犬のウンチが火を灯す〜イギリスでリサイクル街灯が設置

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近い将来、街の明かりは、犬のウンチを使って灯されることになるかもしれません。イギリスのクリエイターが犬の糞から生成されたメタンガスを使った街灯を開発し、マルヴァーン・ヒルズの尾根に設置しました。


マルヴァーン・ヒルズは犬も大好きな場所 image by Jenny Cottingham / Shutterstock

クリエイターのブライアン・ハーパーさん(Brian Harper)はかねてより、マルヴァーン・ヒルズに残る100を超えるガス灯を保存する運動に携わっていました。また同時に、家の近くの美しい道端に捨てられる犬の糞(あるいはプーバック)をどうにかしたいと考えていました。

美しい景観で知られるマルヴァーン・ヒルズは、訪れる犬の数も非常に多く、”落し物”も大量です。ハーパーさんは家の前を通り過ぎる犬たちを見て「犬の糞に価値を与え、飼い主に賢明に行動させる何かが必要だ」と考えました。そこで出てきたのが、犬の糞を活用したガス灯の開発というアイディアです。ハーパーさんは、5年ほど前に訪れたボストン、排泄物活用についてのヒントを得ていたそうです。

3年間の試行錯誤ののち、昨年11月、ついにハーパーさんの家の前に明かりが灯りました。仕組みは非常に単純です。

  • 犬はいつもの仕事をする
  • 散歩人は生まれたてのウンチを、”poop scoop”(紙袋、無料)に取って装置に入れる
  • 装置についているハンドルを5回まわしてウンチをバイオガス生成装置に移動させる
  • ウンチは微生物によって分解される
  • 数日を経てバイオガス(メタン60%、二酸化炭素40%)が生成され、ガスタンクに補完される
  • 街灯は、暗くなってきたことを完治するとガスの供給を開始し、ガスマントル(火が付き灰火させるとガスの炎で発火するもの)に点火し、街灯がともる

ハーパーさんによれば、街灯を2時間灯すのに必要なウンチ袋は10個だそう。小型犬の10袋では2時間は無理かもしれませんが、犬のウンチがこれほどまでにパワフルなのは、ちょっとした驚きですよね。

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街灯のイメージ image by Simon Baylis / Shutterstock

街灯の設置後、ウンチの放置は減少しているとハーパーさんは見ています。「”それ”を置く合理的な場所があるからね」

ハーパーさんのプロジェクトは、美しい自然を残そうとする地域の団体(the Malvern Hills Area of Outstanding Natural Beauty)からの資金援助も受けています。次の目標は、地域の別の場所にも街灯を設置することです。

動物の排泄物や食品などの廃棄物をリサイクルにして燃料に変えようという試みは、世界の各地で様々に行われています。カナダのオンタリオ州では犬猫の排泄物を集めて分解し、メタンや電気、肥料などにして供給しています。イギリスではすでに40人乗りの”バイオバス”が走っており、これは下水と食品廃棄物から排出されるバイオメタンガスによって動いています。

愛犬や愛猫のウンチに”乗って”移動する日も、遠い未来ではないかもしれませんね。

Featured image credit Simon Kadula / Shutterstock

h/t to From stools to fuels: the street lamp that runs on dog do | Environment | The Guardian

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