犬も仮病を使うのか?

生態・行動
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犬は非常に知的な生き物です。さまざまなトリックやコマンドを学ぶことができるように、あなたの注意と関心を引くための行動も学ぶことができます。

そう。仮病を使うことも、彼らには不可能ではないのです。

病気を偽った犬のお話

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image by Matty Sievers / unsplash

犬は非常に賢い動物であり、飼い主を操作する方法をも学ぶことができます。

米ユタ州に住む犬のサリバン(愛称サリー)は、偽の咳をして、飼い主夫妻を家に引き止めることに成功しました。動物病院の検査により「完全な健康体」と太鼓判を押されたサリーは、「注意を引きたいために咳をした」という診断が下されたのです。

【イヌニュース】犬、飼い主を引き留めるために仮病を使う | the WOOF イヌメディア

この他、脚に小さな腫瘍が見つかったローラも、”仮病”を使った過去がある犬です。ローラは手術後の”包帯時代”にみんなに甘やかされたことが忘れられず、腫瘍を切除して完全に回復した後も、お気に入りの人間に会うと必ず脚をあげて「クゥーンクゥン」と鳴き声をあげるという演技をするようになったのだとか。なお、人の目がないときは”奇跡の回復”を果たし、スタスタ歩きジャンプも難なくこなしたそうです。

犬も仮病を使うのか

犬が具合が悪そうにしているなら、本当に具合が悪いのでしょう。犬は本能的に、自らが衰弱している兆候を見せないようにしますから、具合が悪そうなら本当に具合が悪いと思った方が安全です。

とはいえ、「うちの犬は仮病を使う」という飼い主が一定数いるのも確かです。”Natural Health for Dogs and Cats”の中でRichard Pitcairn博士は、犬も”仮病”を使うことがあり、そうした行動はほんとうの痛みや病気の兆候からはじまるのだと述べています。飼い主の反応を学んだ犬は、問題が解決した後もその反応を引き出そうとして症状を作るのだといいます。

「あなたが咳の軽度の症状がでている愛犬を心配したとしましょう。咳をするたびに、あなたは犬の元に駆け寄り、ナデナデして、優しく声をかけるわけです。犬はすぐに「咳をすると望むもの、すなわち愛情が得られる」と学ぶでしょう。(優しくしてもらえるのですから)咳をしない手はないですよね」

それは仮病か、ほんとうの病気か?

愛犬が実際に病気であるか、単にあなたの愛と関心を得るために病気を偽っているかどうかを知ることはかなり難しいでしょう。

真実を知りたければ、動物病院に直行し、実際には何も問題がないことを確認するしかありません。獣医師により「問題がない」と判断された場合には、「もしかしたら”仮病”!?」と疑ってみても罪にはなりません。以下のような行動がみられたら、”仮病”疑惑は濃厚です。

  • あなた、または誰か特定の人がいるときだけ、症状が出る
  • あなた、または特別の人が注意を向けたときに症状が始まる
  • 家を出ようとするなど、特定のタイミングで症状が出る。そしてそれ以外のときは、まったく問題がない
  • 病気や怪我でもないのに症状を示す(注意:病気や怪我の判断は獣医師さんにお任せしてね)

犬の様子をつぶさに観察して、あなたが見ていないときでも症状が出ているかどうかを確認しましょう。

病気の偽装は、身体の本当の不調と組み合わせで行われることもあります。「これは仮病だ!」と決めつけることなく、常に病気の可能性があることを忘れないようにしましょう。

”仮病”であることがわかったら

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image by roman pentin / Flickr

”仮病”を使う犬は、あなたからの注意と愛情が十分ではないと感じている可能性があります。病気を患っていたときの大いなる愛情を覚えていて、そのときと同じように構って欲しいと思っています。あるいは”仮病”を使うと飼い主を思いどおりに動かせることを学んでいます。

”仮病”がうたがわれる場合は、疑わしき症状が示された時に特別な反応をしないようにしてみてください。愛情をかけるなら、あなたが好む行動をしたときにしましょう。”仮病”をつかったからといって、叱ったり罰したりするのはやめましょう。「構ってもらった」と思って逆効果になったり、他の問題行動を誘発することがあります。

お散歩がサボり気味だったり、日常の中での構ってあげる時間が少ないなど、飼い主さん側に身に覚えがあるのなら、一念発起して犬とのラブラブ時間を捻出するように努めましょう。普段より少し長いお散歩や、いつもとちょっと違うトレーニング、マッサージをしてあげるなどして、愛犬に「”仮病”を使わなくてもいいんだ!」ということを学んでもらいましょう。

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Are you teaching your pet to act sick? | Animal communicator Sarah Messina
[2] Can Dogs “Fake” Illnesses & Injuries For Attention? – iHeartDogs.com

Featured image creditSimon Hesthaven/ unsplash

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