犬用歯磨きグッズ〜歯ブラシ、ジェル、シートなど愛犬に適した製品選び

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犬にもデンタルケアはとても重要。しかし、嫌がる犬のお口を開けてケアをするのは簡単なことではありません。「歯磨きしなきゃ」と思うと、憂鬱な気持ちになってしまうのは、あなただけではないのです。

でも、きっと大丈夫。今はたくさんの犬用歯磨きグッズが発売されていて、飼い主さんをしっかりサポートしてくれます。歯ブラシによるブラッシングの代わりにはなりませんが、他の製品を使うことでも一定の効果は得られます。

我がコに適した製品を選び、正しく使いましょう。今日はそのためのヒントを、ゼファー動物病院の上條圭司院長に伺いました。

[icon name=”comments” class=”” unprefixed_class=””] お話を伺った方

ゼファー動物病院 上條圭司(かみじょう けいじ)院長

麻布大学獣医学部卒業後、横浜市内の動物病院にて研修。1990年に東京都八王子市にて動物病院開業、現在に至る。Team HOPE 副代表。

この記事には、こんなことが書いてあるよ!

犬の歯磨きグッズを正しく選ぼう

犬用デンタルケア製品は、歯ブラシや歯磨き粉(ジェル)などの歯磨き用品だけではありません。ガムやオモチャ、サプリメント、”飲む歯磨き”や”塗る歯磨き”などなど、次々に新たな”歯磨きグッズ”が登場しています。

歯ブラシを使ったケアが王道ですが、苦手なコや慣れていない犬には、ガムやオモチャ、指サックなどを取り入れるのももちろん可。上條先生も「何もしないより、できることを続けるのが大事。愛犬と触れ合って、どんどんステップアップしていけば良いと思います」と、頑張る飼い主さんを応援しています。

グッズを選ぶうえでもっとも重要なのは?「安全性を確認することです。そのコに合っているか、効果が期待できるの確認も重要ですが、まずは安全であることを第一に考えてください。お手軽に楽しくケアができることを謳う製品もありますが、成分や素材が安全でなければ効果が得られないどころか、犬の健康に悪影響を及ぼしてしまいます」

この記事は、ペットの予防医療の普及・啓発活動を展開する獣医師団体「Team HOPE」の協力により作成したものです。

健康診断や予防医療についてもっと知りたい方は、Team HOPE公式(http://teamhope-f.jp/) をチェックしてね🐶

安全性を確認するうえで頼りになるのはやはり、かかりつけ獣医師さん。「いつもかかっている獣医師さんに聞いてみるのが一番ですね。愛犬の普段の様子を知っている獣医師さんなら、お口の様子に合わせた適切なアドバイスをくれるはず。デンタルケア製品の選び方やオススメ品、愛犬にはどんな製品が良いかなど、いろいろ尋ねてみてください」

製造場所が信頼できる会社かどうかも一つの材料です。製品に問題が起こった場合の連絡先が明記されているか、連絡の手段があるのかは必ず確認しておきましょう。

口コミ情報なども参考にしましょう。記載されていることを鵜呑みにする必要はありませんが、安全面で疑問が残る商品をわざわざ選ぶ必要もありません。

犬の歯磨きグッズにはどんなものがあるの?

・こすって磨く:ガーゼ、歯磨きシート

お口を触られるのに慣れてきたけれど歯ブラシはまだちょっと…というコには、ガーゼやシートを使った「こすり磨き」がオススメです。指にガーゼをきつく巻いて密着させ、指先を使ってしっかり磨いていきます。ガーゼの場合は水やぬるま湯をつけ、シートはそのままで使用しますが、愛犬の好きな肉汁やジェルなどをつけて磨くのもOKです。

・歯磨きの王道:歯ブラシ

「こすり磨き」に慣れてきたら、歯ブラシにステップアップしましょう。細かいところまで綺麗にできます。歯ブラシによるケアでは歯垢をとるだけではなく、歯茎をマッサージする効果や歯周ポケットに空気を送り込み細菌の繁殖を防ぐ効果なども期待できます。

