犬の空の巣症候群〜家族が「消える」ことが犬たちの心に与える影響

お世話・グルーミング
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子供が新生活に踏み出す春や、賑やかな夏休みが終わる晩夏は、残された家族に穴が空いたような寂しさをもたらすものです。

大事な人が’消えた’ことからくる寂寥感は、ペットの心にも大きな影響を与えます。

”空の巣症候群”に悩まされる犬たち

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心にぽっかり穴が… image by Gordon / Flickr

Tufts Cummings Schoolのドッドマン教授は、家族が不在になることにより犬たちが”空の巣症候群(empty nest syndrome)”に襲われると指摘しています

空の巣症候群とは、子供が巣立つ時期の悲しみや喪失感などの症状のこと(医学用語ではない)[1]。子育てが終わった母親に無気力、無関心、自信喪失など抑うつに似た症状が見られるもの。こうした気持ちを犬たちも感じるというのです。

「人間とのやり取りや愛情を受けることを好む犬猫は、仲良く遊んでいた大親友が突然に’消えてしまう’ことで、心理的にうまくいかなくなります。彼らの生活に隙間ができてしまいます」

子供が大学進学のために転居したあるケースでは、犬が心の隙間を埋めようと様々な行動を試みて、これが家族を大いに悩ませたのだそう。すでに老境に入っていた犬は大きな変化に対応することができず、毎晩階段の踊り場で鳴き続けたということです。

吠える、鳴き声をあげる、家具を噛む、逃走を試みるなど、それまでには見られなかった行動を見せることがあれば、犬たちは喪失感に苦しんでいるかもしれません。食欲が減退する、あるいは全く食べなくなるというのも、家族の不在が影響している可能性があります。

症状を緩和するためにできること

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帰ってきた! image by Wei-Hang Chua / Flickr

第一に、ニンゲン家族が”空の巣症候群”を回避する努力をすることです。犬たちは、家族の様子をつぶさに観察し、時にはその真似をすることもあります。家族が鬱々としていれば、犬たちはその感情や行動を拾い上げ、元気をなくしてしまうかもしれません。

第二に、心の穴を埋めるような新しい習慣を作ってあげることです。エクササイズは愛犬とあなたの心を救う良い方法です。走ったり、何かを追いかけたりすることで、犬たちは心の健康を取り戻してくれるでしょう。

第三に、家で一人で過ごさせる時間をできるだけ少なくすることです。共働きのご家庭は、難しいことかもしれませんが、例えばペットシッターやドッグスクール、お留守番時のコミュニケーションツールを利用するなどして、孤独感を忘れさせるのも一つの方法です。最近のツールはなかなか優秀で、例えばFurbo ドッグカメラなら、スマホアプリを使ってワンコとお話することや、遊ぶこともできちゃいます。

抑うつ症状があまりにひどい場合には、獣医師のアドバイスをもらうことが一番の助けになることを忘れずに。行動療法もありますし、お薬により症状を緩和させるなどの方法もあります。問題が拡大する前に、専門家の助けを求めることは常に一番良い解決策です。


家族がいなくなる寂しさを埋めてくれるのは、可愛いワンコたちであることは間違いありません。そんな大切な4本脚家族の変化は、できるだけ早めに察知して、苦しさから救ってあげたいものですよね。

旅立ちの春や夏休みの終わりには、大いに気遣ってあげてくださいね。

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Empty nest syndrome: Tips for coping – Mayo Clinic

Featured image credit Tony / Flickr

「うちのフレンチブルを、たった5分だけ独りにしたら…」こうなった! | the WOOF

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