愛する犬にはいつまでも健康で長生きしてほしいもの。でも、うちのコって健康なのかな?と疑問に思うことはありませんか?
犬たちは言葉は喋りませんが全身を使って私たちに健康状態を伝えてくれます。愛犬が健康かどうかは以下の身体のポイントをみれば大まかに判定することができます。
[icon name=”comments” class=”” unprefixed_class=””] この記事の監修者
Dog&Cat Hospital GALFAR 小泉信輝(こいずみ のぶてる)院長
杜の都仙台市太白区で整形外科、神経外科、地域猫TNRに力を入れている犬猫専門動物病院GALFARです。
ワンちゃんネコちゃんの痛みや不快を取り除き飼い主様の笑顔が見れるように日々研鑽しています。
光沢のある被毛、健康な皮膚
健康な皮膚はしなやかで油っぽくなく乾燥や腫れや窪みはありません。異常な数のフケあるいは皮膚の一部に赤みや炎症、乾燥がみられたらなんらかの理由で犬は不快感をおぼえます。
皮膚の状態は被毛の状態にも影響します。健康なコートは光沢があり滑らかでしなやかです。皮膚の状態に問題があるときは被毛が油っぽくなったり過度の脱毛を引き起こすことがあります。
明るくて光沢のある目
健康な目は明るくて艶やかです。目やにや涙が出るのは正常ですが粘り気があったり、ひっきりなしに涙を流しているなら問題の兆候です。まぶたの裏に炎症や腫れなどがあるのも同じく問題の兆候でしょう。健康な犬の目の白い部分は赤や黄色であってはならず充血などもありません。
清潔で悪臭のない耳
健康な犬の耳の中の皮膚の色は薄いピンクです。少々の耳アカがあるのは普通ですが、明らかに多すぎるのは異常です。耳の内部には赤みや腫れ、膿や血液がなく悪臭もありません。プードルなどいくつかの品種では外耳道は毛に覆われていますが多くは耳の開口部に毛は生えていません。
犬が過度に耳を気にしていたり引っ掻いたり頭を振っていたら痛みや不快感があると考えた方が良いでしょう。
清潔な息、健康な歯、輝く歯茎
健康な犬の息は臭くはありません。清潔な息と歯石がない清潔な歯そしてしっかりとした歯茎は健康の証です。
健康な歯茎はピンク色(黒やスポットの入るものもある)です。赤や白、黄色っぽくなっているときは病気の兆候です。表面は弾力がありスムースでただれや炎症があってはなりません。健康な歯茎を押すと白くなりますが手を離すを2~3秒で元に戻ります。
子犬の歯(乳歯)は28本、成長に伴って生え変わり7ヶ月齢ごろに42本の永久歯が生え揃います。健康な歯は白く滑らかで光沢があります。
一定した体重、理想的なボディ
健康な犬は筋肉がありウエストにくびれがあり上から見たときに助骨をみることはできませんが触ったときに背骨と肋骨の骨を感じることができる状態です(品種による違いがあります)。太り過ぎまたは肥満では腹部、首回りの脂肪が目立ちます。この状態になる前に食事や運動習慣を見直さなければなりません。
体重は大きく増減せず、一定に保たれていることが大切です。大きく増減したときは問題ありと考えて動物病院で獣医師に相談しましょう。
正常範囲の体温
犬の”平熱”は38.3~39.2度ほどです。犬の体温は人間と同じく感染、ショック、炎症、外気温、ワクチン接種、または毒物の摂取などさまざまな理由で上下します。多少の上下は健康の範囲内ですが、37.2度を下回ったり、40度以上に達したときは動物病院に向かわなければなりません。
体温が測れないときにみるべき点は、眠気、震え、硬直、昏睡または衰弱などです。触った時の感触に加えてこれらの兆候がみられたら、低体温・発熱を心配すべきです。
(番外)鼻
濡れて湿った鼻は犬の健康のバロメーターにはなりません。健康な犬でも寝ているときは乾くこともありますしシニアになると健康でも乾きがちになります。逆に病気の犬の鼻は湿り気が多いこともあります。
こんなときは獣医師に相談を
犬も生きていますからいつも元気でいるわけではありません。しかし不調が身体に現れるまでには長い時間を要する病気もあります。身体の変化に気づいたら犬の様子に注意をして早めに獣医師に相談しましょう。
一方以下に挙げる症状や行動は身体の中で何かが起こっている兆候です。これらの様子がみられたらすぐに獣医師に伝えましょう。
- 嘔吐、下痢、過剰排尿が続く
- バランスの喪失、よろめき、高所からの落下
- 脚を引きずる、身体の一部を庇う姿勢や行動
- 便秘または排尿困難
- ひっきりなしの流涙や鼻水
- ひっきりなしに目や耳を引っ掻く
- 目、耳、鼻、または傷跡から粘り気のある分泌物
- 気絶、発作
- 咳、くしゃみ、呼吸困難、ゼイゼイ音
- 震え、クンクン鳴き
- 食欲不振、体重減少
- 食欲または飲水の劇的な増加
- 過度の睡眠または異常な活動の欠如
- 犬の歯茎が白い、弾力の喪失
[icon name=”heart” class=”” unprefixed_class=””] 以下の団体の協力により記事を作成しました
Team HOPEは、全国の獣医師・動物病院がTeamとなって、ペットの予防医療と健康管理の普及・啓発 活動を推進し、ペットにやさしい社会の実現を目指すプロジェクトとして2013年12月に発足。Team HOPEの「Team」には、獣医師同士のTeam、業界全体でのTeam、そして、ペットオーナーと獣医師とのTeamづくりを願う気持ちが込められています。