犬用歯ブラシがもっともオススメです。毛先が柔らかくヘッドが犬に合ったサイズであれば、子供用や乳児用歯ブラシも使えます。ジェルや歯磨きペーストも使用できますが、ブラシを水につけるだけでも十分です。

・効果アップを期待:歯磨きジェル・ペースト

水をつけて行う歯磨きでも十分ですが、犬用デンタルジェルや歯磨きペーストは犬が好む味がついていることが多いので、活用してみるのも良いでしょう。

ジェルやペーストには、口臭改善や歯垢および歯石の蓄積を防ぐなどの成分を含んだものもあります。指につけて塗り込むだけで効果を発揮する製品もありますので、使用方法などを確認してみましょう。

安全な商品を選ぶために、使用前に獣医師に確認することをオススメします。また、飼い主さんの安全のため、歯茎に直接塗り込む場合は、お口を触ることに十分慣れていることが前提で、味に慣れさせてからチャレンジしましょう。また人間用は絶対に使用しないようにしましょう。

・楽しくキレイに:歯磨きガム・オモチャ

ガムには、その形状によってブラッシング作用が期待できるものもあります。ただし、与えてすぐに飲み込んでしまってはその効果は得られません。飼い主さんが手に持って愛犬にしっかり噛ませる方法がオススメです。飼い主さんがコントロールすれば、左右均等に噛ませることもできますし、大きすぎる場合は取り上げることで量の調節もできます。

毎日使用しても安全で、効果のある商品を選びましょう。大きさや硬さだけでなく、成分や製造場所についても確認しましょう。

犬の歯磨きグッズについてのFAQ

犬の歯磨きグッズについてよく寄せられる質問と答えをまとめました。ぜひ参考にしてください。

Q1 どんな歯ブラシが良いの?

愛犬が嫌がらず、飼い主さんにとって磨きやすく、奥歯や細かいところまでブラシが届き、歯肉ケアもできる歯ブラシが理想です。

ブラシは、そのコに適したサイズを選びましょう。大きめのブラシは広い面積をカバーするので歯磨きを短時間で終えられますが、大きすぎると奥歯まで届かせにくくなります。小さいブラシは細かい部分のクリーニングに適していますが、小さすぎは磨きづらかったり歯磨きに時間がかかったりします。実際に使用して、そのコに合った大きさを探してみましょう。

柔らかい毛が密集しているものを選びましょう。人間の子供用も使用できますが、意外に毛が硬いものもあるので注意が必要です。硬い歯ブラシは、歯肉の弱ったコには負担が大きすぎますし、健康なコでも歯肉の退縮につながるおそれがあります。

Q2 歯ブラシはいつ取り替えるべき?

「歯ブラシが歯ブラシとしての役割を果たさなくなったとき」が取り替えどきです。毛が開いたり、弾力がなくなったものは清掃能力が落ちるうえ、ゴシゴシ擦ることで歯茎を傷つける原因ともなります。また、どんなに洗って乾燥させたとしても、ブラシには菌が溜まっていきます。人間の歯ブラシと同じように、ブラシの背中側からみたときに毛が見えるようになってきたら交換しましょう。

Q3 同居犬は同じ歯ブラシを使っても良い?

多頭飼いの場合は、それぞれに歯磨きグッズを用意してあげましょう。

Q4 歯磨きジェルやペースト、つけたほうがいいの?

つけた方が良い、つけない方が良いというのは特にありません。味のついたジェルを使うことで愛犬が歯磨きを喜ぶようになるなら使用すれば良いですし、成分の安全が確認できないようなら使用しない方が良いでしょう。

人間用の歯磨き粉は口をゆすぐことが前提で、多くは界面活性剤などの成分が使用されています。最近では犬には毒になるキシリトールが使用されている製品も多くあります。人間用は絶対に使用しないようにしましょう。

Q5 どのくらいの頻度で歯磨きすべき?

