“悪いコ”を育てる4つの方法〜犬は飼い主から良いことも悪いことも学ぶ
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飛びつき、無駄吠え、拾い食い。
オネダリ、噛み癖、引っ張り癖…。
愛犬の困った行動は、あなたが引き出しているのかもしれません。「人の振り見て我が振り決めよう」とする犬たちは、私たちをつぶさに観察して悪いコになっている可能性があるのです。
1. 飛びつきを認める
飼い主に向かって前脚をかけたり、ジャンプするのは、「おかえり〜。帰ってきてくれて嬉しいよ!寂しかったよ〜」というご挨拶です。大歓迎は嬉しいものですが、愛犬の足腰に負担をかけますし、なんと言っても危険です。できるだけやめさせたいものです。
子犬時代の飛びつきを、「可愛いから」と許してしまうことで癖のようになってしまう犬は少なくありません。成犬になってからも、「ただいま〜!」と高い声を出して興奮させたり、「ヨシヨシ」と頭を撫でてしまうことが、飛びつき行動を加速させることがあります。
一方で飛びつきは、怒っている飼い主を「落ち着いて」となだめるための行動でもあるため、「ダメ!」「No!」と叱ることが逆効果になることもあるのです。犬たちはあなたに落ち着いてもらうため、飛びついたり舐めたりを繰り返そうとします。
飛びつきには無視で対抗するという王道を貫きましょう。犬が落ち着くまで待って、お座りしてから「ただいま」をするというのも有効です。
2. おしゃべり、遠吠えを容認する
犬が吠える理由の一つに、仲間とのやり取りや模倣があるそうです。犬の行動管理コンサルタントのハットフィールド氏は、多くの犬を抱える避難所のような場所では犬は他の犬の模倣して吠えが続くと述べています。ペットの犬では、なんらかのきっかけで遠吠えを始めることがあります(犬の声やサイレンの音に「僕はここにいるよ!」と反応する)。
声を使ったコミュニケーションは、通常は仲間内で行われるもので、異なる種のイヌとヒトではあまり一般的ではありませんが、飼い主が吠えを強化するような行動をすれば、例えば人の声に反応して犬が鳴いたり吠えたりすることもあるようです。例えば飼い主の歌に合わせて吠えたらオヤツがもらえた、大声に反応して吠えたら抱っこしてもらえた、などなどです。もしかして、吠えを推奨するような行動をとってはいませんか?
3. おねだり行動を容認する
食事やオヤツを獲得する時の、犬の記憶力の良さと学習能力の高さには、ただただ驚くだけ。誰が食べ物をくれるのか、どのようにしたら貰えるのかを、正確に理解できるかのようです。子犬の目で見つめる彼らに「ノー」を突きつけるのは、至難のわざと言えるでしょう。
悲しいことではありますが、おねだり行動を容認する甘さは確実に”悪いコ”を育てます。この悪い習慣を断つためには、食べ物ではなくオモチャを与える、おすそ分けではなくカリカリを与える(合計して一日の給餌量を超えないように注意)、あるいは無視をするなどの厳しい姿勢が必要です。これまでに得られていた報酬がもらえなくなると、犬のおねだり行動は強まりますが(消去バースト)、これは一時的なものであり、ここで譲歩をしなければ最終的に行動は消失します。
4. リードの引っ張りを許す
犬たるもの、行きたいところがたくさんあって、嗅ぎたい匂いもたくさんあるもの。飼い主さんを誘導し、堂々と先頭を歩きたい犬もいるかもしれません。
引っ張り癖が出る原因は、トレーニングの不足のほか、飼い主さんの魅力アピールが少ないことや、「ノー」ばかりを言い続けること、飼い主さんが散歩の主導権を握れていないことが挙げられます。自分の近くにいることや、ペースを合わせて歩くことで犬もメリットを得られることを、存分にアピールしましょう。お散歩中は「ダメ」ではなく、上手にできた時の「いいね!」を増やしましょう。
また、お散歩コースを工夫したり、スピードに緩急をつけることでお散歩の楽しさをアップさせ、「急いで行かなくても大丈夫」と言う心の余裕を与えてあげるのも良いでしょう。
ほとんどの犬は”イイコ”ですし、褒められることが大好きです。もし”悪いコ”になってしまったのなら、その原因はあなたにあるのかもしれません。「コラッ!」と叱りつけるその前に、あなたやご家族の行動をかる〜く振り返ってみましょう。思い当たる節、ありませんか?
Featured image credit Bildagentur Zoonar GmbH / Shutterstock
犬に説教をしてはならない4つの理由 | the WOOF イヌメディア
犬が’悪いコト’をしでかした時、人間相手と同じように、犬を怒りをぶつけ、お説教をしてしまうなんてことはありませんか? 私たちは「叱られること」から、物事の良し悪しを学んできました。だから犬にも同じように、叱責から良い悪いを学んでもらえると期待してしまいます。