元気で長生きしてほしい。だからお薬もちゃんと飲もうね・・・。
そんな飼い主の気持ちは無視。お薬イヤ〜っていうワンコさんは、少なくないみたい。無理に飲ませるのは大変だし、ツラいですよね。
投薬の時間も素敵なコミュニケーションの機会になればいいな。そんな願いをこめて、ワンコにお薬を飲ませる方法をご紹介します。
お薬を飲んでもらう方法
飼い主さんは片方の手を、犬の上顎を上からつかむように軽くあて、(その手の)親指と人指し指を犬歯の後ろあたりにあてます。自然に口が開きますので、錠剤を喉の奥に押し込んで顎を閉じ、マズルを上に向けます。それから鼻に息を吹きかけながら喉をさすってあげましょう。
ワンコさんが鼻をペロリとしたらゴールは目の前。犬は鼻を舐めたあとに、舌をひっこめると同時に口の中の物もごくりと飲み込む習性があるんですよ。
ごくり、と飲み込むまでは油断しちゃダメ。ワンコさんはなかなかデキる奴で、飼い主さんの注意がそれたところで「ペッ」と吐き出すこともありますよ。
上手に飲めたら、いつも以上にたっぷりと褒めてあげてくださいね。
お薬キライ〜ってコにも何とかして飲んでもらう方法
・食べ物を使ってゲームしよう。ただし薬入り
遊びの中で自然に投薬できちゃう、お薬ゲームはいかがでしょう。
- おやつを準備します。ワンコが好きな食べ物を、一口で飲み込める大きさにして使うことがコツ。薬が入っているものと入っていないものを複数準備すること
- おやつを犬に見せて、十分に気を引いてください
- 薬が入っていない方をポンポン、と1、2 個軽く投げて与えます。犬がおやつに夢中になったところで、3個め辺りから変化をつけます
- 鼻と口の近いところまでおやつを持っていき、ギリギリのところで引っ込めたり。焦らしながら遊んであげて下さい。焦らした後は普通に与えるとゲームが長続きします
- 多頭飼いの場合は、犬たちにランダムにおやつを与えて競争心をくすぐると効果的です。このとき、薬が入ったおやつを他の犬に飲ませないように注意してくださいね
注意事項は以下のとおりです。
- 処方された薬を細かく刻んだり、カプセルから粉を出して与えても問題ないかどうか、獣医さんに確認しておきましょう。効果の持続時間や、有効成分の放出時間など、服用方法を変えると期待の薬効が得られないおそれがあります
- 内臓系疾患・アレルギー持ちの犬の場合は、食べ物選びに注意しましょう
- 海苔など、犬の口内や喉に張り付く心配があるような食べ物は避けましょう。思わぬ事故に繋がります。
・投薬補助ツールを使ってみましょう
ワンコが抗えないような、美味そうなニオイや味付きの投薬補助ツールを使ってみてはいかがでしょう。お使いになるときは、愛犬にとって危険な材料や成分が入っていないか、しっかり確認してくださいね。
投薬補助トリーツを活用
薬を入れるポケットがついているもの、好きなサイズで取り分けて使えるもの、小麦粉メイン、チーズが多く含まれるもの、無添加・保存料ゼロのものなど。原料や大きさなど様々ですので、愛犬に合った商品をよく見極めて上手に利用しましょう。
オブラートもあるよ
少し湿らせると、飲み込みやすくなります。ゼリー状オブラートも美味しい味がついているので食いつきが良くなります。
シリンジやスポイトで流し込む
シリンジ(針のついていない小型の注射器)やスポイトを使ってチューっと注入という方法もあります。犬の頬を口の脇からめくり、歯が生えていない部分の隙間から口の中に入れて与えます。一度に与えすぎるとこぼれるますので、少しずつ押し出すようにします。
病気のときに限らず、食欲がないときに水を飲ませたりするのにも使えるので、常備しておくと便利です。
あま〜い誘惑で誘い込め!甘味を活用する
ヨーグルトや蜂蜜、ジャム、練乳、クリームなど、ワンコさんが大好きな甘いペースト状の物を使うという方法もあります。ペーストを口の中の上顎に塗りつければ、「お口になにか入れられた〜」ってことで、必死に舐めて取ろうとしてくれます。
リキッドタイプであれば、お鼻にチョコっと垂らしてみると、反射的にペロリと舐めてしまいます。イイコだ。
何をやってもダメ・・・だとしても諦めないでチャレンジしてね
「全部試したけど犬が薬を飲まない・・・」そんなこともありますよ!諦めないで、最後に 以下を試してみてね。
食べ物の温度、匂いを変えてみよう
大好物に混ぜたのに食べてくれない、というときは、食べ物を温めてみて。犬は人肌くらいの温かさの食べ物を好みます。温めてよいニオイがしてきたら、「おなかすいたかも・・・」って食べてくれるかもしれません。
あるいは、ゴマ油で肉を炒めたり、バターやチーズなど香りが強い食品を使ってみるのはいかがでしょう。お薬の匂いを消してくれるかもしれませんよ。
飼い主さんの手からあげてみよう
甘えん坊のワンコさんなら、飼い主さんの手から直接あげるのも一つの手。「ママがそこまで言うなら、食べてやるか〜」という気持ちになってくれるかも。飼い主さんの温もりを感じながらのお食事は格別な味がするともいいますよ。がんばって!
獣医さんに相談しよう
あらゆる手段をつくしても飲んでくれない時は、獣医さんに相談しましょう。粉薬は飲めなくても錠剤は飲める、違う薬に変えたら飲めるようになることもあります。嫌がるからといって投薬を諦めないでくださいね。
お薬があんまり好きでないのは、人もワンコも同じです。そうはいっても、お薬を諦めて病状を悪化させたらもっと悲しい事態に陥るかもしれません。ワンコとのお付き合いの基本は、とにかく諦めないこと。きっとそのコに合った方法が良い見つかりますよ。
The Other End of the leash, 翻訳:ラブレス富士子
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