毎日のブラッシングが理想です。歯垢(プラーク)は24時間で形成され、2〜3日で歯石に変化すると言われています。一度歯石になると歯磨きなどで取り除くことはできません。また、歯石ができると歯の表面デコボコし、より細菌が付着しやすい状態になり、歯周病のリスクは高まります。

毎日が無理という場合も、3日に一度は全部の歯を磨くようにしましょう。慣れないときは1日に少しずつ、3日で全部の歯をブラッシングするやり方でも良いでしょう。慣れてきたら、毎日全部の歯を磨きましょう。

Q6 いつ歯磨きをすると良いの?

愛犬がリラックスし、落ち着いている時間が良いでしょう。飼い主さんの歯磨きの後にするとルーティン化しやすいかもしれません。お散歩やオヤツの前にもって来て、「歯磨き→ごほうび」の流れを作るのもオススメです。

歯磨き後にオヤツを与えると歯が汚れてしまうのでは?と思われるかもしれませんが、小さなオヤツであれば汚れもつきにくいものです。また、歯周ポケットに空気を入れることや、ブラッシングによるマッサージ効果などは十分に得られます。まずは上手に歯磨きできるようになること、歯磨きをルーティン化すること、愛犬が歯磨き+ご褒美を期待し楽しむようになることを目指しましょう。

Q7 硬いオモチャで歯石は取れるの?

硬いオヤツやオモチャで歯石が取れることはありません。逆に、硬すぎるオヤツ、オモチャ、ひづめや骨、アキレスなどを齧って歯が折れてしまうなどの悪影響があることの方が多いです。硬すぎるものは歯が食い込まないために表面を綺麗にする効果もあまり見込めません。長期的に歯がこすれあうことで歯の表面が減り、痛みを引き起こしたり折れて雑菌が入り込んでしまうことがあります。

Q8 歯磨きを嫌がる犬。どうしたらいい?

諦めず取り組むことが大切です。お口周りを触らせてくれるか否かは、愛犬の健康を左右する大事なことですから、少しずつ根気よく取り組みましょう。

汚れを綺麗にし、歯周病や歯肉炎などのトラブルを防ぐためには、歯ブラシを使ったブラッシングがもっとも効果的です。しかし棒状のものを口に入れることに慣れない(嫌がる)犬もいます。その場合はガーゼや指サックを使ったり、ガムやオモチャを取り入れたりすると良いでしょう。

歯ブラシの代わりのグッズにも一定の効果が期待できますが、ブラッシングの代わりにならないことは忘れてはなりません。あくまでも目標は歯ブラシによるクリーニング。ガムやオモチャを使用するときも、手で持ってブラッシングのように動かすなど、工夫をしながら与えましょう。

定期的に歯磨きを行えない犬は、出来るだけ多く獣医師の診察とアドバイス(歯磨き方法、より良いケア製品、食事など)を受けるようにしましょう。

Q9 歯磨きガムやオヤツはどう選べばいいの?

歯磨きガムやオヤツを選ぶポイントには、以下のようなものがあります。

  • 成分表示を確認しましょう。有害成分を含んでいないか、消化されやすい成分か、カロリーは高すぎないか、望む効果が得られる配合成分かを確認しましょう。
  • 硬すぎないものを選びましょう。指の爪で押したときに跡がつかないほど硬いものは危険です。店頭の商品を爪で傷つけるのはNGですので、購入前なら店員さんに確認してもらいましょう。
  • 歯や、歯と歯の隙間に接触する形状のものを選びましょう。
  • 犬が美味しくカミカミできるものを選びましょう。
  • 体重管理や食事制限をしている犬用を選ぶ場合は、必ず獣医師に確認してから与えるようにしましょう。安全な成分であっても犬によっては与えない方が良いこともあります。

Featured image creditMilante/ shutterstock

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