飼い犬から肺ペストに感染、米コロラド州で4人が入院〜ところで肺ペストってどんな病気?

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米コロラド州で昨年夏、ピットブルテリアを発生源とする肺ペストに4人が感染していたことが、米疾病予防センター(CDC:Centers for Disease Control and Prevention)により明らかにされました。

感染源がピットブルテリア犬だということが判明し、犬から人への感染はかなり稀だということで驚かれています。CNN.co.jpによれば、犬から人への感染が見つかったのは2009年に中国で報告された1例のみだったといいます。なお、ウイルスが変異した痕跡はないということです[1]

CDCの調査報告によると、同州で飼われていたピットブルテリア(2歳)が喀血や発熱などの症状を呈し、安楽死させられていました。その4日後、飼い主の男性が同じく発熱、喀血を発症し、入院。詳しく検査したところ、肺ペストに感染していることが分かりました。そのため、犬の亡骸を再検査した結果、ペストの原因となるエルシニア属菌が見つかったそうです。なお、飼い主の他に、犬と接触した動物病院の職員など3人も感染し発症しましたが、いずれも治療を受けて回復しています。

ところでところでペストって何?というアナタのために解説。ペストとは「腸内細菌科に属する通性嫌気性のグラム陰性桿菌Yersinia pestis に起因する全身性の侵襲性感染症で、ノミやエアロゾルを介して伝播する。感染ルートや臨床像によって腺ペスト、肺ペスト、および敗血症型ペストに分けられる[2]のだそう。

ちなみに、肺ペストは最も危険ながらも極めて稀なタイプとのことです[2]

中世代には大流行したペストですが、現在は、抗生物質で治療できます。米国でも報告されている感染者数は平均して年間8人ほど。肺ペストはその中でも珍しく、3~5%ほどだそうですよ。

ワンコさんが喀血や発熱していたら、すぐに病院へ。『ワンコのキスは危険な香り〜病気をうつされないように知っておきたい動物由来感染症のこと』でお伝えしたとおり、かわいいワンコは愛だけでなく病気を運んでくる可能性があるということをお忘れなく。いつも仲良くしている飼い主さんに同じ症状が出ていたら、(肺ペストである可能性は低いと思うけど)検査してもらったほうが良いのかもしれません。


ABC Breaking US News | ABC Politics News

h/t to ABC News | Dog Infects Humans With Plague for First Time in US , 翻訳:AKINAGA


[1] CNN.co.jp : 飼い犬から肺ペストに感染、コロラド州で4人入院
[2] 感染症発生動向調査週報(IDWR)|感染症の話:ペスト

 

Featured image by krutikof via shutterstock

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