犬に説教をしてはならない4つの理由

しつけ・トレーニング
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犬が’悪いコト’をしでかした時、人間相手と同じように、犬を怒りをぶつけ、お説教をしてしまうなんてことはありませんか?

私たちは「叱られること」から、物事の良し悪しを学んできました。だから犬にも同じように、叱責から良い悪いを学んでもらえると期待してしまいます。

ただ、人間に対するものと同じような叱責では、ほとんど効果はありません。むしろ、悪い行動を強化してしまったり、別の問題を引き起こすきっかけにもなり得るのです。

犬に怒りをぶつけてはならない4つの理由

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なに言われてるか、わからない… image by Anderson Nascimento / Flickr

犬に怒りの言葉を投げつけることは、あなたの中にちょっとした満足を生み出すかもしれません。でも、肝心の犬の行動は変わりません。

1. 犬は長いお説教を理解しない

そもそも、犬は私たちの言葉を理解しません。賢い彼らは、いくつかの単語を記憶し理解すると言われていますが、人間が怒りに任せて行う大演説は全く理解できないでしょう。「大好きな飼い主さんが、何か理由は分からないけれどギャーギャー吠えている」という状況は、彼らには意味不明でストレスフルです。

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2. 行為と叱責を関連づけられない

外出から帰ったら、買ったばかりのラグにオシッコをされていた…もう、何枚ダメにすれば気がすむんだ!と怒りを覚えたとしても、叫んだりお説教したりは意味をもちません。犬たちには、オシッコとお説教の関連性がさっぱり分からないからです。あなたが怒りの叫び声をあげれば大人しく反省しているような行動や仕草を見せますが、実際には「反省」ではなく「自分を落ち着かせよう、相手を落ち着かせよう」という仕草であることが多いのです。

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3. 恐怖心を植え付ける

かつては、「悪いことをしたら、それが悪いことだと分からせなければならない」とするトレーニングもありました。中には体罰に類するような方法もありましたが、現在ではそれらは犬を良い行動に導く効果はないと言われています。

犬にも個性があり、それぞれに異なります。少々扱いが荒くても平気なコもいれば、非常に繊細なコもいます。飼い主さんの激しい怒りを前に、恐怖のあまり排泄の失敗をするコもおり、この状態が傷となって元気がなくなったり、次に挙げるような悪い行動につながったりします。

4. 悪い行動につながる

「来客に飛びつく行動をやめてほしい」となると、ついつい「やめなさい、ダメだって言ったでしょ!」と叫び声をあげてしまいませんか。この叫び、興奮している犬にとっては、応援の声に聞こえているのかもしれません。その場合犬たちは、盛大なる応援の声を受け、意気揚々とゲストに飛びかかっていくのです。

このように間違った叱責は、悪い行動を強化してしまうことに加え、別の望まぬ行動を引き出してしまうことがあります。例えば、「床でウンチしたら叱られた」というケースでは、「床のウンチがダメなら隠せばいい」「食べてしまえばいい」「見えないところですればいい」など、さらなる行動を引き出すということが起こり得ます。行動の転換どころか、悪化させていますよね。

お説教のかわりに何をすべきか

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褒められちゃった…♡ image by Mity / Flickr

怒りに任せてお説教をするのがダメならば、一体どうすれば良いのでしょうか。

まず、悪い行動を引き出す原因を突き止め、その要因を取り除くのがもっとも簡単で効果的な方法です。ゴミ箱に頭を突っ込むのが問題なら、ゴミ箱はクローゼットに収めてしまいましょう。

また、悪い行動をしている時に中断するマジックワードを見つけましょう。例えば「あ!」のように、明快で他の言葉と混同しないような一言で、悪い行動を中断させるようにするのです。あなたの「嫌だ」を伝えるために、はっきりとシャープに発声することがポイントです。中断させ落ち着かせることができたら、しっかりと褒めてあげましょう。

望まぬ行動に対して怒るのではなく、良いコにできた時に褒める癖をつけましょう。時間も忍耐も必要ですが、悪い行動を良い行動で代替するというのが理想です。チャイムに吠えたら叱るのではなく、吠えなかったら盛大に褒めるのです。


家の中にゴミが散乱している時に、叱りつけたくなる気持ちを抑えるのは並大抵のことではないと思います。「言うが易く行うは難し」ではありますが、時間をかけてゆっくりと我がコを良い犬に育てていきましょう。

Featured image credit Alex Matravers / Flickr

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