犬の被毛はそのままが最も美しいのですが、中には別のカラーを楽しみたいという方もいらっしゃるかもしれません。
その場合はぜひとも、犬にとって安全と確認された方法を選んでください。人間用のヘアカラーは、犬にはとても危険なもの。身体をひどく傷つけるだけでなく、時には命を危険にさらすものでもあるのです。
人間用カラーで重度の火傷を負ったマルチーズ
フロリダ州に住むマルチーズのバイオレットは、人間用の毛染め剤によって、目の酷い腫れと重度の火傷を負いました。
バイオレットは、体重わずか2.3kgの小さな犬。彼女の皮膚は焼けただれ、恐ろしいことに身体からはがれ落ちていったのです。その様子は、人々に「これでは一晩も持たないだろう」と思わせるほど、凄惨なものでした。
なんとか命を繋いだバイオレットでしたが、その後も長く辛い治療が待っていました。鎮痛剤、抗生物質、IV液、疥癬除去、なんども行われる包帯の取り替え。小さなバイオレットはその全てを受け入れ、全力で治療に専念しました。
そして3ヶ月後、バイオレットはようやく元気を取り戻しました。
新しい家族も見つかりました。まだまだ完治には至っていませんし、被毛の色も元の白ではありません。しかし、人々を笑顔にする愛らしさは健在です。
施設の担当者は訴えます。「いかなる状況下でも、ペットに人間用のヘアカラーを使用しないでください。毛染め剤に使用される化学物質は毒であり、外傷だけでなく(舐めることで)内臓の損傷をも引き起こします」
犬用製品はある、しかし染めないに越したことはない
ペットたちの毛を比較的安全に染める方法には、ペット用の染料を使うことや食用色素を使うなどの方法があります。あまり一般的ではありませんが、染めるというより色を乗せるような製品(カラーペーストやカラーチョーク)などもあります。普段のケアをお願いしているプロのトリマーさんに相談してみるのも良いでしょう。
とはいえ、ペットの毛を染めるのが良い考えかという点には、疑念が残ります。動物権利団体PETA IndiaのCEO、CEOのPoorva Joshipura氏は、「動物の被毛を染める行為は、動物たちにストレスを与え、彼らの健康を脅かす合併症やアレルギー反応を誘発する恐れがある」と主張します。獣医師の中には、ハーブなどの天然染料ですら、一定期間にわたって動物の被毛や皮膚を傷つけると警告する人もいます。
Joshipura氏は続けます。「動物たちは、私たちの見栄えがどうであれ、私たちを愛してくれていますよね。私たちも彼らと同じ優しさを持つべきではないでしょうか」
犬たちの自然な被毛はそのままで十分美しい…でもまぁちょっと楽しんでみたい、という場合は、兎にも角にも絶対に、人間用の製品を使用しないことを心に誓ってくださいね。
Featured image credit Pinellas County Animal Services / Facebook
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