もあるため、どの犬種が猫とうまくやっていけないかを一般化することはできません。小さな頃から猫と暮らしている犬は、この限りでないという話を聞くことはあります。ここではその種の歴史から「うまくやっていけない」可能性が高い犬種というのは、やはり存在するようです。
獲物に対する衝動〜プレイ・ドライブ
他の動物を追いかけたり、時にはそれを殺そうとする欲求や衝動をプレイ・ドライブ(prey drive)と言います。狩猟のために作出された犬が、生き延びるために継承してきた性質であり、遺伝的に引き継がれてきたとも言われます。リス、ネズミ、ウサギや猫、そして車によっても引き起こされることがあります。
この言葉は、問題行動について語られる時と、ドッグスポーツや高度なトレーニングについて語られる時が多いです。すなわち「うちの犬はなんでも追いかけるから、庭を囲む塀を高くしておかなければ心配だ」とか「愛犬は追いかけることが大好きだから、フリスビーにすごく情熱を持って取り組むの」と言った文脈の中で使われます。
猫との相性を語るとき、無視できないのがこのプレイ・ドライブの存在です。この衝動が強い犬は、好む好まない、あるいは訓練が入っている入っていないに関わらず、衝動により小動物を攻撃する可能性が高いと言われます。
猫との生活は避けた方が良い犬種およびグループ
・ハンティング・ブリード
狩猟目的で作出された犬種は、避けた方が良いでしょう。レトリバー犬などの獲物の「獲物を回収する仕事」の犬ではなく、獲物を見つけて殺傷することを仕事とする犬種がこれに該当します。サモエド、マラミュート、シベリアン・ハスキーなどが含まれます。
・テリア種
テリアは、地面を掘ってげっ歯類やウサギなどの動物を排除するために飼育された犬たちです。ジャック・ラッセル・テリア、フォックス・テリア、スコティッシュ・テリア、ヨークシャー・テリアなどは、猫をリスやウサギの代替とみなし攻撃を仕掛けることがないとは言えない犬たちです。
サイトハウンド(視覚ハウンド)
視覚に優れ、見えたものを素早く追跡し攻撃するサイトハウンド。思考する前に動くものを追いかける優れた能力は、猫を前にしても発揮されてしまうかもしれません。グレイハウンド、サルーキ、ウィペット、ボルゾイなどが該当します。
猫が犬を受け入れるなら、きっと何とかやっていける
個別の事例を挙げていけば、テリアだろうがシベリアン・ハスキーだろうが、猫と大の仲良しというワンコさんは大勢います。しかし、普段穏やかなコだからといって、何かのきっかけで衝動に突き動かされることがないとは言えません。
この他に、ハーディング・グループの犬(ボーダー・コリー、シェルティ、オーストラリアン・キャトル・ドッグ、オーストラリアン・ケルピー)、闘犬に使われる犬や元保護犬なども「猫と一緒は難しい」と言われることがありますが、猫が犬を受け入れる場合においては殺傷などの大問題に発展することは多くないように思います。「飼い主さんが大事にしている存在」ということをしっかり教えることや、猫と犬が別行動する工夫を凝らすことで、(イヤイヤであっても)家族として迎え入れてもらうのは不可能ではないでしょう。
Featured image credit R Kurtz / Flickr
猫と仲良くやっていける10犬種 | the WOOF
犬と猫。仲が良いのか、悪いのか…? 仲良くできるコたちもいれば、お互いを絶対に受け付けないような犬猫もいる…。個体差はもちろんあると思うけど、犬種による違いもありそうです。 今日は、猫を受け入れやすい気質を持つ犬種のご紹介です。